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新しいダンジョンに挑戦者を

マユリ「友達探し~」

 奴隷とかも一瞬考えたけどこの世界は犯罪奴隷だけしかいない。勇者がそうしたらしいよ。まあダンジョンに挑戦するだけだからいいんだけどね。普通の冒険者とかで。


 でもかなり毛色の違うダンジョンにするつもりだから、まずは順応力の高い子供、カホノ村の子供たちにお願いしたよ。ご両親にも説明してワープゲートを拵えた。ダンジョンに直通にしてもよかったけど村を作るつもりだからまずは神の住まうコテージ前に集合である! わはは、えらそー!


 お店用にムークルをたくさん産み出した。個性もあるよ。引きこもりムークルもいますけど。作った子供を処すのは悲しいからそのまま生かしている。ただ私に従わないなら普通の生物として働かないと食べられないけどね。餓死したら仕方ないからお墓は作ろうかな。場所を取らないように異次元に。


 なんかそう説明したら働きだした。なぜか怖かったらしい。神さまセンスが染みついてきたのかその感覚はよく分からないけど。


 まあそういうわけで木造の商店街を作ったよ。砂場にログハウス風なお店が並ぶ。商品は仕入れ担当のムークルを作ってダンジョンで集めさせる。食べ物でも服でも取れるからね。ムークルもダンジョンポイントを貯めるのに使えるようにしておくと、冒険者が集まらなくてもダンジョンが成長するからね。外からのお客は厳選するつもりだけど、いないと寂しいからね~。あ、スローライフはする!


 そのあと子供たちが毎日通うようになって、ハツネお姉さんもどんどんダンジョンを育てているよ。その過程はあとで世乙辺で見よう。ちなみにダンジョンの物資は良いお値段で売れるらしい。子供たちの親御さんも喜んでる。貧富の差が出そうだから大人も参戦許可。体が弱ってる人は治しておいた。


 私は次に冒険者を探すことにしたよ。近くに気配があるからね。まあ結界の外だから十キロ以上離れてるけど。テレポートで一瞬で現場に向かう。行ったことのない場所にはテレポートできない。そんなふうに考えていた時期が私にもありました。


 いや、ナビさんのお陰で地上だろうが宇宙だろうが元の地球だろうがどこでも一発で飛べるよ。まあ神だしね!


 現場では大きな狼と人間の冒険者が向き合っていた。コンマ一秒で両方のデータを読み取る。あ~、なにしちゃってくれてるのこの人。


『止まってね~』


 神言かんごと発動。両者は動きを止めたよ。


「こっちの狼さんはソルクルスグレーウルフね、人間に拾われたことがあって人とは争わないようにしていたみたいだね。メイラって名前ももらったんだね」


 私がつらつらとプロフィールを語ると狼は驚いた顔でこちらを見た。舌が長い。ハスキーっぽいカラーリングで可愛いよ。ちなみに私の言葉は狼でも伝わる。神だからね!


 それに黙ってないのが黒が強い灰色の魂のがっしりした全身銀色の鎧の男だ。他のメンバーはきれいな魂の色をしているのにね。


「な、なんだと! そんなことが信用できるか! 貴様、魔女か?!」


 魔女? この世界では魔女は悪い存在じゃない。引きこもって魔法や錬金術の研究をしている人たちだ。ちなみに男の人は隠者らしい。違いはないんだけどね、偉大な魔女がいたのでそういう魔女呼びが一般的になったみたいだね。尊称に近いよ。


「こ、この拘束を解いていただけないか」


「いいけど、その前に説明しておくね。そのオジサンがそこの狼の子供を蹴り飛ばして踏みつけて斬りつけたみたいだよ。さすがにお母さんも怒るよね? それで、どうしようか?」


「そ、そんなことを俺は」


『黙れ』


 うっとうしい弁解なんか聞くつもりがない。


『お前の罪をその身で示せ』


「え、はっ? ぎやああああああああああ……」


 黙れって言っても神業なので変な融通しちゃうんだよね。悲鳴は叫べたようだ。うわー、これどうなってるんだろう。鎧がひしゃげて肉が鎧の隙間からボロボロミンチになって溢れてる。これ私がしてるんじゃなくて本人がこれだけのことをしたと認識しているから本人の細胞がやってるんだよね。さすがに他のパーティーの人はドン引きしてるね。


