私は運命の出会いをしてしまったらしい。
さて、どうしたものか、この大量の飴。
食べ…きれるわけないし。あげる?えっと、アルトさんにルウちゃんとテナさんとサリアさん、フレアさんにミキか?あとエルさんと……確実に余るよなぁ。
可愛らしくラッピングされた飴の山を抱えている私。アルトさんはお昼を買いに行っているので、一人悲しくお店の近くで考え込む姿は端から見たらかなり変かもしれない……
「頭痛くなってきた……」
考えるの疲れました。うん、もう止めよう。考えるだけ無駄だし、この大量の飴はまぁ何とかなるだろう!それに飴なら日持ちするし、ゆっくり消費していけばいいな!
とまぁポジティブに諦め始めた私は、大量の飴を持ってきていた籠に何とか全て詰め終えた。
「アルトさん…そろそろ戻って来る頃かな?」
ガタンッ!!
ガタンッ?何の音だ?なんか、ちょっとした物が倒れた音に似てるけど……
私は音が聞こえてきた方、私が立っていたすぐ隣にあるお店とお店の間の細い路地を覗いてみる。
「暗っ!?ギリギリ見えるかなぁ?」
目を細めて奥の方を見渡す。
何にも無いけど、暗くてよく見えないし。一体何の音がして……あっ!なんか動いた!けど、何だろあれ?動物いや人だ。子供みたいだけど?こっちに近づいて来る。全力疾走で。
「そんな所で何してっ……」
「助けて下さい!」
「……助けて下さい?」
その子供は私と同じように長いローブを全身と顔を隠すように着ていた。ローブってより布?ボロボロの布をローブみたいに着てるのか。
声からして多分女の子だよね?そんなボロボロでこんな暗い路地を走ってきて……それに、助けて下さいってのはどういう意味だろう?
「まさかとは思うけど、君誰かに追われてたりする?」
「は、はいぃ!人に追われてるんです!」
追われてたぁ……
そんな展開がまさか私の目の前で起きるだなんて。トラブルの匂いがする、トラブルの匂いがする!
『おい!あっちに逃げたぞ!』
うわぁ…追っ手さんが来ちゃったよ……バタバタと足音がいくつか聞こえてきた、多分もう直ぐこっちにくるよなぁ。
関わりたくない、関わりたくないけど……
「ちょっと暑いからね!」
「えっ!?」
目の前で『助けて』なんて言ってくる女の子、放っておけないんだよ!
私は着ていたローブを上に上げると女の子をぶかぶかのローブの中に入れてすっぽり覆い隠した。
「なっ!?何が起きて……!」
「しっ!静に!」
女の子を完全にローブの中に入れてすっぽり覆い隠すと大量の飴の入っている籠をその女の子がいる辺りに構える。そして出口付近までギリギリ戻ったと同時にいくつかの足音はその姿をはっきりさせた。男性だ、3…4人か。その様子は様々で笑っている人もいればなにやら怯えた様子の人もいる。
「見失ったか!?」
「いた!お前!」
「きゃあ!」
バレた!?隠せなかった!?
私の肩を勢い良く掴んだ男は私の姿をよく見るとすぐにその手を放した。
「違ったか。すまない」
「何やってんだよ!その子は12位だろうが!あいつはもっと幼いぞ!」
やっぱり、この人達が追っているのはこの女の子のようだ。でも、こんな小さな女の子を男性が四人も……てか、今私さりげなく12歳に間違われなかったか?私は15歳だっ!
「あぁ、悪い!君、ここから小さな子供が出てくるのを見なかった?」
「いえ、見ていな……いや、確か向こうに走って行ったような……」
「!、ありがとう!」
男性達は私が適当に指差した方向に走って行った。見ていないと言おうとしたけど、出口付近でこんなに目立つ格好の子を見ていないと言うのもおかしいと思ったので適当に答える事にした。
「もう、大丈夫かな?」
私はまたローブを上まで上げて女の子を外に出してあげる。ただでさえ暑苦しいローブっぽいのを着てるのにそんな長い間隠しておくのは可哀想だし早めに出してあげた方がいいよね。
すると、女の子を外に出してあげた瞬間。女の子の着ていたローブは着崩れで女の子の顔が露わになった。
「ひゃう!フ、フードが!」
「銀……じゃない、白髪?」
その女の子はボサボサになっている銀髪かと思ったけど、よく見たら真っ白で綺麗な白髪だ。
「っ!?」
「あっ!あの……コレは……違…」
その綺麗な白髪には多分、少し前の私なら悲鳴を上げていたほど驚くはず程の物が付いていた。
羊のような角……?
けど、今の私はそれを見てもさして驚かなかった。ネリさんに出会ったからだ。ネリさんには黒いネコミミが付いていたし、しかもネリさんは尻尾もあったし。それに比べたら角なんてまだ可愛い気がしてきた。もしかしたら、この世界ではこの角もおかしく無いのかもしれない。
「えっと……私は……その……うぅ」
私にじっくり見られたらからか、女の子は目にうっすらと涙を浮かべて肩を震わせ怯えていた。
涙の付いた目も始めて見る赤色だった。
「あの、助けていただいてありがとう…ございました……」
頭を下げてお礼を言う女の子、顔はよく見えないけど、ポタポタと涙が落ちる音がした。手で涙を拭っても頭を上げようとはしなかった。
……ヤバい、どうしよう。
「……」
「あぁー…」
怖かったらか、見過ぎたからか分かんないけど多分私のせいだ。私のせいで泣いちゃったんだれうなぁ……
しかし、私にはこの子が泣き出した中ある事を思っていた。
「髪……」
「この髪はっ……!」
「ボサボサになっちゃったね」
「へっ……」
肩くらいまである白髪は右に左にとハネたりひねったり。女の子がボサボサの髪の毛なんて、私はこれでも髪の毛にはこだわる子なんですよ!
「駄目だよ真っ白で綺麗なんだから」
「きれ…ぃ……」
確か籠にさっきもらった飴のラッピングでりぼんがあったはず。ごそごそと籠の中を探して、赤くて細いりぼんを二つ出した。
なんかホワホワとなっちゃっている女の子の髪をすくい上げると手櫛て簡単に整えてりぼんで結ぶ。けど、りぼんだけだとしっかり縛れないからちょっと緩い。仕方ないので緩くても可愛く見えるようにして、それを二つ結んであげる。
「よし。出来た!」
「あの…この紐……」
紐?なんでりぼんじゃなくて紐?まぁいいか。
「うん、可愛い可愛い」
なでなで……
変な事には巻き込まれたけど、もうあの男達もいなくなったし気にしないでおこう。しかし可愛いなあ、ミリーちゃん達とおんなじ位の年かな?泣かないで、泣かないで。女の子は笑顔が一番可愛いんだから。
「さてと、とりあえずアルトさんに今の事を報告した方がいいよね」
私がアルトさんを探そうと周りを見渡していると、ギューッと足の辺りに抱きつかれた感覚がした。
見ると女の子が私に抱きついてた。
「えーと……」
「……」
あれ?何この状態?
なんか私、最近ちっちゃい子供にモテすぎてないか?




