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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
死界 蟲蔓延る病の谷編
93/101

Gパーティー

『ブレイズストライク!』


ゴォォォォと炎が勢い良くGの塊に激突する。何匹かは死んだが、直ぐに屍を超えて別のGが向かって来る。俺はGの群れに向かって爪を振り下ろす。鋭い竜の爪が、何匹ものGの甲殻をいとも簡単に切り裂いた。


(経験値800入手しました)


Gが切り刻まれて爪先にねっとりした不快な体液が、絡みつく。だがそんなことで攻撃は止めない。俺はそのまま力任せに尻尾を地面に叩きつけて薙ぎ払う。何匹かのGが、グチャグチャになり吹き飛んでいった。


(経験値1000入手しました)


戦闘終わりに纏めて報告してくれ!


倒すたびに経験値獲得のアナウンス聞いてたらおかしくなりそうだ。


『ウォータースパイク!ウォータースフィア!』


水の槍が地面から大量のGが突き刺される。それでも向かってくる者にはウォータースフィアが直撃する。


『楽しいなぁ!サモン!デビルズナイト!』


アルファが顔を歪めながら笑う。魔法で悪魔の騎士を、召喚してGを切り刻んだ。だが直ぐに悪魔の騎士はGの群れに埋もれて消えていってしまった。


「ガァァァァ!」


俺はブレスを吐く。進化したからか威力も範囲も前とは比べ物にならない。面白い様に焼け爛れて死んでいく。飛び掛かって来るGを千切っては投げる。いくら雑魚が集まろうとも俺達からすると大した脅威では無い。


『ブレイズウェーブ』


「「キィィィ!」」


炎の波がGの群れを焼き尽くす。だがそれだけでは終わらなかなった。


『ミディアムアンデットクリエイト!ヘルスカルヘッド!』


焼け爛れたGの死体がドロドロに溶けて融合していく。それは段々と形を整えながら悍ましい姿に変貌していった。


「ィィィ!」


メラメラと炎を纏った巨大な頭蓋骨を、アルファが召喚した。


『ヘルスカルヘッド!破裂せよ』


「ィィィ!!!!」


ヘルスカルヘッドがGの大量に居る森の中を、大地を穿ちながら突っ込んでいった。


ゴォォォォォォォ!


凄まじい熱気と風が吹き荒れた。黒い炎が木々を焼き尽くし辺り一面は灰と化した。どうやらかなりの数のGが消し飛んだようだ。だが奴らの進行は止まることを知らない。ゾロゾロと群れて向かって来る。


『今ので退かないか』


『あいつらは食欲の化身だ。仲間の死なんて興味ねぇし死ぬのが怖くねぇんだ』


「ガァァァァ!」


俺は吠えてGの動きを止める。俺はGの塊に顔を突っ込む。ワシャワシャとGの脚が俺の顔に触れる。めちゃくちゃ気持ち悪いが、我慢して食らいつく。口の中にヌメっとした液体が溢れる。吐きそうだがそのままGを噛み砕く。


『仕方ねぇ。私の力を試してみるとするか』


アルファに魔力が吸い取られていってる。魔力感知で分かるがアルファの周りにある魔力がグングンと吸い取られていってる。俺達の魔力も吸い取られていってるのが分かる。


『始祖の常闇』


「キシィ!?」


「キィィ!?」


ズガガガガア!


アルファが魔力を解き放った瞬間、Gの群れが一箇所に集められた。よく見ると塊の影から黒い手が、伸びて絡みついている。何十匹ものGが、一箇所に集まって蠢くさまはおぞましい光景だ。


『滅光』


グシャァ!


影が光り大量のGが地面に吸い込まれるように潰される。緑色の体液が、辺に飛び散り酸っぱい臭いが漂う。塊があった場所はクレーターができておりアルファの一撃により大量のGが、死んだのが分かる。


『こんなもんか。どうだ凄いだろ?』


アルファが子供のように無邪気に笑いかける。だがその笑顔とは対照的に地獄のような光景が、俺の目の前に広がっていた。


Gの死骸が辺に散乱し木々は押し潰されGの死骸が辺りに散らばっている。向かって来るGはもう居ない。どうやらアルファの一撃で全滅したようだ。


(経験値40000入手しました。levelが10に上がりました)


経験値獲得のアナウンスがあった。どうやろ本当に全滅したらしい。


『終焉の力と封剣の力が単体向けなら私の始祖の力は、広範囲向けだな』


『そうだな。てか早くこの場から離れようぜ。臭くて堪らねぇ』


ギューリーが鼻を摘みながら言う。確かに死臭が酷い。死臭に引かれて何かやって来たりして。


『確かにな。食欲旺盛な奴からしたらこの死骸の山は宝の山だろうな』


「キシャァァ!キシャァァ!」


『うお!?どうした!?なんかあったのか!?』


俺がアルファと談笑していたその時だった。見張りをしていたフィーニスが血相を変えて戻ってきた。まあスケルトンだから血相も何もないのだが、それでも慌てていってことは分かった。

一つの気配が近づいて来ているのが分かった。何故だろうか。冷や汗が出る。ギューリーも同じようだ。俺達は即座に戦闘準備をする。直ぐに冷や汗をかいた理由が分かった。


「グオアァァァァ!」


真っ赤な返り血の様な鱗、ギラギラと真っ赤に染まった牙、そして他者を寄せ付けない巨体、圧倒的な威圧感を纏ってそいつは現れた。過去に俺達が逃げることしかできなかった相手がそこに居た。そいつは俺達には目もくれずに地面に埋まったGの死体を、掘り起こしてガツガツと食べ始めた。


『おいおいマジかよ。またこいつかよ!』


ギガノト・ドラゴンレックス 、食欲旺盛な陸の悪魔が現れた。

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