こうして物語は始まった
金儲け系VRゲーム物というジャンルを作ります
稚拙ですがどうか温かい目でお読み下さい………
高校来の友達からの「ゲーム再開しないか?」の一言から希悠の人生は狂った。どちらかというと良いタイミングだったからと言うのが実際で人生が狂うほどでもない。要因はその他のことにあった。
暁月 希悠31歳。ファンドのトップはっていた。ファンドを抜けて暇になっていたところ、高校の時からの友達にゲームを誘われた。金持ちニートになっていた希悠にとっては渡りに船であった。
没入型VRMMO RPGがあったら良いのにな、と言う願望を元々持っていた希悠はその誘いにすぐにのった。誘いといっても、ニュアンスとしては「ゲーム内で遊ぼうぜ」という感じで、「ゲーム機あげるから一緒にやろう」と言うか感じではない。
この没入型と言う技術は、軍の兵器として作られた。シュミレーションやら訓練やらのためだと言われているが本当のところは分からない。
日本は、これを輸入した側だ。医療現場や企業の会議などに使われるのが先でゲームにこの技術が使われるようになったのはごく最近。更に、純日本製は初めてだった。
世界的に見ると、50本ほど没入型VRゲームが存在している。ただ、12年間でだ。没入型は初期の開発費用が他のゲームの100倍程度かかり、更に人々が求めるクオリティに技術がついて行かず、制作するだけ大損という感じなのだ。
だから、日本の企業は製作に対し、消極的だった。
10,000台限定で販売。一台20万円と言う高額なのに倍率が200倍。それも受付が終了していて、配達の段階だと言う。知るのが遅すぎた。200倍と言うのは一重に日本の好景気が影響している。日本国民が金持ちになっているのだ。没入型と言う期待度が低くなりやすい形態のゲーム機に20万円を軽く払えるくらいには。
この20万円なる金額はハード代が殆どだ。ゲームをプレイするためにはネット使用料とか言って月学で払わなければならない。月5000円。年間一括払いで50,000円。
今から買いに動いても、転売価格でしか買えないレベルだ。出来るだけ新品を手に入れたい希悠はここ一年で一番悩み、現実逃避に走った。
一切の無駄もなく手に取るはスマホ、そしてパッパッと株価をチェックしてゆく。
最早、サガだ。15年以上スマホ片手にどこでも売った買ったをしているのだから。今見てるスマホは投資専用の物。関係のないデータは日常スマホに入れてある。
その時、連合開発から一般のメールが届いた。連合開発とは今話題のゲームを開発した企業群全体を指している単語だ。
内容は、コネクトポートハイモデルに基づき住所などを入力してください、とのこと。
コネクトポートとは話題のゲーム専用ハードのことだ。ハイモデルは量産体制が整ったことを記念して採算度外視、値段度外視で作った超ハイスペック機の事である。大株主にハイモデルの半分が分配され、もう半分はオークションで売りに出された。ハイモデルには元々ゲームがインストールされている。希悠はコネクトポートの名前すら知らない。
そんなメールから3日後、大きな荷物がマンションの一室に運び込まれた。希悠の部屋だ。ハイモデルはベッドのような感じで、寝心地は抜群。縦横、人間一人分くらいの面積を取り、高さは部屋の天井ギリギリ。ばらけた状態で職員達が部屋まで運び部屋で組み立てる形らしい。正方形の透明なカプセルになっており、中に、スピーカーやマイク、AIがついており声によってログインなどが出来る。
外のオンライン家具にも繋がり、エアコン、風呂、部屋の鍵や、カーテン、クローゼットなどありとあらゆるものがポート内から動かせる様だ。ポートとスマホを連携させることで電話などを仮想空間で行える。ほぼ対面する感覚で会話ができる機能も付いている。
後日、希悠はコネクトポートが家にあることに気づき、ゲームが出来るとはしゃぎつつ、ほぼノンストップで1ヶ月ゲームが出来るように物を買い漁った。
今日は正式サービス開始日、ゲーム勧めてきた友達がやっている生配信を見つつ、1ヶ月分の食料オーケー、冷蔵庫オーケー、電子レンジオーケー、エアコンオーケー。
このゲームは所謂、王道。初期に種族と5つのスキルを選んで取得することが出来きる。ゲーム内課金は実装されてないとのこと。
希悠はやるからにはトップに立ちたいという願望を人並みには持っている。また、スタートダッシュの重要性も知っている。故にと言えるかどうかはわからないが、自分にプレイヤーズスキル(以後PS)が無いのも分かっている。
だが、友達、それも下に見ているやつに負けるのは相当嫌なのだろう。彼の人生で2番目くらいに真剣な表情をして考えている。希悠はこう考えた。
