閑話 学院でのオリビア編1
オリビア達が学院に入った初日以降の話です。
オリビア視点ですが、9歳の女の子にしては、大人びた表現かもしれません。
それは、ご愛敬ってことで、お願いします。
学院の入学試験が終わった後、私達3人は、学院長の部屋に案内された。
そこには、学院長がいた。
学院長は、エルフの男性だ。
見た目は、20歳くらいだ。
エルフが歳を取らないって、本当なんだ。
学院長から、
「入学、おめでとう。今から、この学院の生徒になります。3人とも、とても優秀です。」
「入学試験で、魔法出力が900を超えたのは、学院創設以来、今日が初めてです。それが、7歳や9歳の子というのも驚きです。」
「魔法出力が200を超える子は、全て1組になります。頑張ってください。そして、学院生活を楽しんで下さい。」
と言われ、制服の採寸があるからと、別室に移動し採寸した。
そして、寮にある自分の部屋に案内された。
寮は4階建てだった。
1階には、共有の大部屋と大浴場がある。
大部屋は、上級生が使っているので、下級生は入らない方が良いらしい。
2階から4階が、生徒の個室になっている。
私達3人は、同じ2階だった。
アメリアとは隣の部屋になった。
アイラの部屋も近くにある。
個室には、ベットと机があり、机には教科書が置かれていた。
教科書は、全てマジックバックに入れた。
トイレは、各階に共同トイレがあった。
食事は、校舎と寮の間にある食堂だ。
「夜、アメリアは独りで寝られるかな。」
ちょっと心配になった。
その後、担任の先生と一緒に、教室へ移動し、クラスの仲間と対面することになった。
先生は、25歳くらいの女性だ。
眼鏡をしていて、クールに見える。
「貴女達3人とも、1組よ。優秀な子が集まるクラスだから、しっかりね。あと学院内では、家名を名乗ることを禁止しているわ。」
と言われ、教室に入る。
教室の中には、クラスメイトが15人いた。
先生から、自己紹介する様に言われる。
「オリビアです。9歳になります。よろしくお願いします。」
と簡単に挨拶をすると、先生が、
「オリビアさんの魔法出力は、942よ。」
と言う。
アメリアが、
「アメリアです。7歳です。オリビアの妹です。よろしくお願いします。」
と言い、先生が、
「アメリアさんの魔法出力は、981よ。」
と言う。
アイラが、
「アイラ、9歳」
と言うと、先生が、
「アイラさんの魔法出力は、950よ。」
と言った。
「3人とも、とても優秀です。どうやって、これほどの能力に至ったのか。コツを教えて貰いなさい。みんな、仲良くするのよ。」
と言った。
私達には、
「空いている席に座りなさい。」
と言った。
一番前の席が空いていた。
ちょうど3人が、揃って座れる席だった。
そこに座った。
そのまま、魔力操作に関する授業が始まった。
アイラは、知っている内容っぽかったけど、私とアメリアには、全く判らなった。
「授業って、こういうものなんだ。こうやって、勉強を教えてくれるんだ。」
と、初めて受ける授業は、とても新鮮だった。
授業が終わると、次の授業まで、少し休憩時間があった。
クラスメイトが、私達に話しかけてくる。
というか、アメリアの周りに、みんな集まっている感じだ。
「7歳なの。凄いね。」
「可愛いねぇ。」
「アメリアちゃん、学院史上最年少だよ。」
「981って、僕の4倍だよ。」
等々、みんなアメリアを称賛している。
「本当は、私の方が凄いのに!」
って、内心思うけど、
「まぁいいか。」
アメリアが、みんなと打ち解けて、みんなが仲良くしてくれるのが、嬉しい。
クラスメイト15人の大半が、15歳から16歳。
最年長は、17歳の女の子。
最年少は、12歳の女の子だったけど、今日から7歳のアメリア。
「一番、小さい子でも12歳か。私より3歳もお姉さんか。」
私は、こっそり鑑定を使うが、階位1の人ばかりだった。
しかし、1人だけ階位2の人が居た。
エルフの女の子だった。
最年少だった12歳の子だ。
その女の子は、「ソフィー」と言うらしい。
ソフィーとアイラは、さっきから2人で話し込んでいる。
このクラスに、エルフは2人だけ。
笑ってるし、仲良さそうだ。
「いいなぁ。」
なんか、私だけ浮いてる気がしてきた。
なんて、考えていたら、次の授業が始まった。
その日の授業が終わり、寮に戻ることになった。
寮では、3年生の寮長から寮のルールを教えて貰った。
食堂で、夕食を取り、お風呂に入った。
その後、アイラに今日の授業のことを教えて貰った。
机の上にあるカリキュラムをみた。
これからの授業内容は、
魔法理論は、魔法の種類や魔法を発動する仕組みについて。
魔力操作は、魔力を操作する仕組みについて。
国語は、エスリンゲン語について。
算術は、数の計算について。
国史は、エスリンゲン国の歴史について。
教会学は、教会の歴史、世の中の仕組みについて。
運動は、走って競争したり、ボールを投げたりする。
剣術は、剣の訓練
魔法実習は、魔法を実際に使う訓練
の9科目みたいだ。
