ハツネお姉ちゃんとの出会い
マユリ「この物語はここから広がっていくんだよ」
さて、あっさりテレポートでコテージに帰ってきたよ。子供たちには泣かれたよ。私も泣いたけど。
拠点では南国の植物たちが出迎えてくれた。
白いビーチチェアとカラフルなパラソルを出して白いテーブルも。フルーツを盛った籠をインテリアのように置いて水着と偏光グラスを装着して椅子にもたれ掛かる。コリンズグラスにマンゴージュースを入れたものを出してストローで飲んだ。バカンスだね!
ぶっちゃけ住民少ないと寂しいね! 増やそう!
カホノ村と直通の扉とか作ってもいいんだけどね。それはここに町を作ってからにしよう。慌てるつもりはないよ。のんびりスローライフするからね!
でもダンジョンは作る。さてさて、まずは川を渡る橋を作り対岸にある崖の浸水しないところまで地面を隆起させて崖に穴を空けますね。高さ三メートルくらいでいいよね? ワイバーンとか飛ばしたいところは五百メートル以上高くしよう。ワイバーンが窮屈じゃないくらいにしないとね。まあ戦闘というかゲームするダンジョンにする予定なんだけどね。
一階層だけ作ってダンジョンコアを作る。ダンジョンコアと言うのはダンジョンの脳みたいなものだよ。壊されたり奪われたらダンジョンはなくなるけどここは神造ダンジョンなのでコアに神性結界張っておくよ。悪質なダンジョンにはしない。人が死なないダンジョンにする。まあ私の手腕を見るがいいよ。
あ、ダンジョンコアの精霊さんをつけておく。ナビさんみたいな存在だよ。名前はイリアちゃん。ドラゴンっぽい翼とか爪とか牙とかつけた薄い青色の肌の女の子にした。髪は銀色で目は赤色。装備は戦士っぽい革鎧ね。
「初めまして、女神さま」
「君をダンジョンコアの精神にしたよ。よろしくね!」
ちなみに向いてる魂を選んだよ。嫌ならいつでもやめれると言っておく。本人はノリノリだけどね。そういう魂を選んだし。
次にダンジョンマスターになる人を神眼で探すよ。ルールは私が決めるけど迷路は人にやってもらわないとね。
「う~ん、地球の、できれば日本で亡くなった若い女の人でダンジョンマスターに興味がある人の魂~、ってすぐ見つかった! 日本人オタク多くない?!」
あっさり見つかって私もビックリだよ! 神の心臓止まるとこだったよ! 嘘だけど!
「はっ、溺れかかっていた幼女は?!」
「その子はお姉さんに助けられたみたいだよ~」
現れたのはショートカットの黒髪黒目、白いジャージのお姉さんだ。二十二才独身、天涯孤独らしい。可愛い系の美人さんだよ! ロリコンで変態かもしれないけど。溺れている子供を助けて自分は溺れたらしい。いい人だよ。じゃあ説明を始めないとね。その前に自己紹介っと。
「私はマユリ、めいたんて……女神さ!」
「私より大きいね!」
「お姉さんが百五十六センチだから十四センチ違うね」
「えーと、私は山川初音二十二才のガールだよ。よろしくねお嬢さま」
「お嬢さまではないね。マユリは十五才だよ!」
日本人同士だからなのかどうでもいい話をしばらくしたよ。ダンジョンの話をしよう。
「それでね、初音お姉さんにはダンジョンマスターになってもらいたいんだ。構造は自分で決めてね。ルールは私が作るけど、罠の場所とか魔物とか宝箱は好きに作っていいよ。レストランとか作っちゃってもいいしね。階層とか広さも任せるね。いろいろ作るのにダンジョンポイントを使う、ダンジョンポイント制にしておくからね。魔力が貯まるとダンジョンポイントがもらえるぅ! 貯まる、貯まるぅ!」
「ひゃっはー! 最初のダンジョンポイント、DPは?」
「階層を増やすのに五千ポイントがかかるんだけど最初は二万ポイントね。私が注いだら無限だからやらない」
「まあね、育てていくのが楽しいからね、ダンジョン作り」
「したことあるの?」
「最近はそういうゲーム多いのよ? やったことない?」
うわー、スルーしてたかも。スマホ作ってやってみよ。地球圏ともやりとりできるようにしておこう。なんなら世乙ーばーになるのもいいかもね!
世乙ーばーは動画サイト世乙辺で動画投稿する人のことだよ。バーチャル世乙ーばーもいるよ!
世紀末な世界が広がってるんだ! 今世紀初頭でも世紀末!
「いいわね、ダンジョン作りを世乙辺配信しようか!」
「それ楽しいかも! 私もスマホで見るね!」
「スマホほしい!」
「友達には配るつもりだよー!」
もちろん盗んでも無駄だよ。神器にしない理由がないよね! ちなみにこの世界の人もネット検索できるようにするからね。知識チートがヤバイかもしれないけど、その時はなかったことにするよ! 邪神かも!?
カホノ村の子供たちにもあげようかな。ちなみに通話はめんどくさいのでメールだけできるようにする。通話は私とは、初音さんとかナビさんはできるようにしておこう。緊急連絡あるかも知れないし。まあ時間も戻せるけど。神だからね!
「それでね、私が作ってほしいダンジョンは……ごにょごにょ……かくかくしかじか……閑話休題……エインヘリャルを集めるんだよ」
「なるほど……それは面白いし新しいかも!」
それはそうと初音さん前世に戻せとか全然言わないね。そういう人を探してはいたんだけど。
「前世に戻りたいとかある? 戻すつもりはないんだけど」
「あー、別にいいよ。この方が楽しそう!」
ダンジョンポイントで元の世界の食べ物とかこたつとかでも手に入るようにしておこう。まあスマホだけあったらどこでも暮らせる気はするよね。通販とかはどうしようかなぁ。妖精さん通販とか作ろうか。サイト名はくりむぞんで。アマゾネスとかも考えたけど。注文後コンマ一秒でお届け! ダンジョンで稼いだポイントで買い物ができるよ! 私の魔力で作るだけだから無料なんだけどそれは楽しくないからね! ダンジョンに入った人にもスマホをあげよう。カオスになりそうだけど楽しそうでもある。書籍や動画も見れる! ちなみに冷蔵庫とか車は魔力で動くようにしておこう。スマホのバッテリーも魔力で自然に充電されるシステムにするよ。
「至れり尽くせりだね! ダンジョンマスターは最高だぜ!」
「まあ気にくわなかったらなかったことにするし好き勝手して大丈夫だよ!」
「すごい不安! でもやっちゃおう!」
私の作ったルールを初音お姉さんも気に入ってくれたので、このままダンジョン作りに移ってもらうことにしたよ。楽しみだ。
私は私でダンジョンに来るお客さまを手配することにした。ポイントは日ごとに千ポイントはあげるつもりだけど、挑戦者がいた方が貯まりやすいからね。そこはルールとして決めておかないとズブズブは面白くないからね。
ハツネ「縁の下の力持ちよ!」
マユリ「私的にはサブ主人公なんだよ」