98今なにしてる?
【TIPS】
レビューほしいんご!!!!!!
生徒会長室で独り、桃子は時間を潰していた。
昨夜千鶴からもらった写真を見ながら、高級フレンチをぱくり。
しかし、どの高級料理を口にしても――味は舌に残らずにただ胃袋へと流れ込んでいく。
「お嬢様……ランチの最中にスマートフォンを操作されるのは粗相です」
「うるさいわね! わたくしと貴女しかいないんだからいいでしょう!」
「ですが……いつ何時でも淑女であるようにと、奥様にも……」
「うるさい!」
スパァン!
メイドの尻がぶるんと揺れる。
「あぁ! お嬢様ッ!」
「お食事中よ、静かになさい豚」
「あ、ありがとうございます……」
ノックする音がして、メイドが扉の元へと歩く。
生徒会長室を訪れるものは中々にいない。
勿論同じく生徒会に所属する生徒が扉を叩くことはあるが、今は昼食中。
昼食中に桃子の元を訪れるものなど、いまだかつていたことがない。
「六道様」
「おっす。桃子パイセンいる?」
「六道!」
突然のイヴの来訪に、桃子は立ち上がる。
急いでスマホで見ていたイヴの写真を閉じると、桃子はナプキンで口を拭いコホンと咳払いをする。
「な、なんのようかしら?」
「いやちーちゃんからライン知りたがってるって聞いたから……」
「なんですって!? わたくしのラインが知りたいの? もうしょうがないわね。生徒会長で南沢家長女で、
この学園カーストの頂点であるわたくしのラインが知りたくなるのも無理はないわね!!!」
「いや、逆じゃん?」
「いいわ! お食事中だけれども、特別よ!!! お掛けなさい!!!」
ソファに腰掛けると、桃子も対面に腰を下ろす。
スマホを取り出し、互いのラインを開くと連絡先を交換する。
「あなたりくっていう名前でやっているのね」
「桃子パイセンはそのまま南沢桃子っすね」
「オホホホホ!!! 勿論ですわ!!! わたくしの名は富、名声、力の象徴ですもの!!!」
「そっすか。じゃ、俺はこれで」
「え!? ち、ちょっとお待ちなさい!」
「なんすか?」
「も、もう帰ってしまうの?」
「もう用は済みましたんで」
顔がまだ帰らないでと訴える。
先ほどまでの高飛車さが消え去って、今はまるで子犬のようだ。
今にも『くぅん』と泣き出しそうな口元に、イヴは頭を掻く。
「あー、そういえば桃子パイセン、俺の写真見ました?」
会話が続き、桃子の顔がぱっと明るくなる。
「見たわよ! もちろん見たわ!!! でも、あれじゃ全然ダメね!!! 衣装も安っぽいし、カメラもいいのを使っていないでしょう!?
わたくしだったらもっと良いものと良い場所を用意してさしあげられるのに! あぁ、もったいない」
言い方はあれだが、桃子の顔はキラキラしている。
たぶんあの縦ロールからキラキラする何かが噴射されているのだろうと思う。
「でも、楽しかったですよ。撮影会。そうだ、桃子パイセンも写真はもう撮ったんですか?」
「もちろんよ!!! そんなに見たいっていうなら仕方ないわね!!! わたくしの自慢のブロマイドたちを見せてあげるわ!!!
こっちにいらっしゃい!!!!」
イヴの手を引くと、先ほどまで腰掛けていた革張りの椅子へと案内する。
桃子は腰掛けると、引き出しから昨晩撮ったばかりの写真たちをイヴへと見せつける。
「凄いでしょう!!! 世界的に有名なフォトグラファーにお願いして撮ってもらったのよ!!!」
確かにその映っている様子は、素人とはかけはなれた美しさとバランス。
距離感、質感、構造。全てが最高のものである。
きゃっきゃ言いながら写真を見せる桃子は、まるで子供のよう。
見てもらいたくて仕方がない、少女桃子がそこにいる。
「へー、凄いっすね。これ超綺麗じゃないっすか」
「でしょうでしょう!!! これはね、昔お母さまが誕生日にくだすったドレスなのよ!!!
