Devil pluck the butterfly wings2
「大佐、先に行くぞ」
私はジェットブースターを起動させると、出力全開でぶっ飛ばした。
向かった先に行く途中で、無残にも斬り殺された人達がごみのように転がっていた。
たどり着いたマンションの外壁沿いに一気に上昇すると、目的の部屋の窓を突き破り中に突っ込んだ。
部屋の中をチェックすると、チカちゃんとその家族が無残にも全員殺されているのを見つけた。
チカちゃんはお母さんに抱かれたまま切り刻まれていた。
死体は見慣れている。
しかし、私はしばらくその場で立ち尽くした。
ちくしょう…どうして、こういうことばっかり起きるんだろうな…
部屋の外から大きな物音が聞こえた。
私はコンバットナイフを手に取ると、音のする方へと向かった。
音がした先は1階のエントランスだった。
たどり着くと、血に染まった牛刀を持ったでかいのが悠然と立っていた。
目つきがまともじゃなかった。
完全に狂ってやがる。
薬中か…このジャンキーめ…ぶっ殺してやる!!!!
「おい、てめえ何してるんだよ…」
私はジャンキーに声をかけると、そいつとの間を詰めた。
コンバットナイフを握りしめた私の右手は、怒りで震えていた。
「腹が減ってるんだよおおおおおおっ!お前も殺してやろうかあ?ああああっ!!!」
そいつがこちらを振り向きそう叫んだ時、私はそいつの首を切り落としていた。
「死ねっ!死ねっ!このジャンキー!!死ねっ!死ねっ!!!!」
私は何度も転がったそいつの頭を何度も踏みつけた。
そして、コンバットナイフを投げ捨て腰から25オートを手に取ると、蹴り潰した頭に発砲した。
「うわあああああああああああああああああああっ!!!!ふざけるなこのジャンキーがあああああっ!!!」
1発!2発!3発!私は次々と撃ち込んでいった。
「やめろフェザー!」
私が4発目を撃ち込もうとすると、かけつけた大佐が私の右手を押さえた。
力強い大佐の握力が私の腕を制した時、私は25オートから手を離し床にしゃがみこんだ…
「弾薬がもったいねえだろ…フェザー…」
大佐は動けなくなっている私の横にひざまずき、私の肩を抱いてくれた。
しばらく、そのまま時間が過ぎていった…
陽がだいぶ暮れてきた。
何事もなかったように、また1日が終わろうとしている。
本当に気分が悪い日だぜ…
私と大佐はチカちゃんの部屋に行くと、チカちゃんとその家族の血を拭きとりできる限りキレイにした。
そして、部屋の中にあったシーツをそれぞれにかけた。
私は口で右腕につけていた花飾りを取ると、右手に持ち替えチカちゃんの上に置いた。
大佐はそれを何も言わずに見ていた。
チカちゃん、私も近いうちにそっちに行くから、天国で会えたら結婚しような。
ゆっくりとマンションの1室が暗闇に沈んでいった。
悪い奴はもう死んだから、安心して家族とゆっくりしてくれ。
こうして家族で一緒にいるというのは、悪い事じゃないかもしれないぜ。