このゲームにはマーケットと言う、システムがあるらしい。NPC、PC問わず、出品できるってというシステムだ。見たところ出品者が値段も設定できるみたいだ。
コイツを用いて、金を荒稼ぎする。金稼ぎは得意分野だ。基本、生産で特に、調合とか調薬とかそんな感じのスキルを最初に取ろう。と、
これらのゲームで必需なのがポーションと呼ばれる回復アイテム。消耗品で買い足しが必須で継続的に利益が得られると考えたようだ。
ゲーム内ではリアルの1秒が4秒になる。体感時間を引き伸ばす新技術などと謳っている。更に、アバターに空腹度が設定されており、食べないと餓死する。
日本の企業がリアリティーを限界まで求めたゲームだ。
希悠はコネクトポートのベッドに寝転がり「ログイン」といった。
——————ようこそ、アルセの大地へ——————
——————キャラクターメイキングを開始します
——————種族、スキルの選択をしてください
——————ステータスの振り分けをしてください
——————名前を設定してください
——————その他あらゆる値を設定してください
一面真っ暗な空間に希悠はいた。情報過多なのでは?と疑いたくなるような数の窓が開いた。メニュー画面と言っても良いだろう。ここで対応している言語は20ヶ国語。
薬膳 苦心とプレイヤーネーム入力欄に希悠は入力した。ここにヤクゼン クシン君爆誕。
種族はエルフ。種族説明や危険告知などがあったが気づいているのか、気付いていないのかそれらを希悠 は無視した。DEXとINTに補正があるのはエルフだけである。スキルは『調合』『精霊の友』『幸運』『水魔法』『鑑定』精霊の友は浪漫、幸運は神社にお参りする感覚でえらんだのだろうか?その他は希悠の計画に不可欠であるため妥当である。
N 薬膳苦心 LV1
HP 0-100
MP 0+200
STR 0-5
VIT 0-5
DEX 0+10
AGI 0
INT 0+10
MND 0+5
RES 0-10
SP 200 (ステータスポイント)
HP MPはSP1につき10。その他は1=1だ。というわけでこんな感じ。
HP 150-100
MP 200+200
STR 15-5
VIT 15-5
DEX 40+10
AGI 30
INT 35+10
MND 15+5
RES 15-10
SP 0 (ステータスポイント)
その他のあらゆる数字はお任せがあったのでお任せにした。それじゃ、、終了。
—————これより、王都カールネへ転送します
—————それでは、お楽しみください
噴水前に転位された希悠。希ゆっ、おっと、ここでは苦心か。苦心の他にも沢山のプレイヤー達が噴水前に現れ、「おおー、すげっ」や「キレイー」など各々、感想を口に出していた。
苦心の最初の行動は情報収集だ。早歩きで町並みを見つつ、露店などに並べられている品を値段と共に記憶していく。町並みは煉瓦造りの家。中世の雰囲気がある。大通りには露店がひしめきあい、店主が声を張り上げてアピールしている。特徴的なのが、露店の物を買うのはみな、プレイヤーであるというところだ。このゲームの住人-NPC-は素通りしてゆく。行動パターンに露店で買い物をするや、品物を見るというものが組み込まれていないだけなのか。ここまで露骨なのはリアリティーを追求している運営にしてはおかしいことだ。何かに気付けと言っているようにも思えてくる。
苦心は地図を発見した。王都地図と書いてあり、主要施設などの場所が一眼でわかるようになっている。さっきいた噴水がこの地図の真ん中になっており、北が歓楽区、南が住宅区、東が産業区、西が商業区となっているようだ。苦心が主にいくのは産業区と商業区になるので無いだろうか。
歓楽区の主な施設がハローワークと特殊斡旋施設。住宅区は城と神社。産業区が職業訓練施設と下僕斡旋施設。商業区は、人並み商業会とアウトレット(マーケットの事だ)。
ネーミングセンスのかけらもない。施設の役割を一通り紹介していく。
ハローワーク
……一般的なゲームでいう冒険者ギルドの役割を持つ。職を与えてやるよ!!上前は取るがな。
特殊斡旋施設
……基本、魔法協会とかいわれている。金を払えば魔法を教えてくれる。何事も金だ。
城
……やんごとなき人々がのほほんと暮らす場所。魑魅魍魎。
神社
……欲カネとチカラに従順な宮掌が運営する。腐敗臭が……
職業訓練施設
……定職につくための場所。作業場としても使える。訓練を受けるには金がいる。
下僕斡旋施設
……職業訓練施設に行けず食べるものすらない者に、職人の下僕として派遣する事で自立を促す。金がないなら体で、だよな
人並み商業会
……ある一定以上この都で稼ぐ場合、入会が求められる。都では珍しい程ホワイトな場所。あらゆるサービスに値段が付けられている。
アウトレット
