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FTS  作者: くきくん
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第十三章 目指すべきモノ 7

暗い話題にしばしの沈黙が続く。早川、順平や佐々木を見て、彼らにも残して来たであろう大切な人たちがいるはず、皆ここにいる地球人は同じような境遇なのだと改めて思った。


それでも引き受けた任務、地球存亡の危機に立ち向かうという大役。その任務から直接は離れてしまっている現状ではあるものの、ここを乗り切らなければ先へは進めない。


こんな所でモタモタしている場合では無いのだ。そう思うと心の奥底から込み上げてくる何かに後押しされる気がした。


葛西たちは、もはや歩いているというよりは走っていると言っても過言では無い速度で前進を続けていた。


しかし、葛西から貰った薬のお陰で、なんとかついていく事が出来た。佐々木は相変わらず列を外れては植物や生物等を興味深そうに観察し、いつの間にか、また列に加わる事を繰り返していた。


ウォーレンは必死に先頭を行く葛西たちに喰らいついていた。しばらくは比較的木々の少ない森を真っ直ぐ突き進んでいたが、やがて、その進路を左に変えると、周囲はこれまでとは一転して所狭しと木々が生い茂る深い森へと姿を変えた。すると葛西が立ち止まり、いつもの大声で、


「ここからは視界が悪くなる!見失わないように前のやつが見える間隔を保ちつつ縦に一列となって進むんだ!万が一逸れるような事があっても責任は持てんからそのつもりでしっかり付いて来い!」


と、それだけ言うと並走していたリンはある程度間隔を開けて葛西の後ろに回り込み、さらにその後にウォーレンが続いた。


「俺達も互いを見失わない間隔で進むとしよう。」


安藤がそう声を掛けると、自然に安藤、真由、早川、友香その後ろにサジ、順平と続いた。そして、最後尾には寺田と北川という隊列で歩を進めた。


木々の間隔が狭くなった分足元も悪くあるき辛かった。それを配慮してか葛西は歩く速度を落として進んだ。


「真っ直ぐ進めば、もうすぐ森を抜けられたはずなんじゃが、敢えて深い森を進んだのにはあやつにも考えがあっての事なんじゃろうか。」


ふと、サジが呟いた。少し前を歩いていた友香がそれに対して応える。


「遠回りしているって事?私達には初めて通る道ばかりで、すでに方向感覚さえ失われつつあるんだけど・・・」


「お前さん達が目指すキャンプまでの最短ルートじゃと曲がらずに直進するのがベストなんじゃ。しかし、理由はわからんが、直進せずに左側のルートを選択しおった。ワシもそれ程この辺りの地理に詳しい訳ではないが、遠回りしとる事は間違いない。それに見ての通りこっちは歩きにくい。それなのにこちらを進むという事は何か意味があるんじゃろ。」


すると、最後尾にいた寺田が足早に近寄り、


「生命反応が正面からは複数見られました。それがノレッセなのか、他の生物なのかまでは判別する事が出来ませんが、指揮官なりに皆さんを無事に送り届けたいという使命感から判断したんだと思われます。この星に着いた時点である程度地形などを頭に叩き込みましたし、指揮官の頭にはあらゆる事を想定したルートやプランを常に選択しながら進んでるはずです。」


それだけ言うと寺田は再び最後尾の方へ戻って行った。


「あの葛西という男が只者でないことくらいはワシでもわかる。一見すると、猪突猛進タイプに見えるが、常に冷静に物事を見ておるようじゃ。」


「口は悪いけどね。」


友香は笑いながら言った。と、突然前方、後方共に騒がしくなった。前の方から早川が大声で叫んでいるのが聞こえてきた。


「皆!後ろの方で何かあったみたいだ!急いで戦闘に備えるようにと伝令です!」


しかし、すでに葛西とリン、少し遅れてウォーレンが後方に走り抜けていた。

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