マーサ・インターside06
ーーコツコツコツ···
「遅かったじゃないか!マーサ・ウインター!!」
すでに明かりの消えた食堂には
ロシュが机に突っ伏し、1人でいた。
「こんな時間までお待たせしてしまい
申し訳ございません、ロシュ先生。」
「そ、そんなに待ってない!
ね、眠かったから寝てただけだし!!」
『嘘。
ロシュ先生は、眠ると必ずