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Exhaust  作者: あると
Chapter.2 ファーストステップ編
22/24

2-7 ロータリーマンズ

あるとです。

ガチで早めに描ききらないと、

自分が考えてる先のストーリーを

書くのがすごく後になりそうです。

急がねば……。

片桐のアコードはスピンし、路肩にて停止した。片桐はすぐにその場を離れ、赤田たちのいる環状線高架下のギャラリースペースに向かった。そこで赤田は、腕を組んで片桐の事を待っていた。片桐は車から降り、すぐに赤田に謝罪した。「……ごめんなさい、社長。俺のアコードをもっと速くしてもらったのに、こんなあっさり……スピンしたのは自分のミスです。」赤田は腕を組んだまま片桐を見つめ、

少しの沈黙した後に口を開いた。「そう……残念。」「俺……俺、このチームから切られても構いません。SKの看板に泥塗ったんですから……。だから──」片桐が唇を震わせて自分を嘆いていると、赤田はそっと片桐を抱きしめる。「でも、君の走りはかっこよかったよ。ホラ、次の機会で勝てばいい。最低でもあの”ヘタレ”よかマシだから……。」赤田はそう片桐を慰めながら、村井(ヘタレ)を思い出した。

(あー、なんかこの感覚好き……。お母さんてこんな感じだったのかな……?)赤田はそのまま感じた母性に浸ろうとする。「あー、ユーさん?……赤田"社長"?」が、五十嵐の言葉に目を覚ます。「ん……急に社長呼びしてどうしたのよ?壮也もこうしたい?」「ユーさんが違う世界に言っちゃったから目を覚まさせたんだよ。それに、自分の上司にオギャるつもりは断じて無い。言わせないでよ恥ずかしい。」

片桐は赤田の腕で体を締め付けられる。「い、痛い痛い……。」赤田は片桐を離す。「チェッ、もうちょっとこのままが良かったんだけどな……で、壮也は何が言いたいんだっけ?」「……バトルのこと。オレのFDのパワーは450馬力程度。この状態で戦っても、きっと負ける。だからチューニングを頼みたい。」赤田は自分から走ろうとしてくれたことに嬉しさを感じるが、五十嵐の提案に頭をかいた。

「うーん……ロータリーのチューニングかぁ……私得意じゃないんだよね。」「知ってる。だから、高市さんに頼んでいいか?ってこと。」五十嵐の発言に、赤田は首をかしげる。「なんでゴローさんなの?あの人はレシプロじゃなかったっけ?」「耳に挟んだんだけど、高市さんは昔ロータリー車で首都高を走ってたんだってさ。」赤田は目を見開く。「えッ!?……それほんと?」

「耳に挟んだだけ。確かめるためにFD持ってってみようと思うんだけど……今の時間やってるかな?」五十嵐が腕時計をみようとした瞬間だった。「今日は店閉めてるぜ。」たまたま3人とすれ違った高市が、首を突っ込んで現れた。「うわッ!?幽霊!?」「誰がだ。……ロータリーならやってるぜ。というか、俺昔ロータリーしかいじってかなった時あったほどだ。だから、腕に自信はあるぜ。」

高市の告白に赤田は驚く。「そんなに自信があるんだゴローさん。というか、なんでここに?」「悠人がウッキウキ出バトルに出てったんで、ちょっと気になってな。……で、五十嵐だっけか?そこのFD、開けてくれよ。軽く中身だけ見せてもらおうか。」五十嵐は少し緊張しながらFDのボンネットを開けた。そこに現れたのは、赤田が手を入れたままの、450馬力仕様のロータリーエンジン。

高市は目を細め、指先でエンジンを軽く触れながら確認していく。「ほぉ〜、これでか。450馬力もホントに出るのかよ?燃調も排気も、まるきり合ってない。これじゃ、トルクもあまり稼げないだろ?」「そうですね……確かに少ないかもです。」高市は隅々までエンジンをチェックし、パーツの不具合や違和感を確認する。「……フン。確かにこれじゃ悠人に勝てっこねぇ。

オレの作った2000GTは倒せねぇ……もっと言えば、よくこんなんで走れるなってくらいだ。」「うっ……。」高市の鋭い指摘が赤田の胸に刺さる。「だが、ちゃんと適正にチューニングしたら速くなるぜ。オレのガレージ開けてやるから、もってこい!」五十嵐は明るく答える。「……はい!」「あ、ユーミ。金は要らねぇぜ。」赤田が財布の中身を見ているところを見て、高市は赤田を止める。

「え?なんでですか?」「ロータリーはオレの十八番(オハコ)だ。楽しいひと時に金なんて必要ねぇ。それで十分だ。」高市はとても嬉しそうに理由を言った。「子供みたい……本当に頼みますからね?」