……通称、マーケット。運営は人並み商業会。手軽に出品、購入できる。出品者の設定値段5%を上乗せして売り、上乗せした部分を手数料として徴収する。知らぬうちに盗られる恐怖。
苦心は商業区に足を運んだ。途中プレイヤーから財布を抜き取る少年を見つけたので真似することにしたようだ。このゲームではリアリティーが重視されている。よって、警察、王都で言う衛兵は現代の警察のような技術はない。なので、盗られた本人が確固たる証拠を持って衛兵に依頼するか、衛兵の前で犯す以外で捕まることはそうそうない。特にスリなどの軽犯罪を問題と見る衛兵はいないのだ。
このような環境なので、後ろのズボンのポケットに入れるのは取ってくださいって言っているようなモノである。
警戒心のないプレイヤーは凄くスリやすい。苦心は何度もスリを行い、気付いた時には『スリ』スキルを覚えた。軽犯罪を犯しているうちに苦心は雑貨屋らしき店を見つけた。ヨボヨボの爺さんがカウンターに座っている。
苦心は店内をぐるりと見廻し、黄緑色の液体の入った瓶を手に取り鑑定を発動する。
初心者ポーション 品質C
HPを30回復し、※2/sのリジェネが20秒間続く。
LV10まで使用可能
※2/s=1秒毎にHP2回復
「ナニコレ強!」が苦心の感想であるが、それはエルフで体力に殆ど振っていない苦心だからである。隣に置いてある瓶にも苦心は鑑定を発動させる。
最下級ポーション 品質C
1/sのリジェネが30秒続く。味は最悪。
苦心に取ってはまぁまぁ回復する薬に感じたことだろう。ポーションの作り方を聞くべく、爺さんに話しかけた。
「あの、店主さん。初心者ポーションと最下級ポーションの作り方、教えて下さい。」
「ムリじゃ。ワシは作っとらんからの。」
「そ、それじゃぁ、これ作ってる人に合わせて下さい。」
爺さんはふむ、と言いつつ右手を前に出した。苦心はサッと初期の所持金10,000G全額を爺さんの手に乗せた。準備していたかのような速さであった。
「よかろう。紹介してやる。」
店主の爺さんは紙を取り出し何やら羽ペンで書き、苦心に手渡した。紹介状の様な物だろう。世の中、金とコネだ。
「この店をでて左手の裏路地に入って突き当たりを右、二本目を左に進むと副道にでる。副道の店、ルウイセルを訪ねるといい。それを持ってな。」
「ありがとうございます」
と、あたまを下げてから苦心は店を出る。ちょっと狭めの裏路地を爺さんが言った通りに歩いていくと副道にでた。何でこんなでかい道が何でわからなかったんだろうと苦心は考えたが、答えが出ないことを悟り、その思考を一旦棚上げした。凄い賑わいだ。大きな道は一本しかないと思っていた苦心に取っては以外でもあったのだろう。
何処とも繋がってない道。路地を通り抜けた所に突如として現れる大きく開けた通り。だが、左奥の店と右奥が店見える様に、どことも繋がっておらず、ここの通りに出るためには必ず裏路地を通る必要があるのだろう。そして、ここにいるのはこの世界の住民、NPCだ。人々は裏路地からこの広い副道に入ってきて裏路地からかえる。
短いからすぐ見つかるだろうと苦心が通りを人の間をすり抜けるように歩いているとスキル屋と言う気になる店を見つけた。それ以外にも魔武具専門店など通りにはなかった店が所狭しと並んでいる。苦心はスキル屋に足を向けた。
中に入ると所狭しと宝石が並べられている。廃棄宝石箱なる箱があり、彼はその箱を一心不乱に漁り始めた。一律5,000Gと書いてある。この店の商品価格が高すぎ、手持ちじゃ満足に変えないと判断したためだろう。苦心は手に取った宝石を片っ端から鑑定していく。こーゆー所に掘り出し物があるのはセオリーだろう。
力を失ったルビー
スキルが定着せず何にも使えなくなった物。宝石としての価値も殆どない。
殆どが力を失った系だ。
スキル宝玉
『改竄』のスキルが封印されている
これは買うようだ。『スリ』という名のスキルが生えてしまった苦心にとって入手しておかなければならないモノだろう。宝探しみたいで面白くなってきた苦心は続行した。
精霊宝石
スキルの封印に巻き込まれた精霊が封印されている。力は削がれていないが、封印の強度が高く、精霊単独では出られない様だ。
精霊宝石(残)
精霊が封印されていた宝石。魔力が残っていて、下手な魔石よりよっぽどいい。希少価値がある。
スキル宝石
『予想』のスキルが封入されている。
30分ほど鑑定し続け、これらの物を買うことにしたようだ。
苦心がルウイセルに行くのを忘れていたとう事実に気がついたのは宝石を買った後であった。
評価、ブクマよろしくお願いします。
おかしいと思ったこと感想で教えてくださると助かります。
もう、1話よんで!!
【修正】
携帯→形態
パート→ポート
進めてきた→勧めてきた
あるのエルフ→あるのはエルフ