第26話 少女の慢心
お待たせしました!
4日以内と言ったのに1週間以上も待たせてしまってすみませんでした!!
これからはもう少し早く更新できるようにします!
では、本編をどうぞ
山の中を奥へ奥へと目指しながら歩いていると、気づけば空に月が表れ始めていました。
「もう随分奥に進んだと思うのだけれど…… それらしきものなんてどこにもないわね……」
「いや、しかし何かあるような気配は先程からしている。近くにはいると思うぞ」
レイカの声が頭の中に響き、少女はその声を信じて歩き続けます。
すると……
「あの小屋って…… もしかして……」
少女は息を潜めながら森の中にポツンと建てられている小屋に近づきます。
「随分と遅かったわね……」
少女が小屋のドアノブに手を掛けた時、上から少女に話しかける声が聞こえました。
「誰!?」
小屋から離れ、少女がその屋根を見ると、そこには緑髪の片腕のない女性が屋根に座って少女を見下ろしていました。
「誰ってあなたが探している元騎士団のジャンダよ。”天の声”が久しぶりに聞こえたから何かと思えば、私を殺しに来る人間が表れるというものだからね。どんな武装集団かと思ったらまさかこんな子供だとは思わなかったわ」
ジャンダは屋根から飛び降り、少女の目の前に着地して少女のことをまじまじと観察し始めました。
「子供だと思って甘く見てると痛い目を見るわよ?」
少女はそう言って片翼を出し、空に飛びあがります。
「悪魔の部類か…… しかも契約悪魔とはまた珍しい。ってシラを切るのももうやめるか、中に入ってる悪魔は災厄の悪魔だろう?マギルとメラルダの仇という」
「何のことかしら?私は悪魔で人間だったあの子を助けるために、人間で悪魔になったの。中にいる悪魔なんていない、もう私自身が悪魔なのだから」
少女はジャンダに言われたことを真っ向から否定し、怪しい笑みを浮かべました。
「そう、そっちはシラを切り続けるわけね。まぁ、いいわ。逃げるなら今のうちよ?あなたは私には敵わないから」
「そんなことやってみないと分からないわ!」
そう叫び、少女は死角からジャンダの心臓を狙い殴りかかりました。
しかし、ジャンダはその攻撃をまるで見えていたかのようにひらりとかわし、少女の腹に蹴りを入れたのです。
少女はそのまま木に背中を打ち付け空中から地面に落ちてしまった。
「ぐっ…… な、なんで……?完全に死角だったはずなのに……」
腹を押さえながらジャンダを睨み付ける少女、ジャンダは呆れたと言わんばかりの顔で少女に話しかける。
「私には”天の声”が聞こえるの。いつどのように攻撃が来るかなんて手に取るように分かるのよ?死角なんてあってないようなものなの。早く出てきなさいよ、災厄の悪魔。あなたの得意分野で戦ってあげるわよ?」
そういってジャンダは杖を取り出し右手の手袋に書かれた魔法陣を少女に見せつけます。
「もう無理だ。俺に変われ、魔法が使えないお前じゃ勝ち目も何もないだろう」
少女の頭にレイカの声が響くが、少女は頭を横に振ります。
「あの時だけって言ったじゃない…… もう二度とあなたを外には出さない…… 私がやらなきゃ意味がないの。それに魔力経路がなくても魔力さえあれば、魔法使えるじゃない……」
そう言って少女は爪を伸ばし、自分の手の甲を傷つけ始めました。
「お前…… まさか……」
少女の手から血が出るほど深い傷が入り、その傷が何かの模様になり始めたのです。
「自分の手に魔法陣を彫ったというの……?」
「ハァ……ハァ…… これで魔法が使えるわ……」
少女は自分の手の甲に魔法陣を彫り、フラフラと立ち上がった。
「アハハハハ!面白い!!お前の覚悟、よく分かった。俺の魔力好きに使うがいいさ!」
レイカの声が聞こえたと思うと、少女の体に何かが流れてきました。
「ふふふ…… さぁ、あなたの得意分野で戦いましょう?」
そう言って少女は、勢い良く魔法陣が彫られた手で指を鳴らした。
すると、少女の手にある魔法陣が光り、ジャンダの真横に大きな雷が落ちたのです。
「えっ……?」
ジャンダは慌てて雷が落ちた場所から離れ、体制を建て直しました。
「挨拶代わりよ。次はしっかり当てるから」
「なんて威力…… 今まで魔力経路がなかったとは思えない……」
少女は怪しく笑い、次の魔法の準備を始めました。
「”天の声”なんて関係ないわ。避けきれないほどの魔法を使えばあなたを倒せると思うしね」
「そんなこと言えるのも今のうちよ!」
そう言ってジャンダは、杖を持ち直し呪文を唱えました。
すると、少女の真下に魔法陣が現れたのです。
「な、何……?」
少女がその魔法陣から出ようとした時、少女は魔法陣から出た巨大な火柱に焼かれてしまいました。
「ふう…… 最上級魔法よ…… 丸焦げでしょう」
魔法から解放された少女は膝をつきそのまま倒れてしまいました。
「さて、マギルや他の奴らにこの事を報告しないと」
ジャンダは少女が動かなくなった事を確認して小屋から離れ、街に向かって走り出したのです。
「……か、勝ち逃げ……なんて…許さない……」
ジャンダの後ろ姿を睨みつけ、力なく指を鳴らしました。
すると、小さな雷がジャンダの体に落ちたのです。
威力が弱い雷だったから、ジャンダは少し転ぶ程度のダメージしか受けず、再びまた走り出して行ってしまいました。
「う……うぅ……」
少女はそのまま気を失ってしまったのです。
数時間後、少女はボロボロになった体でよろよろと立ち上がりました。
「レイカ…… あいつの気配……ある…?」
「ねぇよ。お前がモタモタするから逃げちまったよ」
不機嫌そうな声でレイカは少女にそう告げました。
「悔しがってる場合じゃないぞ。あいつが俺らの事をマギルに言ったりしたら、不味いことになる。幸いあいつはまだマギルの居場所を知らないから何とかなるかもしれない」
「分かってるわ…… そもそも、勝ち逃げなんて許さないわ……」
そう言って少女はボロボロの体に鞭打ってゆっくりと街に向かって歩きだしました。
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