四十三日目
魔法道具の包丁で料理したら倒れた。
なんか、ヤバい魔法道具だったらしい。
夕方、目を覚ますと幼なじみ達とアルマさんが側に座っていた。
医務室には第三王子と第八王女が運んでくれたらしい。二人からあらかたのことは聞いていたらしく、アルマさんは色々と説明してくれた。
この包丁型の魔法道具、名前はレヴィアというらしい。
迷宮で発見される魔法道具の中には道具そのものが意思を持ち、所有者を選ぶものもあるらしく、今回のレヴィアもその一種なんだとか。
「ルーク君は、どうやらレヴィアに気に入られてしまったようですね」
可哀想なものを見るような目をしてアルマさんは言った。
なんでもこのレヴィアなる魔法道具、かなりの問題児で気に入った者がいれば、本人の意思に関係なく勝手に所有者と認め精神を縛りつけるらしい。
しかも極めて嫉妬深い性格のようで、自分以外の刃物を所有者が触れれば、例外なく刃物の類いは壊れてしまうのだとか。
あげく、この包丁で料理をしようとすれば、所有者の意図に関係なく「調理に関する以外の全ての時間を停止させる」魔法が発動してしまう。ちなみにこの魔法の対価となる魔力はもちろん所有者負担だ。
そのせいで俺は今日倒れてしまった。
きっと、第三王子も第八王女もさぞ驚いたことだろう。
いつものように料理を作り始めたら、いきなり料理が完成していきなり俺が倒れてしまったのだから。
驚いたのは幼なじみ達も同じようで、柄にもなく心配そうな様子で「大丈夫?」「もう動けそう?」「料理できそう?」「明日はお肉がいいんだけど……」と代わる代わる言ってきた。奴らが心配しているのは俺じゃなくて飯だったようだ。泣きそう。




