~秘密と秘密の交差~
麗菜は勇の部屋に行ったが結局何もしなかったそれどころか楓太の事を思い出し泣いてしまった……何もかも勇は楓太にそっくりでまるで兄弟みたいと麗菜は心の中で思っていた。
それから2人はずいぶん出会うことなくその先もう会うことはないと思っていたが、案外早く会う機会は訪れた……。
麗菜が勇の部屋に訪れた一週間後、バッタリ病院で再会したが麗菜は偶然だとは思っているが、その出会いは偶然とは言い難い勇に仕組まれた計画的過ぎる再会だった……そして、ここから別々に行動する2人が真実と虚偽と言う名の舞台の中心にゆっくり近づいて行こうとしている・・・・・・・。
麗菜が第一発見者の家を訪ねるべくF山県のとある町の山奥にやってきた・・・・・・・・。
麗菜は車がないのでタクシーを乗り継いで徒歩で山を登ることにし、ついに、山小屋らしきものを見つけると・・・・・・・・・・・・
「あの・・・・・・・園村さん?いらっしゃいますか・・・・・・・・・?」
麗菜が山小屋の中に少し足を踏み入れると奥からどす黒い雰囲気に包まれた女の人が出てきた・・・・・・・・・・・。
「はい・・・・・・・・・・。」
麗菜は多分その人が園村結城なのだと確信を持ちながら話を話そうとしたが念のため聞いてみることにした。
「園村さんですよね?」
すると、園村らしき女が、
「はい。それがなにか?そして御用は?」
確かにいきなり来て名前を聞かれると自分も怖いのでさっさと麗菜は用件を言うことにした。
「舘村楓太私の恋人が巻き込まれたバス事故についてお聞きしたくて・・・・。」
すると、園村が麗菜に、
「あなたたちに話すことなんてないわ!!」
と怒り出した!すると、麗菜は園村に、
「これは私個人で調べていることで警察は関係ありません・・・・・・・。私は楓太の事故にどうしても疑問があって……調べ始めたの。」
すると、園村が下を向き泣きそうになる麗菜に、
「警察は関係ないのよね・・・・・・・?それじゃあ話してもいいわよ。あなたに話すの警察と言う組織に話すんじゃないわ!!だから私が話す本当の話は『秘密』よ。」
すると、麗菜が園村に聞いた。
「どうして?」
すると、園村が麗菜に顔を近づけながら、
「言っても聞いてもらえないからよ・・・・・・・それほどこの事故は馬鹿げているわ・・・・・・それに私は事故じゃないと今でも思っているし・・・・・・・・それでも聞く覚悟はある?」
と麗菜にいうと麗菜は首を縦に振った。
「あの日わね、私はハイキングに出かけようとチャペルが頂上にある山に出かけようと車を走らせていたの・・・・・・・もちろん山道だからカーブが多いのは当たり前だったんだけれどその日は私はどこか胸騒ぎがしたの・・・・・・・。すると、後ろから山道を走るはずのない市バスが私の車と横並びになった時に見えたの一人の男がナイフを持ちながら燕尾服姿の男と喋っていたのなにかナイフの男が燕尾服の男を脅すようにけれど、それ以外乗客はいなかったのよ・・・・・・・。運転手も仲間っぽくて私服だった・・・・・・・・・そこまでなら普通の事件と何ら変わりなく信じてもらえるんだけれど……そのナイフを突きつけていた男というのがどうも、大人には見えなかったの・・・・・・。でも警察は、『大勢の犠牲の出たバス事故』なんて言ってるじゃない……辻褄が合わないの・・・・・・・・色々と・・・私の記憶の中でとてもじゃないけれど辻褄が合わないから警察には嘘ついているなんて思われたくないから初めから答えなかったのよ。」
その話を聞き麗菜は事故じゃないことを確信した。
そんな麗菜に園村は、
