11/15
つぶて
桜が散ったころに
長い髪を束ねて
初恋のようなまちを歩く
なつかしい
花柄のワンピースを着て
くちずさむのは
売れないロックバンドのうた
さえないことがあっても
たとえさびしくても
ときは平等に過ぎていったのですよ
浮かれて いまも
宙へほら 跳ねるように
この春は まだ
来て見よ うつくしいのだ
絹のようになめらかな
陽射しをさえぎるものはなく
その輝きがそこここで
夢を描き出す!
桜が散ったころの
幸福な生命のつぶては
このわたしであるとおもう
花柄のワンピースは
まだ色あせないで
過去といまを
やさしくつむぎよせている




