Feather,in the sky1
私は自分の部屋で1人朝日を見上げていた。
いつもと同じように夜が明け、また陽が昇る。
あの太陽だっていつかはなくなっちまうらしいから、朝が来るだけありがたいと思わないとな。
それにしても昨日から嫌な予感が消えない。
でも、そのうち時間がたてば忘れるだろう。
人間は必ず死ぬが死ぬことばかり考えていても埒が明かねえ。
ただ、まっすぐ突き進み、その結果、生き延びるか死ぬか分かれるだけだ。
しかし、なんだろうな、この変な感じは。
腹も減ったし、今日は早めに渋谷ベースにでも行ってみるか。
ジェットブースターで渋谷ベースに向かっている間、ずっと昨日のことを考えていた。
もし、チカちゃんが天国から手紙を送ってきたとして、一体何を伝えたかったのだろう。
死んでも天国に行けるから大丈夫ってことなのか?
うまく言えないけど、何だかそれも筋が通ってない感じがするんだよなあ。
私が死んでも私の精神が生き続けるとしたら、神様にでも祈り続けて飢え死ぬのも良いのかも知れない。
でも、多分、それはちょっと違う気がする。
死んだ後のことを妙に期待するのもなんかおかしくないか?
そんなことまで考えてたらキリがねえって。
分からないことを考えるから不安になる。
だから日本も、いや、アジア中がこんなことになっちまったんじゃないのか?
みんな冷静になれよ。
今日食えるものが何とか手に入れば御の字なんだって。
死ぬことと生きることを、もっとシンプルに考えた方が良い。
「大佐、おはよう」
私は渋谷ベースに入ると、まだ大佐はいつものソファーの上で寝ていた。
窓のそばにジェットブースターを置くと、大佐は目を覚ました。
「フェザー早いな。ちゃんと寝れてるのか?」
大佐は眠そうな顔して半分起き上がると、心配そうに私の方を見た。
「ああ。まあ、なんとかな」
私はカウンターに座ると、一杯水を飲みそのままうつ伏せになった。
「フェザー、昨日のことは忘れろよ。なんか作って食うか」
大佐はそう言うと、起き上がってカウンターの中に入り何か作り始めた。
何だかだるい1日になりそうだぜ。




