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出会った人、貰った物。

大変そうなネリさんに声を掛けるのを止め、私とアルトさんは出店が沢山出ている人通りの多い場所に着いた。ネリさんが頑張っていたので優しさで止めただけですよ?断じてスルーした訳じゃないですよ?

それからはネリさんの事は一時的に忘れる事にして、お店や出店、建物なんかを見て回り始めた。


お店には色々な種類があるようで。食べ物屋に飲み物屋、雑貨や香水など出店を出している所もあれば、お店を構えて沢山の物を売っていたりもした。私が出店を中心的に見ていると後ろの方、反対側の道で多くの人集りが出来ていたのでアルトさんに聞いてみると、アルトさんは楽しそうに「行ってみれば分かるよ」とその出店の前に連れて行ってくれた。


「甘い匂い……」

「飴屋みたいだね」

「はい!お花の飴完成ー!」


漂う甘い匂いと色とりどりの飴。

そう漂っていた、空中に。

しかも宙に浮いているのは飴と匂いだけじゃない、飴を作る為の道具や材料。それらが全部空中で可愛らしい飴を作り上げていた。そんなことが出来るのはきっと……


「魔術っ……!?」


キラキラの光出てるし、浮いてるし、絶対魔術ですよね。定員さんは可愛らしい衣装を着て魔術を使ってくるくると飴を作り上げてる。


「はい!次はうさぎデス!」

「……」


感想を言います。スッゴく可愛いです!

乙女心踊りまくりです!魔術使って飴作るなんて、しかもくるくる回りながら。女の子が憧れまくるシーンですよ!これこそ魔法(魔術)ですっ!


内心わーきゃー言っている時、いきなり近くから私を呼ぶ声が聞こえた。


「お姉さん!?」

「……お姉さん?」


私をお姉さんと呼ぶ人はあの子達しかいないハズだが、えっ?まさかいるの?今ここに?いたらいたでかなり奇跡的なんだけど……


「うわっ!ミリーちゃん!…とサイ君!」

「やっぱりお姉さんだ!」

「なんですかその格好……」


勢い良く飛び付いて来たのは青い髪を短く切りそろえたミリーちゃんと同じ青い髪のサイ君の二人だった。


あのサイ君、確かにこのくそ暑い日にこんなローブを着ているの私は変かもしれないけど君達も結構凄い格好だよ?可愛いけど。ミリーちゃんはピンクと白色のボーダー柄のウエートレス風のワンピースだしサイ君も似た感じのウエーター……凄い本格的だね……


「久し振りだねミリーちゃん、サイ君」

「えへへ~」

「あの時以来です!」

「……あれ?ミリーちゃん、よく私って気付いたね?」


このフードで顔なんて見えないのに。


「あっ……それはほら!アルトおね…アルトお兄さんも一緒だったから……」


アルトおね?“ね”って、ミリーちゃん今お姉さんって言いかけたんじゃ。まぁ確かに初めて会った時アルトさんは女装してたから仕方ない…仕方ないのか?とにかくアルトさんがいたから私だと気付いたんだ。


「そっか、そうなんだ」

「は、はい(身長でなんて言えない……)」

「(身長でだよな絶対)」


しかしこんな所で二人に会うだなんて、さっきネリさんも見かけたし、なんだか今日は色んな人に会う日だなぁー。そう言えば、


「ここでそんな格好してるって事はこの出店ミリーちゃん達のお店なの?」

「違います」

「へっ?じゃあなんでそんな格好を?」


でもよく見たら出店で飴を作っている人は青髪でも碧眼でもなかった、どこかで見たことあるような甘栗色の……


「ここはイア君のお店です」

「ここはイアのお店ですよ」

「あぁー…で?イア君は?」

「「あそこ」」


二人が仲良く揃って指差した先を見てみると出店の蔭に隠れていたイア君を見つけた。指を差されてしかも名前まで呼ばれたイア君はビクッと肩を振るわせるとゆっっくりと私とアルトさんの方を向いた。


「やぁイア君」

「話しかけるみゃ!」


みゃ!?噛んだ!超噛んだ、しかもめちゃくちゃ動揺してたよね絶対!ちょっと…みゃって……止めて、赤面して固まらないで、笑いが抑えられないから。

私の隣りにいるアルトさんも無表情をキープしてるけど口元がかなりひきつってますね、多分かなり笑うのを抑えてると思います。


「イア君って飴屋さんだったんだね」

「それ以上その単語を口にするな!!」

「飴屋の息子が何を言うか!」


ていっ!とイア君は後ろから盛大な手刀を食った、見事に決まった手刀はイア君がしゃがみ込んでその部分を抑えている程の威力らしい。凄い…一切無駄のない動きだ、それでいてこの威力……この人できる!

まぁイア君に手刀を食らわしたのは先ほどまで可愛らしく飴を作っていた女性ですが、できるとかどうとかかなりどうでもいいですね。


「えっと、もしかしてイア君のお母さんですか?」

「えぇ、そうよ。あなたは……誰かしら?」


すると私にくっついていたミリーちゃんがその女性の所に行き手招きをしたかと思うと、そっとその女性に耳打ちをした。そしてその人はふんふん、と相槌を打ちながら聞いていると、急に明るく笑って私ににっこり話しかけてきた。


「あなたがこの間うちのバカとミリーちゃん達を助けてくれたお嬢さんね!」

「えっ、はぁあ……」


バカの次に息子は付けてあげないんですね。バカ単体で使うんですか。


「話には聞いていたけど会えなくてお礼も出来なかったんだけどね」

「いえ、全然気にしてません!」


それに私あまり役に立たなかったので、どちらかと言うと助けたのはアルトさんとエルさん達で。


しかし数分後、私は大量の飴の山を貰う事になった。

素晴らしい程高いテンションでした、はい。



イア君は自分の家が飴屋という可愛らしいのが恥ずかしいみたいですね。

可愛いは正義!

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