第46話 実家に帰らせていただきたい
拝啓、パパ、ママ
わたしが娘でいられるのも、あとわずかかもしんない。なんかね、横で養子に取るか、他家の養子に出して娶るかとか、物騒な話してるの。
そして今、コルセットで縛りあげられてるの。
ママ、偉くなってもコルセットはお勧めしないよ。
あと、この国の王女様にあったよ。
ひょっとしたら、王様にも会うかもしんない。
王都は怖いところです。
侯爵家のボンボンに絡まれたり、歴史書にでてくる人に絡まれたり、腕折られたり……
あ、でも、友達できたよ!
伯爵家のお嬢様と、王女さま……
手紙風にしてもヤバイな!
パパとママもさぞかし驚くだろうね!
「あー、もう実家帰りたい……」
おっと、思わず声にでてしまった。
ん?なに?クラリッサ様?無表情のまま迫ってこないで?怖いから。
「あなたの実家はここよ?ルナさん」
断言しちゃったよ、この人!
ほんと、どうしようかな、もう!
走馬灯が当てにならないのは経験済みだ。
ん〜……、お茶会で粗相するとか……、体調悪くして欠席とか……、逃亡するとか……。
うん、全部処罰されそう♪
そもそも、お茶会って何するんだろうね。
ファンタジー小説でお茶会のシーンってあるけど、なんかお茶会前とか後とかでトラブルになってるシーンしか思い出せないのよね。
内容として地味だから描かれないのかなぁ……。
前世でも、『お茶しよ〜』とか、言ったことも言われたこともないしね。
とりあえず、席についておとなしくしてよう。マリーちゃんがなんとかしてくれるはず!
あ、クララさま?そんなにコルセット締めさせないで?死んじゃうから。
そんなこんなで、当日。
グラナド家の紋章の入った馬車に淡い桜色のドレスを纒い、王宮へ向かう猟師の娘……。
生贄かな?
ここまできたら仕方ない。
社会科見学ぐらいの気分でいよう。
初めての海外旅行!王宮見物!庭園でランチ!とか思えば、多少は……上がらない……。
「ルナ!御機嫌よう、どうしたの?そんな顔して」
おお!マイエンジェル、マリーちゃん!
「マリーさま、御機嫌よう。ちょっと緊張してしまって……。わたし場違いではないでしょうか……」
平民だし。絶対、なんでこんな子供が……、とか思ってるよ、周りの人。
「そんなことないわよ。ルナ、普段からとっても可愛いから。ドレスも似合ってるわよ♪」
ぬはー!友達サイコー!
「マリーさまも、とってもお綺麗です」
いや、ホントに。
赤いドレス、いいね!
それにしても、この庭園、すごいわ。
どこを切り取っても絵になるんだよね、コスプレの撮影スポットとしてこれ以上の場所はなかなか無いよ。
でもねぇ……。
視線をビンビンに感じるんだよねぇ。
警備?護衛?
そういう人って、警戒は外に向けるもんだと思うんだけど。
わたし、危険人物扱いなのかな!
7歳だぞ!気分害したっていって帰っちゃうぞ!




