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未だ唯の御伽噺

「…………おや、ここにもか。珍しい」

 工房に入ってくるなり市長は低くも聞き取りやすい声でそう口にした。長身に折り目のぴしっとしたスーツみたいな制服を着ている男性。少し白髪の混じった髪と口ひげは綺麗に整えられていて、角度の強い鉤鼻はなんとも厳しいようなイメージがある。遠めで見たことは何度かあったけど、ここまで近くで見たのは初めてだった。

 市長はその瞳だけをぐるりと回しながら工房をくまなく見渡した。それからまた私達を順繰りに眺めていく。ここにも、というのは既に優星のベッドの上に転がるハタケを見てきたからだろう。べつに怒るわけでもなく、優星を問い詰めるわけでもなく、ただ私達の正体を知りたがっているだけなのだと推測できる。

「こっちも俺の新しい友達さ。大丈夫だろ? べつに今更」

「無論、問題などはありもしない。むしろここを秘密にする意義も今はないだろう。しかし懐かしいな……最後に来たのはいつだったか」

「こ、こんにちは!」

 工房をぐるりと見回し続ける市長にこーすけが先陣を切ってどもりながら挨拶をする。

「あぁ、こんにちは。……ん、君は…………知っているな。それに彼女も」

 市長がこーすけの顔をまじまじと見つめながらそう言う。そして椅子に座って足をパタつかせているスズにも視線が注がれる。

「し、知っているってどういう事ですか?」

「君は確か桐山幸助君で、それからそこのお嬢さんは宮原鈴音さんかな?」

 こーすけとスズの方を順番に見ながら、二人の名前が合っているか確かめる。スズは合ってるよー、と笑って手を振って、こーすけは硬直しながらも首だけを縦に激しく振っている。

「それから君は……」

 今度は私を見ながらわずかに眉根を寄せた。十中八九、私の名前は出てこないだろう。究極なまでの影の薄さは数少ない私の自慢できるところだから。

「ううむ、すまないが君の名前は分からない。どこかで見たような気はするのだが……」

 やっぱり。

「深谷です」

 シンプルに自己紹介はしておいた。私は無意識に話す言葉が短くなってしまうから機嫌が悪いんじゃないかと、私に限ってはありえないことなのに事情を知らない人達にはいつもそう判断されてしまう。けれど市長は気を悪くするわけでもなく満足してくれたみたいで、よろしく、とただ一言だけ言ってくれた。

「ケンさん、どうして二人の事を?」

「慈雄がよく話してくれる、優秀な子達だとね」

「へぇ、院長か。よかったな、二人とも」

 救災院の院長である耶永瀬慈雄(やながせじゆう)。ちょっぴり珍しくて難しい名前の人だ。彼の愛称は院長で固定されているので、普段名前を聞くことは稀。ちなみに私は院長をちゃんとした名前で呼ぶ人を初めて見たかもしれない。

 耶永瀬院長は災害孤児となった子供達の父親役をしている人であり、救災院と呼ばれる施設を地下都市に造って、そこに災害孤児達を集めて学校のような教育と交流の場を造った張本人。誰にでも優しく、誰にもで信頼され、誰にでも愛されるというとにかく異常なまでに人柄のいい人だ。

 ――――そしてなにより、私の命を救ってくれた人でもある。

 両親の死体を前にただ呆然と立ち尽くしていた私を、なかば意識を失っていたであろう私を助けてくれた人。誰もが他人に救いの手を差し伸べているような余裕のなかったあの日、唯一私に手を差し伸べてくれた人。そして、私だけじゃなく。今この地下都市に生きる大多数の人々を、絶望の渦中から希望の見える世界へと引きずり出してくれた――――〝光〟。

「幸助君には電光掲示板等の修理でお世話になっている。恥ずかしながらあの設計は私が――食事の片手間にやってしまったものだ。どうやら君はかなりの知識を持っているようだね」

「い、いえいえいえ、自分なんてまだまだですよ。たいした事のない作業しかしてないですし」

 市長の絶賛に頬をほんのり赤く染めるこーすけは、謙遜しながらも口元だけはしっかりとニヤけていた。私は褒められたことはあっても照れるといった感情を感じたことはない。照れるとは嬉しいに繋がるということは本に書いてあった。

「それから鈴音さんは小学部の子供達に人気のようだね。盲目と聞いていたが…………?」

 市長はスズのことをまったくの普通の人としか捉えていないみたいだった。彼女は盲目と言えども、目は普通の人と同じできちんと開いているしまばたきもする。だから初めて会う人は彼女が盲目だなんて絶対にわからない。