「負けたオレが言えることじゃないかもですけど、頼みますよ五十嵐先輩。必ず勝ってください。」五十嵐は高市とともにFDに乗る。「任せてよ!必ず勝つから!」五十嵐のFDは、ギャラリースペースから搬出される。その音に気づいた五十嵐のファンは、横に知らないオッサンを乗せていることに驚きながらも、五十嵐を見送った。

「……元気ねぇ。やっぱ壮也を看板に立てたのは正解だったかもね。イケメンっていいわぁ……。」「ですね。正直、先輩は顔がムカつくほど整ってるんで、あの人が看板としてパーツ売ってくれたら即売れますもんね。」2人はそう呟きながら、また2人を見送った。




大通り。五十嵐はHIGH-CITYに向かうため、車を走らせていた。「そうだ。目に見えてわかった物だけでの改善点をここに書く。それが今回のチューニングメニューになる。わかったな?」「もちろん!"ロータリーの巨匠"と言われた高市さんなら、きっと速いマシンを作れると思います!」五十嵐の発言に高市の眉がピクリと動く。「巨匠なんていつの話だ……調べたのか?俺を?」

「えぇ。耳に挟んでから少し気になったので。まさか、あの伝説がフィクションじゃなかったんだって分かったときは、俺ビックリしましたよ。"ARTS創設者"、高市吾郎。かっこいいじゃないですか?赤田さんにも教えようかな……。」高市は五十嵐の想像に首を振った。「その必要はない。その事はもう俺から話してる。」「チェッ……ユーさんもう知ってんのか。」

そうこう話しているうちに、2人はHIGH-CITYに到着する。「あれ、お前ここ来たことあったっけか?」「一度だけ。桜井くんの2000GTが完成した時に一緒に。」2人は車から降り、高市はガレージのシャッターをゆっくりと上げる。「今回のチューニングメニューを言っておこうか。」「あ、お願いします。」高市は工具箱から様々な工具を取り出しながら、説明を始める。

「まずは外観からだ。モノが変わったって事実が一番目に見えてと分かるのは、やっぱりエアロだろ。」「確かに、そろそろエアロパーツ変えようと思ってたんですよ。」ガレージの中央にFDが置かれると、高市はエアロの表面をじっくりと見始める。「今ついてるのはBORDERのフルエアロ、ボンネットはスクープ付きカーボン、リアはGTウイングだな。ってかお前、これ外観重視で選んだろ。」

「アハハ……このエアロ、初めて見た時にグッときてつい……。」高市はため息をつきながらも、説明を続ける。「ハァ……まぁ、とにかく。コイツには、オレがFD買った時用として取っておいた物がある。『マツダスピード GT-CONCEPT』のフルエアロを、こいつに付け替える。こーゆーのはやっぱり自社生産のワークスパーツだろ。これがお前の好みだといいが。」

「コレ、俺大好きですよ。前から欲しか……って、なんで欲しいのがあるんですか?都合が良すぎて、ホント怖くなってきた……。」高市はニヤリと笑って肩をすくめた。「フッ、怖いか?まあ、客の好みのパーツをリスト化することはよくあるが、コレに関してはたまたまだな。オレの好みで仕入れていたんだ。本来ならオレが使う予定だったものなんだからな?仕方なく付けるんだからな?」

「あー、はいはい。んで、これ以外は?」高市はまた倉庫から色々なパーツを取り出して、床に置く。「これで全部だな。C-WEST製GTウイングに、FEEDのカーボンボンネット。軽さと直線安定性を追求したものだ。それに、固定式ヘッドライトに、2ローター専用に作ったタコ足にECUやその他いろいろ。目指すは500馬力だ。」五十嵐は床に並べられたパーツを前に、思わず声を上げた。

「うわ……これ全部、俺のFDに入るんですか?完全に別モンになるじゃないですか!」高市はドヤ顔を崩さず、タバコに火をつける。「当たり前だ。”勝負車”ってのはな、見た目も中身も一新してナンボだ。特にお前の場合はSK-AutoTecって看板背負ってんだろ?派手で、なおかつ速くなきゃ意味がねぇ。」高市は五十嵐に歩み寄る。「派手……確かに、目立つのは嫌いじゃないですけど。」

「フン、(ツラ)はいいんだから、ちゃんとそれに見合う顔にしてやらねぇとな。ついでにお前も、世界一FDが似合う男にしてやる。まずはこの外装系全部外すぞ。ホラ、手ぇ貸せ。」

FD3Sは僕が好きな車の一つです。

ロータリーエンジン、いいエンジンですけど、

その分やっぱり燃費が……と思ってしまいます。

でもそれを関係ないと言い、大切に乗る人は

カッコいいと思います。以上、あばるとでした。

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