こっちはお父様が海外にいったときにお土産でくれたネックレスなの!!!! どちらもすごいお値段がするのよ!!!」
「パイセンは金持ちなんですね」
「そうなのよ!!! この生徒会長室だって、お父様にお願いして作っていただいたの!!!
デスクも椅子もすべてオートクチュールよ!!!」
「へー、凄いですね。優しい親父さんなんですね」
「そうなの!!! お父様は世界で一番桃子に優しくしてくださるのよ!!!」
純粋な笑顔で笑うなぁと思わず微笑んでしまう。
態度は高飛車。持っているものは高級品。後ろには常にメイド。
絵にかいたようなお嬢様であるが、それは桃子の外側でしかない。
今初めて桃子の内側に触れられた気がする。
外の皮を剥げば、そこには誰よりも純粋で子供心を持った桃子がいる。
「そうだわ!!! 今度わたくしのおうちでパーティーをしますの!!!
六道も来るといいわ!!!! 六道は庶民でしょうけども、特別にご招待してさしあげますわ!!!
オホホホホホホホホ!!!」
「マジですか。じゃー今度お願いします」
「そこまで言うなら仕方ないわね!!!! オホホホホ!!!」
◇ ◇ ◇
お風呂はメイドが入れてくれた。身体を洗うのも勿論メイドだ。
髪を乾かすのも、着替えさせるのも、勿論メイド。
その間、桃子はずっとイヴへラインを送り続けていた。
「お嬢様……あまりブルーライトを浴びては目に障ります」
「うるさいわね!!! 今庶民のご友人と大切なやりとりをしているのよ!!!
邪魔をしないで頂戴!!!」
「も、申し訳ございません……」
尻を引っぱたかれるかと期待の眼差しを送ったが、桃子はラインをするのに夢中である。
「生徒会長であるわたくしが一般生徒を気遣うのは当然のことよ。
あぁ、頼られるっていうのも大変なことね。分かる? 六道ったらわたくしの魅力に首ったけのようだわ!!!」
「それは……大変でございますね」
「でしょう!!! 生徒会長も大変な役割だわ!!!」
(ですが……)
大変なやりとりをしているお嬢様は、ずっと笑顔で文字を打ち続けている。
もうどれくらいラインをしているだろうか。
メイドはチラリ時計を見れば、すでに20時半を回っている。
帰宅したのは18時すぎであるから、2時間以上はラインをし続けている。
(お嬢様……本当にこのままでいいのですか?)
「そうだわ、今度のパーティーの招待状を六道に送らないと。六道はドレスを持っているかしら?
でも、六道ならスーツでも似合いそうね。もちろん、わたくしがドレスで、六道がスーツ。
きっと姉妹か恋人のように見えるでしょうね!!! あぁ、楽しみだわ!」
「お嬢様……浮かれているところを申し訳ございませんが……」
「浮かれてなどいません!!!! これは六道という庶民と格の違いを分からせるためにしていることよ!!!
余計な口出しをしないで頂戴!!!」
「申し訳ございません……ですが、いいのですか? シンデレラコンテストの写真を撮影するのは」
「もう写真は撮れたでしょう。それにフォトグラファーはまだ雇っているのだから、パーティー会場でも撮らせればいいでしょう」
「はい、そうですね……」
「あぁ、楽しみだわ!!! あ、そうだ豚。六道の身長や体重、スリーサイズは分かる?」
「はい、すでに調査済みです」
「ならば、それに合うドレスとスーツを用意しておきなさい」
「……何故ですか?」
「勿論、庶民にはドレスもスーツも高いものでしょう。それにもしかしたら学生だし、二つとももっていないかもしれないわ!
もしものときのために用意して差し上げるのよ!!!」
「そこまでお嬢様がしなくとも……」
「わたくしが言うのだから用意して頂戴!!! 言ったようにこれは格の違いを分からせるためのものよ!
庶民と上級民の差を見せつけるためのものよ!!! 勘違いしないで頂戴!!!」
(勘違いさせているのはお嬢様のせいです……お嬢様は六道様に夢中になっておられます……)
ポイントを!!!!下からお願いします!!!!!
あと一言でもいいので!!!!
感想が!!!!
ほちいです!!!
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