「うんうん、これでもあたししちょーの顔見えてないんだー。残念!」

 それでも明るく言うスズに市長はわずかに目を見開いた。

「……それは気の毒だ。だがそれに勝るような立派なものをもっているようだね。――それで優星、流れからするにまさかこの子達も暗地へ出ると?」

 じぃっと優星を見つめる市長は急に気難しそうな顔になった。

「あー、いや。俺だけ、かな。うん」

「そうか。ならばそう大きな問題ではなかろう」

 そういえば誰が行くとは決めてなかった。とりあえず全員が行くほどの事態ではないことは確か。必要最低限の人数で情報を収集するにこしたことはない。少なくとも暗地に出る場合は。

 でも……――――でも――――

「――待って、優星」

 知らず私は考えが済む前に反射的に口走っていた。無意識のうち思わず口元を片手で覆う。どうして今、私は彼を呼び止めたのだろう?

「ん? どうした?」

「いえ、その…………」

 すぐに言葉は出なかった。だって思考の決着がつく前に勝手に口が彼を呼び止めてしまったのだから。

『…………?』

 首をかしげる四人の視線を感じながらも私は思考に耽った。そしてしばらく経った時、ようやく言いたいことがはっきりと浮かんできた。

「私も行くわ」

『…………!?』

 私のいきなりの提案に市長以外の三人はぽかんと口を開いた。

「いや、危ない場所に君を行かせるわけには……」

 まず優星がそう言葉にする。横目で市長の反応をうかがおうとしているあたり、夢の話については今触れないほうがいいと訴えているようだ。それに関しては私はきちんとわかっている。少なくとも、一番解っているつもりだった。

「……あなたが行くなら、私も行かなきゃいけないと思う」

 夢を見る張本人が動かなくちゃいけない。普段は自分からあまり意見を言うことがなかったのに、どうしてか今の私はそんなことを強く意識している。

 なんだろう? まるで外部から強制されているみたい。私の正常な思考になにかが割り込んでいるような気がしてならない。

 どうしても行け。なにを言われても行け。止められても行け。

 ――――〝暗地へ向かえ〟、と。

 自身の思考とは関係のない、決して抗えない別の場所からの命令のようなものが私の意識にねじ込まれていくよう。なにか、変だ。

「……では質問だが、深谷さんはどうして暗地に行きたいと思うのかね? なにか特別な理由があるようならば私も考えを改めるが。あぁ無論、市長の立場として基本的には許可をしないつもりだ」

 市長の質問に私はただ首を横に振った。正直に答えるしかない。

「理由はありません。でも行かなくてはいけない気がするんです」

 それだけです、と付け加えて私は市長の反応を待った。この子供のわがままのような攻撃で、果たして市長という厳格な壁を破れるのだろうか。

 断固として意見を曲げない、本来ならありえない行動をとる私に驚き悩んでいるのがスズとこーすけで、どう説得するものかと腕を組んで悩んでいるのが市長と優星。

 いつも受動的な私ではあるけれど、今ばかりはどうしてか異常なまでに積極的になってしまう。――――私の中で、なにかが成長しているとでもいうのだろうか?

「…………安全は、保証出来ない。だが――地上探索が可能になったのが約四年前であり、探索隊を地上に派遣した回数は数えきれないが、今のところ負傷者は出ていないという事実もある。擦り傷のひとつでさえ。しかしながら地上では未だに『酸性雨』、『突発崩落』、『螺子嵐』、『光柱』等。危険とは言えない類のものから死に関わるような類の現象まで、未だ解明できていない現象が多々ある。そう気楽にというわけにもいかないのも事実だ」

 市長の言うとおり、たとえ夢の謎のヒントを探しに暗地へ出たとしても、そこで命を失ってしまえば本末転倒だ。避けることができるものは、できるだけ避けていくべきなのはもっともだと言える。特に非力な私が優星と一緒に暗地へ出るとなると、彼に負担を掛けてしまうことは絶対に避けられない。つまりそれは本来避けるべきことなのだ。

 対して市長が問題視しているのは単に私の身が心配なだけだろう。私だってこの地下都市の一市民。市長としては断固拒否するべき話のはず。もし私や優星が大怪我をしたり、最悪死亡してしまった場合は、ゴーサインを出した市長に責任があるからだ。

「あの、市長。酸性雨とか突発崩落はまだ納得がいくのですが、『螺子嵐』っていったいどんなものなのでしょうか?」

 どうも耐え切れなかったらしいこーすけが質問をすると、市長はその質問を快く受け付けた。

「あの日以降、地上に散乱したあまりにも細かな金属片は、数年を経てゆっくりと酸性雨に溶かされてしまい消失した。もちろんそれは現行でもある。だがある程度の大きさや硬度、耐酸性が強い金属片――代表的なもので言えばボルトやナット。そこで仮説ではあるがこのように説明できる。小さな金属片達は風に少しずつ飛ばされ移動し、やがて窪みなどの溜まりやすい場所に溜まっていく。そして時折、集合したそれらを吹き飛ばしてしまうような突風が吹く。仕組みそれ自体は簡単な現象だ。竜巻のように人間を飛ばしてしまうような強さはないようだが、風に乗って飛んでくるものが砂粒から鉄片に代わったものだと思えばいい」