今日、魔法関係の授業が、難しかった。
でも、アイラに教えて貰ったら理解できた。
ハルトの眷属になったおかげか、頭が良くなった気がする。
アメリアも一緒に勉強した。
アメリアも判ったみたい。
7歳なのに生意気だ。
先生に、教科書を最初から読んでおくように言われたので、部屋で教科書を読むことにした。
アメリアも一緒にいる。
二人で読んでいる。
「ハルトに会いたいな。」
今日は、アメリアと二人、同じベットで寝ることになった。
翌日は、聖の日だから、学校は休みだった。
しかし、アイラと相談して、3人で寮に残ることにした。
「私達も、来週は家に帰ろう。今週は、学内と寮の探索だ。」
学院は全寮制だが、貴族の一部は、だんまりで王都の自宅から通っているらしい。
そうでない人でも、貴族や豪商の子は、王都に生家か別邸がある。
だから、風の日の夕方から神の日の夜まで、家族と過ごしているらしい。
ドルトムント王立学院は、エスリンゲン国の全域から、生徒が集まっているらしい。
だから、学院には貴族どころか、王族もいるそうだ。
1組にも、王族や貴族の子が居るのかな。
王族って、どんな感じなんだろう。
そんな話をアイラにしたら、
「ソフィーは、エルフの国の王女だって。ソフィーが、そういってたよ。」
と言われた。
「ええ。でも、ソフィー様と気軽に話してたじゃん。」
と言うと、
「だって、『気軽に話しかけて』って言うんだもん。駄目なの?」
と言われ、
「駄目じゃないけどさ。」
と返答した。
3人で、そんな他愛もない話をしていたところ、
模擬試合場
という施設が目に入った。
「ここって、剣や魔法の試合をするところかな。」
と言うと、アイラが、
「観てみる?」
と言い、アメリアが、
「みたーい!」
と言うので、中に入ってみることにした。
週末だけど、結構な数の人が居た。
みんな上級生っぽかった。
「結構、居るね。」
と言うと、
「そうね。」
と、アイラが答える。
みんな木の剣で、模擬試合をしている。
20m四方のスペースが6面ある。
「魔法は、使ってないね。」
と言うと、
「そうね。流石に大怪我しちゃうもんね。」
と、アイラが答える。
「あのくらいなら、アイラの敵じゃないね。」
と言うと、
「オリビアも、アメリアも、同じでしょ。」
と、アイラが答える。
「どうかな。魔物相手ならやったけど、人と戦ったこと無いから。」
と、言ったところで、
「じゃぁ、やってみる?」
と、誰かに言われた。
「えっ」
と、言ってアイラと一緒に後ろを見ると、
「どうも、初めまして。君たちが、噂の新入生かな。」
と言って、15、6歳くらいの男の子が立っていた。
私は、
「しまった。聞かれちゃった。」
と考え、顔を顰めていたら、
「失礼した。僕は、3年生の『ジャスパー』です。よろしく。」
と名乗りを受けたので、
「私は、オリビアです。」
「アメリアー」
「1年生のアイラです。」
と、3人とも名前を名乗った。
「やっぱり、そうか。噂の新入生3人だね。」
とジャスパーが言う。
「じゃぁ、ちょっと剣の練習をしないかい。人とやったこと、無いんだよね?対人戦って、魔物相手と違ってコツがあるから、教えてあげるよ。」
と言われた。
アイラと目を合わせると、アイラが頷くので、
「では、お願いします。」
と頭を下げた。
空いているコートに入り、4人で木剣を取る。
そこで、ジャスパーから、剣の振り方と足運びを教えて貰う。
次に、ジャスパーが剣を横にし、それを3人交代で打ち込む。
「すごいね。剣筋が鋭いよ。2人は9歳だよね。アメリアちゃんは7歳だっけ。3人ともセンスがあるよ。」
などと、褒められた。
そんな事をしていたら、周りに、お兄さん、お姉さんが集まってきた。
「ジャスパー、何やってんだ。」
「ジャスパー様、噂の新入生ですか。」
「きゃー、何この子、凄い可愛い。」
などなど、色々な声がする。
3人で吃驚して、キョトンとしていると、
「今日は、このくらいにしようか。本当は、ちょっと剣を合わせてみたかったけど。また、僕と遊んでよ。」
とジャスパーが言ってきた。
「ありがとうございます。また、お願いします。」
と3人で頭を下げて、御礼を言った。
ジャスパーは、同級生と思われる人たちと、そのまま去って行った。
「良い人だったね。」
と言うと、
「うん。良い人だったね。」
とアイラも言う。
「ジャスパー、格好いいね。でも、ハルトの方が好き。」
とアメリアが言うので、何だか可笑しくなり、
「ははは。」
とアイラと一緒に笑いながら、
「アメリア、もう何言ってるのよ。」
と言って、アメリアのほっぺを摘まんだ。
「もうすぐ、お昼だし街に出て、お昼にしましょう。」
と、アイラが提案するので、そうすることにした。
休日の食事は、前日に申し出てないと、用意されない。
前日に入学したので、今日の朝と昼の食事は無い。
今日の夜から、用意されるらしい。
「じゃぁ、そのまま王都の観光をしよう。」
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