「でも・・・・・あなたあまり深入りしない方がいいわよ。誰かに付け込まれるわよ・・・・・。」
すると、園村におせっかいを言われた麗菜は、
「うるさいわね・・・・・・。でも、重々に気をつけておくわっ・・・・・・・・・・。」
といい麗菜は園村に礼を言い山小屋を出た。すると、園村が追いかけてきた。
「何?どうしたの?」
すると、園村が麗菜に、手掛かりになるようなものを渡してきた。
「これ、現場で拾ったの。警察は知らないわ・・・・・・・」
すると、園村が麗菜に渡したものは、ボロボロになったお守りと銀色の羽根のストラップが麗菜の掌の中にあった。
「お守りは楓太の物だけれど・・・・・・・・この銀の羽根のストラップは知らないわ・・・・・。」
と言い犯人の手掛かりになると思いギュッと握りしめポケットに入れた。
そして園村は麗菜に、
「寂しくなったらまたおいで……あんた心配だからさ。」
すると、麗菜が園村に、
「わかりました。また会いにきます・・・・・・・・・。その日まで!」
と言い山小屋のある山から麗菜は降りていった。
帰りはゆっくり帰ろうと思いバス停の椅子に座って銀色のストラップを見つめていた・・・・。
「綺麗なのにこの持ち主が犯人かも知れない・・・・・・・・なんて・・・・・。」
その頃、勇はT都のA町にいた・・・・・・・・そこでかなり有名なメイド喫茶にいた。
勇には似つかわないオタクなお店である・・・・・・・。
そんな勇に店員が、
「お帰りなさいませご主人様!ご注文は何にいたしますかぁ~?今日のおススメはメイド特性びっくりドッキリメカメガぱふぇる~んですっ!!いかがいたしますかぁ~?」
と勇に店員のメイドが聞くと笑顔で勇は、
「メイドちゃん店長お願~い!」
すると、メイドは急いで店長を呼びに行くと、顎に髭を生やした男が勇の前に現れた。
「何用でございましょうか?お客様・・・・・・・って勇!バカか裏口から入れよ!!」
すると、勇が、顎鬚男に、
「銀色の羽根のIDカードどっかで落としっちゃったぁ~!!だからここに来たんだよぉ!神様仏様拳祥(けんしょう)様~!!」
すると、拳祥が勇に、
「はい。俺のIDカード俺のはなくすんじゃないよ!!ってか後で開けろよなっ!!23時にそっち行くからサラにでも伝えといてくれよ。」
すると、勇が拳祥に銀色の羽根のストラップを渡してもらい席を立ちメイドカフェを出た。
「ふんじゃーにぃー23時にまた会えたら~」
すると、拳祥が、
「会えないと困るんだよ!!!!」
と言い勇はメイドカフェを出ると、そのビルの裏口に向かい2つある扉の前に立っていた。
その左側のドアノブには目の印があったのでそちらに勇はストラップの羽根の部分を見せた。
「シルバーブラッド役員ナンバー1 【会長】蓮舫路 勇 」
というとIDをかざした扉が開いた。
そこは、地下に続いていた・・・・・・・・・・・・・勇はそこに入っていくと扉は自動的に固く閉じられた。
「おはよう~」
すると、怒りながら一人の女の子が勇に近づいてきて勇の胸ぐらをつかんだ。
「勇!!!!!またID失くしたの?!あんた最低!!これで何回目よ!!」
すると、階段の下の方から、
「これで、記念すべき100回目です。」
すると、勇ははしゃぎながら階段を下りた。
「ふぁっふー!!記念すべき100回目かぁ~なら何かお祝いしなきゃねぇ~」
すると、先ほどの女が握り拳をギュッと握りつぶしながらぼうぼうと燃えたぎる怒りを抑えきれず勇に近づいてきた・・・・・・・。
「お祝い?何それ美味しいの?そんなのやるなら私は『お仕置き』の方が勇にはお似合いじゃない?」