 といっても例のスーツを着ている限りは無傷だがね、と付け足して、市長は驚きに固まるこーすけからゆっくりと私に視線を向けた。

「それに駄目押しとは言わないが、女性があのスーツを着るのは厳しいだろうと、私はそう思うが」

 スーツとは探索隊のあのごつい鎧のことだろう。確かにあれはさすがに私では無理だと思うけれど――

「あ、そうだ。それに関してはケンさん、まずこれを見てよ。もう大丈夫なはずだ」

 優星はいつの間にか駆動音が消えていた工房の端にある工作機械に向かう。

「何かな?」

「お、冷却過程も終わってるな。数時間で出来るもんなんだなぁ」

 優星は動きの止まった工作機械の中から布みたいなものを取り出した。それは工房を照らすオレンジ色の光を反射して〝昔の夕暮れ時〟みたいに光ってて、まるで夕焼けの空がそのまま切り取られたみたいだ。

「…………これは?」

 市長はコートに興味を示したのか、優星から手渡されたそれを手に取っていろいろな角度から眺めた。その様子は新しい洋服を吟味する女の人のようだった。

「オブストラクトコート。例の探索隊のスーツをコートというかマント状というか、とにかくなんだ……スマートにしたものさ」

 にっかりと、声に出さずに優星は笑う。そしてまたこーすけが目を限界まで見開いて固まっているのも見える。

「……計算済みか偶然か。なんにせよ用意周到とは君も変わらないな。いや、確かに私もいい加減あのスーツを改良しようと思っていたがどうも時間に追われていてね。第一の問題の雨にはそれなりに耐えられるのか?」

 市長が疑問に思うのも当たり前だった。なんせ本当に布と同じような薄さだから、酸性雨なんかに当たったら簡単に穴が開いてしまいそうだし。

「もちろん。プロビタスを繊維状にして耐酸性の強い合成樹脂をいくらか含浸させた。単純にホットプレスさ。ちょっと圧の設定がイマチチでボイドがいくらかあるけど。それにかなり伸びるから緊急時に覆うのに助かる。雨に当たらない場所に避難するまでの間程度なら充分だと思う。こちとらアシッドレインの中をずっと突っ走るつもりはないしね」

「構造的には炭素繊維複合材に近いものか。素材は苦もなく手に入る適材だとしても、また複雑なプログラムを組んだな。この機械もまだまだ現役というわけか」

「はは、俺の脳ミソが現役だと言ってほしいね」

「いずれは私がこれ以上のモノを造ってみせるとも」

 言いながら市長はコートを私に差し出した。意図を理解した私は無言でそれを受け取る。

「………………軽い」

 コートはまるで絹織物みたいにサラサラと手からこぼれ落ちそうなほど軽く、これの原料に金属が含まれているとはとても思えない。近くで見るとコート自体は黒っぽい銀色で、動かす度に光が四方に反射してとても綺麗だ。

「これなら平気だと思います」

 市長にそう宣言して私は隣で早く早くと待っているこーすけに渡す。

「うわっ! 軽い! なんだこれ!? こ、これが地球外鉱物との複合材料…………今度ちゃんと調べなくちゃ」

「調べても出てこないぞ。ここだけの技術だからな」

 言って優星は人差し指で自分のこめかみを突く。

「それにこれなら空も羽織れるだろうから、行けなくもないとは思うけど……」

 優星はこーすけの両手からコートを引き剥がして肩をすくめる。

「ふむ。ではもう一度尋ねるが深谷さん。君は本当に暗地へ行きたいと?」

「はい」

 相変わらず私の考えは変わらない。むしろコートの件でより一層強まった気がするし、市長も諦めたというか、どうしてもと言うならといった感じだ。

 市長は私の目を凝視した。彼は私の心の事情を知らない。だから私の発言は、私の感情的な意思のもとだろうと思っているだろう。

「そうか。その意志があるのならば理由は聞かないでおこう。私としては止めなければならないところだが、万全を期したうえであれば――許可しなくもない」

 市長は複雑な表情をしながらも許可をにおわせた。

「……正直、私は若者がこういう行動をいつか起こすだろうとは予想していた。だがそれは〝地上を知らない者達〟によるものだと思っていた。わかるね?」

「地上を知らない?」

「そうだ。地上を見てみたいと思う未知への明るい期待と、地上を再認したいという既知への淡い切望。後者である君達は、そこに明るい希望を持てるか否かと訊かれれば多くは否と答えるだろう。事実、我々は地下(ここ)に住んでいるのだから」

