04 友里
午前六時。
華胡は目を覚まし、目を擦りながら洗面所へ向かった。
いつものように顔を洗い、いつものように歯ブラシを手に取る。
いつものように、歯ブラシを加え、リビングへ戻る。
そして、いつものようにテレビを付けた。
《今日の天気は大雨となるでしょう。お出掛けの際は傘を忘れず、暖かい格好をして出掛けましょうーー。》
「あへ? あめ……」
華胡は歯を磨きながら膝を曲げ、足の裏と裏をくっつけストレッチをしていた。
そして、天気予報を聞いて小首を傾げた。
昨日は晴天だと言っていたのにーー。
午前七時。
華胡は身支度を済ませ、玄関の鍵を閉めた。
傘を手に持ち、アパートの階段を降りる。
10分ほどでバス停に着き、バスに乗った。
「あっ! 友里!」
「おはよー」
友里は中学校の終わりにこの町へやってきた。
もう卒業まで五ヶ月を切っており、友里はまあ、いいかと一人でいることが多かった。
転校から十日後、自転車通学だった友里だが雨のため徒歩で帰っていた。
ものすごく急な坂は自転車の時は避けて通っていたが、徒歩の今日は少し近道だからといつもとは違う道で坂道を上っていた。
「友里ちゃん?」
いつもは誰も下校に使わない坂を転校生が歩いている。
珍しいなと、華胡は声を掛けた。
「やっぱり友里ちゃんだ。 いつもこの道から帰ってるの?」
華胡は人見知りをしないタイプだった。
その一方、人見知りの激しい友里は小さい声でうんと言うのが精一杯だった。
だが、それからも時々坂で華胡が声を掛けることが多くなり、二人は少しずつ仲良くなっていった。
華胡の趣味の話や友里の前の学校の話、二人の好きな男性のタイプの話。
学校でも一緒に過ごすことが増え、華胡の友達である沙耶香と三人で移動教室に行ったり、お昼ご覧を食べた。
それから卒業を迎え、沙耶香は県外の高校に入学した。
友里は華胡と同じ高校に進み、同じ大学へ。
いつしか二人は親友と呼べる中へと成長していた。
「友里なんでここにー?」
友里は大学の三つ前の駅が最寄りのアパートに独り暮らしをしていた。
華胡はバスで駅まで行き、大学の十二個前の駅から電車に乗る。
大学近くの友里がこのバスに乗っているのは明らかに不自然だった。