「これねー、その人が今までしてきた酷いことを本人の体が勝手に再現してるだけだからね。私はなんにもしてないよ」


 ほんとだよ? 素直になるように導いただけだからね。本人も罪の意識があったからこうなってるわけで。


「この国の法律だと山賊の類いは殺してもいいんだよね? その人が奪ったものをここに示すね。えーとね、内訳は貴族の冒険者さんを仲間のふりして後ろから斬り殺したのが一番重いかな? 財産も奪ったみたいだし。あとスラムの子供を脅してお金を上納させてたりも重い。えーと、他にも殺傷がかなりあるけど、それで、私になんか文句ある?」


「い、いや、それは……事実なのか?」


「そのオジサンが犯罪を犯した時の映像集を見せるね。ダイレクトに頭に入れるけど酔わないようにするからね」


「え、う、うお!?」


 頭に直接一人の人間の半生を入れられたら普通は倒れるけどダメージは回復しておくよ。いろいろできるんだなぁ。たぶん頭の中では楽しんでの弱者殺しだのレイプだの強盗殺人だの口に出せない犯罪シーンが山盛り投影されているよ。私は小学生脳なのでナビさんは大まかにしか見せてこないけどね。


「まだ文句あるなら強制的に全てを忘れさせたりもできるよ。そのオジサンを生き返らせたりもできるけど?」


「気持ち悪い! こんな男と一緒にいたなんて!」


「さいてー」


「死んで当然っすね」


「し、しかし、本当にこんなことが……」


 治癒師と魔術師の女の人二人と斥候の人は納得したみたいだね。被害者に知り合いがいたらしい。リーダーっぽい人はどうも受け入れられないらしいけど。仕事仲間だったらしい。本人はかなり真面目な人でAランクの冒険者みたいだね。


 狼の方を見る。殺された子供が回復して親の周りを駆け回っているよ。私が癒した。メイラちゃん(狼のお母さん)はこちらを眉を下げたような顔で見ている。感謝と畏怖を感じ取れるね。狼の方がマシだ。いや、ずっと清廉な魂をしているよ。


「君には神性結界を張っておくね。あと人と話せるようにするよ」


 本人が嫌がるならやめるけどどうも人と分かりあいたかったらしい。風魔法で空気を振動させるから狼の口吻でも喋れるよ。


 体の高さが座ってても私くらいあるからすごい大きな狼なんだけど、優しい心をしている。


「ありがとうございます、女神よ。貴女のお陰で子が救われました」


「なんにも悪いことしてないんだから問題ないよ~」


 その私たちのやりとりを見てリーダーさんも入ってくる。


「こ、こちらの方が見せたものは本当だろうか」


「逆に問うが、それが嘘としてそちらがこの女神様に敵うのか? わざわざこのようなことを見せずとも全員そこの鎧の男のようにできるお方だぞ?」


「う、嘘を吐く理由はないか……」


「そっちの人も生き返らせてもいいよ?」


「……いや、ドレイクにやられたことにしよう……」


 冒険者はクールだね。私は冒険者用スマホを渡す。使い方は面倒なのでそのリーダーさんたちの脳にインストールしたよ。


「こ、これは!」


「そのスマホでアプリを開いたらうちの領地にテレポートできるし、戻ることもできるから、よかったら遊びにきてね?」


 魂が汚れてたら入れないけどね。このパーティーは死んだ鎧オジサン以外は入れる。ちなみに狼の方にもうちくる? って聞いてみたら来ると即答した。もふもふゲットだぜ!


 鎧オジサンの死体は浄化しておいた。血の一滴も残さず魔力になって消えたよ。まあ何人も殺してるから死刑は日本でも間違いない男だ。生かしておいたらこの女の人たちも殺されてたかもね。そのことは伝える必要ないか。


 私は狼さんを連れて領地に帰ると次は山に向かった。


 どうも冒険者さんたち、ドレイクに襲われて気が立ってたからそれもあって警戒していてメイラちゃんと戦いになったらしい。目的はその山にある薬草、白竜カズラという花の採取だったようなんだけど……。いや、そのドレイクが狂気にとりつかれているみたいなので放置してたらまずそうなんだよね。街とか焼きそう。






マユリ「神さまだからね?」




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