 市長が予想していたというのは私達よりもっとあとの世代、つまりこの地下都市で生まれた子供達の事だ。彼らはいつも話に聞く地上という素晴らしい世界をこの目で見てみたいといつか行動を起こす。そこが今、いかに破壊され荒廃してようとも、まずは行って見てみたい、と。

 一方で私達のような地上で生きていた人達は、この目で一度終わってしまった世界を見ているのだから、もう一度見に行こうなどということは考えない。考えるとすれば、それはいつの間にか地上は元の美しい世界に立ち直っているのではないか、という淡い期待を抱くことくらい。探索隊が現実を見てきて証言したからこそ、私達のような人達が期待を抱いて行動を起こすということはないだろうということだ。

「さぁどうだか。俺はこの目で見ないと納得できないって部分もあるしな」

 優星が人差し指で目の下をとんとんと叩くと、こーすけも僕もですと同意する。どうも彼は彼で暗地へ出るということについては興味のほうが勝っているらしい。危険だからと止められるよりかはましだから、これはこれでいいことではあるけれど。

「言ってはアレですが、僕は見ず知らずの探索隊の証言だけじゃ信じられないってこともありますし……。やっぱり自分か、あるいは知っている人の目で見ないとなんとも言えませんからね」

「ほう、それを優秀と言うのだよ桐山君。論文や名のある権威の言葉だけを鵜呑みにしてなるほどそうかと幼稚な理解をし、知ったふうに気取った顔をする輩よりかは君達は数百倍も優秀だ。本当に起こりうるものなのか、決して起こりえない事なのか。あらゆる事象はその目に焼き付けなければまるで意味がない。結局、それまでは〝ただの御伽噺(おとぎばなし)に過ぎない〟のだよ」

 市長のその言葉に私は複雑な思考を余儀なくされた。

 そう――――私の見る夢は、〝まだ〟おとぎ話。この目で見るまでは決して起こりうるようなものではない。だからこの目で見なければそれは起こりえない。目を背け続ければそれは起こりえないということになる。

 ……でもたとえ目を背け続けていても、あれはいつしかやってくるだろう。無理やり私の目に焼き付けようとやってくるだろう。だからやっぱりどうにかしてなにかヒントを見つけて、この目で見なくて済むようにしなくちゃいけない。

 ふと優星が市長に気付かれないように視線を私に向けてくる。それに同じ静けさをもってして私は小さく頷いた。きっと彼も私と同じことを考えたうえでの確認だろう。

「よし、それじゃもう一着作らなきゃな。今度はより洗練したデータを作れるし」

 市長は優星のつくったプログラムらしきものにざっと目を通しながら頷いた。

「そのようだな。――それと今のプロビタスの割合だと雨に対する安全率が高すぎるくらいだ。もちろんそれは良い事だが、もう五パーセントほど含有率を削って伸びを増やした方が緊急時に覆える面積が増えるだろう。一応最後に私もチェックしよう」

「……さすが。そうしてみるよ。残り物で試験片でも作って引張試験でもしてみるよ」

 優星と難しい会話を交わす市長からは、いつの間にか険しい表情が消えていた。なんというか、表情からするに〝楽しそう〟だ。

「それがいい。……さて、私も今回は楽しみにしているよ。君達がどんな発見をしてくるのかがね。それで優星、いつ出発の予定だ?」

「んー…………可能なら、明日っ!」

 優星のまさかの発言に一瞬だけ時が止まった。そしてすぐに市長の短い溜息で時は再開された。

「急だが問題は、無い。用意するものといえばもう既に用意されているようなものだ。その他の説明諸々はまた夜に優星、私から連絡する。すまないが私は一旦これにて失礼する」

 絶対に無理と言われるだろうと誰もが思っていた。けれど市長の口からはそんな言葉は出なかった。

「そ、そんな優星さん明日だなんて! 急すぎません?」

 代わりにこーすけがそう言った。

「〝アレ〟はいつ訪れる?」

 優星は即座にそれだけ言った。

「……ええ、明日がいいですね、はい」

 頭の回転が速いこーすけはすぐさま優星の言葉の意味を理解した。いつ訪れるか、それは今日これからかもしれないし、明日かもしれない。ならば準備が整い次第、可能な限り早いほうがいいというわけだ。

「……それでは失礼する。君達とはいずれゆっくり話でもしたいものだ」

 市長は今の会話に特に追及することなく、腕時計をちらりと見ながら急ぎ足で、大人にはかなり狭い秘密の出入り口へ潜り込む。


 ――――ゴッ。


 そんな音の瞬間、その場にいた誰もが顔をしかめたのは言うまでもない。

 私以外は。

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