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3話 『ゴブリン』



 肌は緑で身長は5歳児ほど。ぼろきれを纏い、槍のようなものを構えている。


 「なんだこいつら」


 ただ、俺にはこの姿に見覚えがあった。


 ゴブリンだ。

 もちろん分かっている。架空上の生物がこの世界でこうやって存在していることがあり得ないことだと。

 しかし俺は既に『スキルガチャ』なるものを経験した。

 あり得ないことが起こっても今更不思議ではない。

 だから、焦らず行こう。


 「あのぉー、ゴブリンさんですか?」

 「ギィッ!! ギィッ!!」

 「どこから来たん……ですかね?」

 「ガギャァ!! ギジィッ!!」


 ダメだ。

 そうだろうとは思っていたが、言葉が通じない。

 それに、こいつらには何故かは分からないが敵意がある。

 意思疎通ができない敵同士が分かち合うのは不可能だろう。

 一応写真でも撮って退さ――――


 「ガギャァァァァァアア!!!!」

 「なっ!!」


 ゴブリンが――飛んだ。

 俺に向かって。


 「「「カキンッッッ」」」


 ゴブリンの手から突き出された槍が、そんな音を出して『大魔鎧』とぶつかった。


 『大魔鎧』は無傷だ。流石の【SSR】である。

 だが、一方のゴブリンの槍はポキンと木の枝のように折れている。

 それにもかかわらず、ゴブリンたちは歯を剥き出して敵意を露わにしている。


 「……少し可哀想だが、スキルをこのゴブリンたちに試してみるか?」


 俺はゴブリンたちに向かって右手を向けた。


 スキルの使い方は良く分からないが、力を込めた方向へスキルが放たれるのは確かだ。

 それでは一つ……「『炎球』!!」


 俺の右手の手のひらから、サッカーボールほどの火の玉が現れた。

 直に触れているというのに全く熱くはない。


 「「「ボウッッッ」」」


 そして火の玉は俺の手を離れ、かなりのスピードでゴブリンたちに突っ込んだ。


 「ギィ……ギャアァァァァァァ!!!!」


 ゴブリンたちは一瞬で燃え上がり、黒い炭になった。【N】にしてはかなり威力が高い。

 しかも、スキルの発動者はスキルの影響を受けないようだ。


 「ギ…………カッ…………」


 ゴブリンたちはまだ生きている。

 まぁ、仕方のないことだ。

 手を出したのはそっちなんだからな。


 「よし」


 切り替えていこう。

 威力は確認できた。

 ただ、重複したら威力が上がるのかどうとかはまだ調べられてはいない。


 俺は残った25万を手にし、お札投入口に入れようとした。


 「ん?」


 投入口の下。

 何か文字が書かれている。

 15万を入れた時は何も書かれていなかった筈だ。鮮明に覚えているし間違いない。


 「どれどれ……」


 〈10万円以上引いた方に限り、【N】【R】【SR】【SSR】に加えて、更に上の【HR】が追加されます!!〉


 【HR】?

 ハイパーレアっていうことか?

 SSRの時点で未来予知……

 どんなスキルを得られるんだろう?

 き、気になるな……


 俺はまるで息をするかの如く金を入れ、レバーを回した。

 25個だろうか。

 カプセルが落ちてくる音が聞こえる。


 「さて、肝心の中身は……」


 【N】炎球×2

 【N】水球×3

 【N】風球×2

 【N】光球×4

 【N】闇球×5

 【R】身体能力向上×3

 【R】体力向上×3

 【R】魔力上昇×3


 「……」


 渋い。

 確率が絞られているような気がする。

 今までが出が良すぎたということもあるが……10万円を超えて【HR】の記述が追加された途端にこれだ。

 疑うのも無理はない。


 だが、ここで諦める俺ではない。

 こうなったら……【HR】が出るまで引いてやる!!



【作者からのお願い】

この小説を読んで「面白い!!」「続きを読みたい!!」等思われた方はブクマ、感想、下の広告の下にある【☆☆☆☆☆】でポイントを入れて頂けるととても嬉しいです!!

どうか宜しくお願いします。

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