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真のかっこ良さとは心の輝きだと教えてくれた。

「すー…」

「……さて、どうしよう。」


あの後、泣き疲れたルウちゃんは私の腕の中で寝てしまった。そして、私とルウちゃんは今まさに大穴の中、私一人ならなんとか上がれない高さじゃないが…流石にルウちゃんを抱えて上がる事は出来そうにない。

つまり……


「帰れない?……」


ヤバいな、確実に!ルウちゃんは全く起きる気配が無いし、て言うか、ルウちゃんを抱きしめているから身動き一つとれないよ!

そして、私の頭の中に一つの単語が浮かんだ。


「遭難……」


庭で遭難とか嫌すぎる!


パクッ!


「ふぇ…?」


カ、カメ…まさか…


「乗せてくれるの?」

「エェエエエ!」

「キュゥウ。」


カッケェエエエエ!

うぅ…カメ…お前、最高にかっこいいよ。カメの中のカメだよ…。カメのセリフが「一度背中に乗った仲間だろ!」って聞こえてくるよ……。カメ…お前はヒーローだ…。


そんな風にカメ、カメ連発しているうちにカメは私とルウちゃんを背中に乗せて歩き出した。


カメってかっこいい……



     ※


「うぅ…ん」

「ルウちゃん…起きたの?」

「リリアお姉ちゃん…」


ズシンッ…ズシンッ…


「……リリアお姉ちゃん?」


明らかにさっきのセリフと意味が違うね。

いやぁ…まぁ、言いたい事はわかるよ。目が覚めたらカメの甲羅の上です、なんて状況、理解不能なんだよね。でも駄目だよカメを見た目で判断しちゃあ。かっこいいんだよカメ。


「ところで、ルウちゃん、足は大丈夫?」

「…うん、大丈夫だよ。」


ルウちゃんの足は、赤くなっていたけど、ちょっとかすっただけみたいだ。大した怪我じゃなくって良かった……あぁ、触っちゃ駄目だよ、大したこと無くても駄目、綺麗な足なんだから。


「そう、なら良かった。」

「お話をそらしてませんか?」

「えっ?何が?」


お話をそらす?何の事?説明が大変そうだとか考えてませんよ。


「この……子なのですか?」

「かっこいいカメ」

「カメさん……」

「ヒーローだよ」

「……」


ルウちゃんは意味不明な顔をしていたが。とにかくかっこいいだって!ヒーローとしか言えないんだよ!

そこで私は、説明するのは大変なのでカメのかっこ良さを語る事にした。


「キュゥゥウ?」


すると私達と一緒に背中に乗っていた子ガメがルウちゃんにすり寄ってきた。


「子ガメさん……?」

「キュゥウ!」


きゅーーーーん!!

可愛いなぁもう!なでなで……


「かわ……いい」

「ルウちゃんも撫でる?」

「噛まない?」


スッポンじゃないんだから…

「噛まないよ。」


そー… なでなで…



その数分後…


「やっぱり、男の子かな?女の子かな?」なでなで…

「女の子の方が萌えるなぁ……」なでなで…

「名前は『シャロン』がいいかなぁ!」

「いいねぇ!可愛い!」

あれからルウちゃんとずっと話し続けた。ガールズトークですよ?カメの話ししかしていませんけど、立派なガールズトークですって。『萌える』とか言っちゃってるけど女の子のお話なんですから、ガールズトークでしょ。


「エェェエエエ!」

「カメ?」

「どうしたんですか、カメさん?」

「エェエ…」


すると、カメは自分の首で前を指した。どうやらやっと森を抜けたらしい。

あの暗い森を抜いて明るいお花畑が見えてきた…なぜだろう?目の前で起きた事を言ってるだけなのに妙に現実逃避しているみたいなセリフに聞こえてきた。


「あっ!フレア!」

「えっ!」


するとお花畑の方からこっちに駆けてくる人影が見えてきた。


「お嬢様!リリア様!いったいどちらにいらっしたんですか……ひゃぁあ!」

「フレア~カメさんだよ~」

「カ、カメさん…?」


あ~パニクってますね。

フレアさんはこの家のメイドさん、朝私におにぎりを出してくれた人で茶色い髪と瞳でその髪を後ろのリボンで軽く束ねていてメイド服のよく似合う人だ。イメージとしてはいかにも『新人メイドさん!』って感じなのに実はこの家6年のベテランさん。現在18歳つまり12歳の時にこの家に来た事になるんだけど……12歳っていったら小学6生だよねぇ……マジで尊敬してます。

「と、とにかくお嬢様方早く降りてきて下さい!」


「は~い」ぴょん!

「へっ?」

「あっ…」


べっしゃ!


今起きた事を具体的に説明しよう。


降りてきて下さい→は~い→ルウちゃんが飛び降りる→フレアさんがパニクる→何もできずにフレアさんが潰れる。


と言った事が起きたのだ。いまだに潰れているフレアさんはルウちゃんの下敷きになって慌てているし。フレアさん…なんとなくドジっ娘じゃないですか?


「フレアさん……」

「えへへ…フレア大丈夫?」

「お嬢様!いきなり飛び降りるなんて!奥様に知られたら抱きつかれますよ!」


(その注意の仕方もどうかと思うけど。あながち間違いじゃないから何も言えないし……)

そんな事を考えながらカメから下ろして貰った私はフレアさんに手を貸した。


「フレアさん立てますか?」

「いえ、リリア様にそこまでさせれません。大丈夫です」

「フレア、カメさん!」

「カメ、連れて来てくれてありがとう。」

「エェエエエ!」

「キュゥウ。」

「カメ?……なんで?」


『かっこいいから!』



こうして、私とルウちゃんの『かくれんぼ』と言う終われないゲームが終わり。ルウちゃんと私の仲はカメのおかげでより仲良くなれたと思う。



「カメが……かっこいい?」

「カメの中のカメだよ!」

「いや…ですけどカメ……」


さて、フレアさんにカメのかっこ良さを語るとするか。

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