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未知と遭遇と感情。

「ルウーちゃーん!」

……


まぁ、返事は無いですよね普通に……。しかし、予想はしていたが…。


ホーホー… びっく!

バサバサ! にゃあ!

ズシンッ! いゃぁああ!ズシンッ!?


怖い!怖すぎる!なんで家の庭にそんな不気味な音がするの!?ズシンって何!なんかいるよね絶対!それに!


べっちん!


「……痛い。」


やっぱりコケる事に変わりなし。むしろこの森のせいで足下が全然見えない。


「ルウちゃんとの遊びがこんなに過酷だったなんて…完全になめてた…。」


カー…バサバサ!

「……」

とにかく!ルウちゃんをさっさと見つけて一秒でも早く帰る!それまで泣き言言ってらんない!


そして私はその場からダッシュでルウちゃんを探しに行った。



     ※


そう…ソレが間違ってたんだ……。


「何だコレ…?」


岩だと思った。最初は…私の身長の三倍位あるスッゴく高い苔むしった緑色の岩。なら良かったのに…。


「エェエエ…」

「カ、カメェエエエ!!」


その大きな岩の足下からは明らかにカメの頭と足が出ている。デカいデカいデカいデカい!しかも横より縦にデカい!ロシアの兵隊さんが被ってそうな黒い帽子にそっくりっすねぇええ!


「なんでこんな所にカメがいるのぉおおお!」


私はその場からダッシュで逃げようとした……ら。


べっちん!


「ちくしょう…こんなタイミングで石に躓く……なっ」


「キュゥウ?」

「……子ガメ?」


あの大ガメ(っていうかもうあれは魔物だろ)より遥かに、遥かに小さいカメがいた。


「キュゥウ。」

「可愛い…」


はっ!早く逃げないと喰われる…


「エェエエ…」パクッ

「はっ?」


あれ?まさか私今…大ピンチ?


「いやぁああああ!!」



     ※


ズシンッ…ズシンッ…


「なんで?」

「エェエエ…」


あの大ガメに喰われると思ったのに…。


「キュゥウ!」

「…?」なでなで…


あの時。この大ガメは私を掴んだ後、その大きな甲羅に私と子ガメを乗せてくれた。


「そのまま巣に持ち帰りって感じじゃ無いな…無いけどさぁ……」


高い…甲羅なのに建物の二階位はある。

さっさとルウちゃんを見つけて帰るはずだったのに…


「えーと…カメさん?でいいのかな?」


私はこの生物をカメさんなんて可愛く思えないが…


「私は何処に連れてかれてるんでしょうか?」

「エェェエエ!」

「なんで連れてかれてるんでしょうか?」

「ェエエエェ…」

「……言葉わかりますか?」

「エエ…」


通じてませんね!だったら『エエ…』とか言わないでよ!紛らわしい!


「キュゥウ、キュゥウ!」

「!」

「エェェエエェエエエ!」


!何!?なんでそんなに興奮してんの!私が怒ったからぁ!?


「ちょっ!どうしたの!?」


私の早まった言動のせいならごめんなさい!謝るのでお願いです落ち着いて下さい!っひゃっぁあ!落ちる!落ちる!


「キュゥウ!」

「えっ?」


どうやら、目的地に着いたのか大ガメは足を止めて、その場にしゃがみこんだ。そこは、大きな穴が沢山あるゴツゴツした場所だが、周りは草木だらけでとても危ない場所なんだと思う。

そこには…


「ルウ…ちゃん?」

「……リリアお姉ちゃん…。」大きな穴の中にいたルウちゃんはその穴の中で泣いていたのかその顔を真っ赤にしてその大きな目からは沢山涙が溢れていた。

大ガメは私を背中から下ろしてルウちゃんの前に立たせてくれた。


「ルウちゃん?なんでこんな所に…」

「リリアお姉ちゃぁあん!」だっ!


べっちん!


「ル、ルウちゃん!大丈夫!?」


今のは私じゃない、ルウちゃんだった。ルウちゃんは足に怪我をしていたようで綺麗な足が赤くなっている。そのために私同様おもいっきりコケた。い、痛いよねソレ…


「ふぇ……」

「な、泣かないで、ルウちゃん!」


どうしよう…


「うぅ…リ、リリアお姉ちゃん…」

「ほら、大丈夫だから…ね?」


そう言って私はルウちゃんの小さな体をぎゅっ…と優しく抱きしめた……けど

こっからどいすればいいの?


「わぁあああああああああ!!」

「えっ!痛かった?それとも足以外に怪我があるの?」


それでもルウちゃんは首をぶんぶんと横にふるだけで全然泣き止んではくれなかった。


そして私は昨日の事を思い出した。


夜、子供みたいに泣き続ける私にアルトさんは…


『大丈夫、大丈夫……君を一人にはしない。』



「…大丈夫だよルウちゃん。もう一人じゃないから……」ぎゅっ

「あっぁあああああ!!」


そうだ……今のルウちゃんはあの時の私と同じなんだ…怖くて、辛くて、悲しくて。

誰かに埋めてほしい感情をこの子は持っているんだ。


「大丈夫、大丈夫。ルウちゃんは一人じゃないよ。ちゃんと帰る場所も家族もいるんだから…」


そう、あの頃の私とは違うから……


そのまま私はルウちゃんの小さな小さな体を優しく抱きしめ続けた。


カメさんの説明タイムです。

ロシアの兵隊さんの帽子、やけに上に高いやつ。あれがカメさんの甲羅です。その下から象位の足と巨大なカメの顔が出ている感じです。子ガメは手のひらサイズです。

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