待ち合せ
待ち合わせ場所で待ってくれている拓海君の姿を見た時、胸が少し痛くなった。
今日の話を聞く拓海君が心配だった。
「ごめんね。待たせてしまって……。」
「おう、お疲れ!」
「お腹空いたでしょ。先ずは腹ごしらえから、ね。」
「うん。腹減ったからなぁ~。」
「ほんとにゴメンね。」
「いいよ。それよりも腹が減っては……だ。」
「ねぇ、何食べたい?」
「居酒屋へ行こうぜ。飲みたい!し、食べたい!」
⦅……飲みたい……気付いて……拓海君は美里みたく鈍感じゃないものね。⦆
「OK! じゃあ、行こう。」
店に入って案内された席に座り、直ぐに私は拓海君に翔太君への結婚祝いを渡した。
「美里と相談してね。
お金が一番だってことになったのよ。」
「そうだな。一番だ。」
「少ないけど、『お幸せに!』って言葉も伝えて欲しいの。」
「おう! 伝えるよ。
……それにしても、好きだな。揚げ出し豆腐!」
「うん。大好き ♡ 」
「まぁ、旨いよな。」
「うん。美味しいよぉ~。」
「……美里……のこと、話に来たんじゃないのか?」
「……うん。」
「どうしてる?」
「元気だよ。」
「彼とは上手くいってるのか?」
「うん。……順調、順調過ぎるくらい順調。」
「過ぎるはないだろ。」
「過ぎるのよ。
…………あのね…………美里……結婚するの。」
「………そっか………結婚………そっか………。」
「まだ、正式には何も決まって無いんだけどね。
式の日取りとか……決まって無いんだけどね。
両家の顔合わせは決まったの。」
「……………………どんな奴? 知ってたら教えて。」
「…あのね、2歳年下の同じ会社の子でね。」
「子って……。」
「あぁ……年下だから、つい、ね。」
「ついって……。」
「……その……いいじゃん。別に!
第一ライバルなのに、拓海君って…もぉ……。」
「残念ながらライバルにもなれて無いよ。」
「そ…でしたね。」
「でっ?」
「最初は年下君の片想いだったんだ。」
「年下君って……。」
「あ………美里と居る時に『年下君』って呼んでるから…。
名前はね。」
「いいよ! 年下君で! 名前……今は知りたくない、かな…。」
「分かった。
じゃあ、年下君でっ。」
「うん。それで頼む。」
私は美里と年下君のことを…………年下君の恋の話をした。




