閑話 龍との出会いと見送り後
閑話です
ここは真っ白な空間。そこには3人の人が立っていた。3人は焦っている。
「このままでは『ガリュール・メイニー』が滅んでしまうじゃろう。」
一人の老人が言った。見た目は白髪に長く白い髭をたくわえている。
白いローブ姿をしており、長い杖を持っている。名は『セウザ』という。
「あぁ。あと20年ほどで邪神が復活してしまうだろう。」
1人の青年がいった。金髪で金色の眼をしている。顔は整っており、3人の中で最も身長が高い。
体も引き締まっており、金の鎧を着て、腰に2つの剣を下げている。名は『レラズ』という。
「こうなったら、もう一度『神の紋章』の適格者を探すしかないわね。」
1人の女性が言った。黒髪で赤色の眼をしている。とても美しい顔立ちである。
黒いドレスを着ており、見え隠れする肌はきめ細やかな絹のようだ。名を『テイナ』という。
3人とも『ガリュール・メイニー』の神である。
3人は探した。適格者を。しかし、『ガリュール・メイニー』にはいなかった。
これから先、生まれることがないこともわかってしまった。
「どうすればいいんだ。」
「もう他の星、世界に尋ねてみるしかないようじゃな。」
「それしかないようね」
3人は『ガリュール・メイニー』の他の神にも頼み込み、あらゆる世界の神を尋ねた。すると、
「それならば、私らの星にその力に適合する可能性を秘めた者がいるぞ。」
「本当か!ナギ殿!」
レラザが『ナギ』と言った男は地球の神である。黒髪に黒の眼でレラザに負けず劣らず顔が整っている。
服装は武士のようないでたちで、腰には1本の刀があった。
「あの子が生まれたときはほんとに驚いたわ。」
「神すらも驚く程の力があるんだな。ミナ殿。」
レラズが『ミナ』と言った女性も地球の神である。黒髪黒眼で大人の美というのだろうか。とても妖艶である。美しく飾られた着物を着ている。
「あぁ。名はたしか・・竜木 龍と言ったかな。」
「一度見に行ってみたらいいわ。」
「ありがとう!早速報告して見に行ってみるよ。」
レラザはすぐにセウザたちに報告をし、3人で龍を見に行くことにした。
神は完全には世界に関与することはできないため、3人は浮かんでいる状態だ。
「たしかこの近くだったような・・・。ん?」
「なんじゃ!?このものすごい力は!」
「大きさだけじゃない。なんて強い魂なの!」
そこにはちょうど学校から帰ってきていた龍がいた。
「ん?誰かそこにいるのか?」
龍は空を見上げながら言った。
「なに!?わしらのことを感ずいたのか!?」
「いや、そんなはずはないわ。」
ちなみに、龍は霊感体質である。見ることはできなかったが・・。魂の強さのせいで様々な幽霊を引き寄せてしまうのだ。だが、幸か不幸かその魂の強さの所為で憑りつかれることはなかった。
「誰もいるわけないわな。」
と龍は言って家の中に入っていった。
「多分当てずっぽうに言っただけだろ。」
「うむ。じゃが魂の力と大きさが神の5倍以上もある。あなどれん。」
「けれど、魂が強いだけで適格者かどうかはわからないわ。」
「そうだな。調べてみる必要があるな。」
そう言って龍が寝静まるまで待ち、魂を調べてみた。するとなんと、
全てに適性があった。
「なんじゃと!全てに適性があるではないか。」
「すごいわね。」
「ナギ殿に龍を連れて行ってもいいか聞いてくる!」
レラザはすぐに地球の神であるナギたちのところに向かった。
「龍にはすべての適性があったんだ!協力してもらってもかまわないか?」
レラザはナギに聞いた。ナギとミナは
「龍殿を連れて行っても構わないが、その家族等には、しっかりとした対処をしてやってくれよ。」
「龍君なら快く受けてくれるはずよ。」
と微笑みながら応えてくれた。
「ありがとう!これで『ガリュール・メイニー』は救われる!」
レラザはそのことをセウザたちに伝え、『神の紋章』を与える準備をした。
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今はもう龍を送り出した後である。
「よし。龍は無事行けそうじゃな。」
「龍を育ててもらうのは誰にするんだ?」
「それならあの子たちでいいんじゃない。」
「ほう。あの子たちか。いいかもしれんの。話してみるかの。」
セウザはそう言ったあと、呪文を唱えた。するとそこには、4人ずつ計8人の男女がいた。
「おや、セウザ様ではないか。どうしたのですか。」
と赤髪の男が言った。セウザは詳しく事情を説明した。
「私たちがその子を育てると・・・。いいですわよ。ねえ皆さん。」
緑の髪の女性が言った。するとその他の7人全員うなずいた。
「ありがたい。よろしく頼むぞ。」
とセウザがいい、魔法を解いた。
「あの子たちは快く受けてくれたぞ。」
「それはよかったわ。」
「あぁ。あいつらは龍のお願い通り最強だからな。」
「うむ。龍君に必要な物も送れたようじゃな。」
「それでは龍君を見守るとしましょうか。」
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