と、怒ってる女の子に誰も手を付けれそうにない感じだったが、女の子の後ろから来たのは高身長の長髪の男だった。
「やめろ。月実君は感情的になって周りが見えない時があるのが難点だね。」
と言って月実を一瞬で冷静にさせた。
すると、高身長の男は勇に向かって笑いかけた。
「お帰り。会長・・・・・・・お仕事ご苦労様でも、IDカードをなくすのは失態だよ。100回記念でもしようか今回は僕が特別に月実に変わって『お仕置き』してあげるよ」
すると、勇が高身長の男に、
「おい・・・・・やめろよ雅・・・・・そりゃないだろ・・・・・・・。」
と言って勇は雅の『お仕置き』を受けることになった。
勇は天井からつるされてお尻を雅に100回叩かれていた。
それを見ていた本読んでいた男は勇に、
「哀れですね。これがリーダーと言うものですか・・・・・・。」
すると、月実が、その男に、
「違うわよ!蓮。リーダーはだらしないのは私生活だけだからね。それ以外は人望・頭脳・リーダーシップ性どれをとっても劣らないわね…・・…あの年なのに・・・。」
すると蓮が、月実に、
「いや、そんなのはわかってますよ。僕が聞いているのは世のリーダー諸君はみんなこんなのですか?と言うことですよ・・・・・・・・。」
すると、黒肌の大男が蓮が寝ころぶソファーの横に立った。
「ほかの所はもっとしっかりしてるだろ・・・・・それにこんなにガキじゃないよ。まさかこのシルバーブラッドの創設者でありそして、会長なのがこんな高校生だなんて知らないだろうな・・・・・。」
すると、蓮が、黒肌の男に、
「もちろんだろ・・・・・バン。俺だって入ったときはあいつがリーダーだって言われた時は信じなかったけど今なら信じられるな・・・・・・・・・。」
すると、月実は、
「そりゃそうよ。私も信じなかったしあいつ私に『俺のやりたいゲームがある今が楽しくないなら俺が楽しくしてやる俺たちについて来い』っていったのよ…・・…ホントバカみたい・・・・・めちゃくちゃ楽しいじゃない・・・・・・!」
といい勇が吊るされている真ん中へ向かった。
すると、勇が思い出したように、
「そうだ!サラはまだ情報機密室(データ室)に閉じこもってんの?」
と言うと勇のお尻を叩きながら雅が、
「そうだよーサラは勇と違ってまじめだからね。」
すると勇が雅に、
「うるさいな!!!拳祥が23時にこっち来るらしいから開けてあげて欲しいんだよ。」
すると、雅が、
「拳のID借りたの?勇だったら普通に顔パスだと思ったのに・・・・・・。」
すると、雅に勇が、
「俺がセキュリティの難易度高めちゃったからな~そんな自分がIDを失くすって言うな…・・・ハハハ・・・・・・自分で作れる技術はあるんだが、何せ金がないもので・・・・・・。」
すると、雅が月実に聞いた。
「このIDっていくらするの?」
すると、月実は、鬼の形相で、
「雅様それ聞いちゃう?本当に聞いちゃう?聞いたら最後・・・・・。の可能性もあるかも・・・よ」
すると、苦笑いで雅が月実に、
「いいです・・・・・・。」
と言うと、勇は自力で縄をほどき、自分のデスクに向かった。
「拳祥のIDはここのデスクの引き出しの左側に入れとくから拳祥が来たら伝えておいてくれ・・・・・・・。」
すると、勇はもう一つ奥の扉に手をかけた。
蓮は勇に
「データ室いくの?」
すると、勇が蓮に、
「あぁ……蓮お前も来るか?サラに会うの俺も久々だしサラも男がわんさか来ると喜ぶだろ?」
すると、蓮はあまり入ったことのない【情報機密室】通称データ室に勇と共にはいることになった。
その扉を開けると廊下はまるで異世界のような銀色の廊下で出来ていた・・・・・・・・・。