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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
始まり
27/101

VS悪魔

悪魔が短剣を持って切りかかって来た。速いが見える。弱っているからだろう。もし万全の状態の悪魔と出会っていたら確実に負けていた。キンと高い音と共に短剣と大剣が唾競り合う。そこにギューリーが横から攻撃しようとしたが悪魔はバク転して躱した。あの怪我であんだけ動けるなんて敵ながら尊敬できる。


「ダークスフィア!」


ダークスフィアが飛んでくる。速さも大きさも俺のとは比べ物にならない。俺はジャンプして避けた。だが空中に浮いてしまい隙ができてしまった。悪魔が高速で向かってきた。だがギューリーが飛んできて盾で防いでくれた。だが空中だったためギューリーも反動で後ろに飛ばされた。


『大丈夫か!』


お陰様でな!助かった!


「なかなか良い連携ですね。私も貴方達に応えなければ!」


悪魔から放たれている気配がグンっと大きくなった。そして飾りだと思っていた石像が2体動き出した。どちらも騎士の見た目だ。この状況は不味い。悪魔だけでも手一杯なのに。


『オメガ!お前は悪魔を頼む!俺はコイツらをやる!』


分かった!無茶はするなよ!


『俺を誰だと思ってんだ!』


ギューリーは、そう言うと石像騎士に切りかかった。騎士はアイツに任せて俺は悪魔に集中する事にした。


「ふむ二手に分かれましたか。さあ殺りましょうか!ナイトダガー!」


悪魔の背後から黒い短剣が現れて飛んできた。俺は爪と大剣でなんとか弾いた。悪魔が先程と同じように急接近して来た。だが俺は焦らずに尻尾を振るう。


「チッ!ブラックシールド!」


悪魔を空中へ追い込むことに成功した。俺は無防備な悪魔に向かってブレスを吐いたが、黒い盾が現れて防がれた。ブレスの向こう側から黒い短剣が飛んでくる。俺は間一髪で首を曲げて避けた。だがブレスの向こう側から悪魔が切りかかってきた。俺の鼻先に短剣が掠った。


「グォォォ!」


だが悪魔が俺の間合いに入った。俺は大顎を開けて噛みつこうとした。俺の牙には毒がある。掠れば毒状態になるだろう。だが悪魔は即座に黒い盾を展開した。それを足場として後方へ飛んだ。俺の牙は虚しく黒盾を噛み砕いた。


「危ないところでしたよ。やはり一筋縄ではいきませんか」


俺は爪を振り上げて悪魔へ接近する。だが悪魔はスルリと俺の爪をかいくぐりやがった。ヤバい!


「はぁ!」


悪魔の鋭い突きが俺に放たれた。俺は後ろへ吹き飛ばされてしまった。口から血が吹き出る。外傷はない恐らくだが内蔵に直接ダメージを与えられたのだろう。


「しっ!」


鋭い突きが放たれる。鱗が砕けて鈍い痛みが走る。


「グォ!」


俺は咄嗟にダークスフィアを展開して放った。だが魔力が、全く籠ってなかったからダメージは全く与えれていない。


「ぬん!」


短剣が鱗を裂いて血が吹き出る。だが痛みを我慢して俺は踏み込む。カウンターで爪が悪魔の肩を抉る。


「ぐっ!負けてたまるかぁ!」


悪魔の短剣と俺の爪が鍔迫り合う。だが奴は完全に忘れていた。俺には牙もあることを。俺は悪魔の右腕に食らいついた。奴も気づいたが時既に遅し。俺は悪魔の右腕を食らった。


「ぐぁぁぁ!」


(スキル、精霊魔法level1を入手しました)


悶える悪魔を尻尾を振るい吹き飛ばす。悪魔は凄い勢いで壁に激突した。青黒い血がダラダラと垂れておりもう満身創痍だ。


「私は・・・負ける訳にはいかないのですよ!」


だがそんな重症でもこっちに短剣を持って突っ込んで来る。だが食い千切られた場所は青白くそして毒々しく変色している。そんなに長くは動けないだろう。


さっきよりも動きが鈍い。俺の攻撃をなんとか避けてるが、もう限界だろう。遂に俺の爪がやつの胴体を貫いた。青黒い血が胴体から噴き出た。


「ここまで・・・ですか」


俺はトドメを刺すために悪魔に歩み寄る。


「はぁ・・・はぁ・・・最後に名前を・・・教えてくれませんか」


悪魔は悪魔らしくニコっと笑いながら言った。まあ最後のお願いだ聞いてやろう。


俺は終焉龍の息子オメガ、そして世界を終わらし神を殺す者だ。


「やっぱりだ・・・あのお方とやはり貴方は・・・似て・・・いる」


悪魔はそう言うと息絶えた。


(経験値4000入手しました。levelが15に上がりました。称号悪魔殺しを入手しました)


ギューリーの方を見ると粉々になった石像の騎士が散らばっていた。そして驚くことにギューリーから放たれている気配が強くなっている。そして一番驚いたのが肩から2本新しく腕が生えている。多分悪魔が死んでギューリーの中に眠る血が目覚めて変化が起きたのだろう。


『これが・・・封剣の力か』


ギューリー・・・悪魔はお前が殺すべきだった。俺が殺してしまってすまなかった。


『気にするな俺とお前は一心同体だ。血も目覚めたしいいじゃねえか』


そんな話をしていると地面が揺れて部屋が崩壊し始めた。壁が崩れて何時ぶりだろうか。太陽の光が流れ込んで来た。俺もギューリーも崩れた壁に向かって走り出した。そして壁に手が触れたその瞬間だった。部屋の真ん中の床が、崩れて土煙と共に凄まじい気配が2つ現れた。目を凝らして見ると2人の人間が現れた。1人はボロボロの白いローブを着ていてもう1人は、赤騎士と似ているが、もっと濃い深紅の鎧を纏った騎士だ。本能的にこいつらの戦いに巻き込まれたら死ぬと分かった。


だが鑑定だけでも出来ないか試してみたがレベル差がありすぎてステータスは確認できなかった。だがこいつらが誰かは分かった。


(原罪の探求者ヘルグレト・リッツ)

この世の罪である原罪を探求する者。数々の魔道具を発明して人類に貢献にかなり貢献した人物。原罪の追及者として様々な魔物や植物を研究していて生物学者でもある。そして彼女は天異の末裔であると言われている。


(深淵の騎士長クライム)

元勇者の仲間。原罪が解き放た放たれない様に深淵の孤独な王アビスに挑んだが敗北して鎖の王となった。だが彼は鎖の王になっても誇りを忘れず深淵を狩り続けている。


元勇者の仲間VSこの施設の主人へルグレッドリッツだ。だが今はそんなこと関係ない。遠くへ逃げなければ。俺とギューリーは崩れた壁を乗り越え始めて外へ出た。

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