四十一日目
昨日はアリスの熱意に押されてなんとかホブゴブリンを美味くできないかあれこれ試行錯誤する羽目になった。
ゴブリンはホブゴブリンだろうが普通のゴブリンだろうが皮と骨ばかりでまともに肉なんてついていない。皮は焼こうが煮ようがゴムみたいでとても食べられたものではない。となれば骨で出汁をとるのはどうか。どう考えてもミノタウロスの方が美味い出汁をとれた。結局、骨を砕いて油で揚げたものが何とか食べられないこともない程度の味に落ち着いた。元々わりと脆い骨だったのが功を奏したけれど、きっとアルマさんならもっと上手くやるのだろう。
そんなことがありつつ、今日で迷宮探索二日目。
昨日と今日で大体の経緯は判明した。
案の定、やっぱりこいつらが全部悪い。
なんか、最近俺が王族様方とばかり遊んでいてズルいからそれぞれの師に申し出て合同の訓練として迷宮探索をすることにしたらしい。
この時点ですでにふざけんなこいつらって感じだけど、それすら吹き飛ぶのが連れてこられた迷宮がその手のことに疎い俺ですら知っているこの辺りでは最悪の攻略難易度を誇る迷宮だったこと。
明らかに初心者向けのそれでないことは察していたけれど、それにしたってこれは酷い。この迷宮探索にGoサインを出したこいつらの師匠も酷い。
高難易度に指定されるような迷宮は大概いくつかの層に別れている。迷宮の入り口がある一層から下っていけば行くほどに迷宮はその難度を上げる。そして、迷宮の中には迷宮自身が意思を持っているかのように侵入者を始末しようとするものもある。
今回の迷宮はその類のものだった。第二層は第一層と違って地図が売られていない。厳密には地図が意味を為さない。
なぜなら、第二層からこの迷宮は一定時間ごとに形を変えるからだ。ただでさえ迷路のようにいりくんだ地形をした迷宮でそんなことになればまず間違いなく迷う。しかも、この極悪な迷路で精神、体力を消耗した状態で第一層よりも強くなった迷宮生物達に挟み撃ちにされることもある。これがこの迷宮が三層で構成されているにも関わらず他の十層あるような迷宮と同程度の難易度とされる理由。
では、そんな凶悪な迷宮の第二層、一体幼なじみ達はいかにして突破したのか。
とても、簡単なことだ。
迷ってキレて迷宮生物と壁ごと全てを凪払って壁が再生する前に第三層へと繋がる階段を見つけた。
昨日から思ってたんだけどさ、ミノタウロスって一体で小さな村程度なら落とせるくらいに強い奴なのに、なんでこいつらゴブリン倒すくらい気軽に倒してるの?
あと、必死に迷路組み替えてる迷宮さんの気持ちにもなってあげて?




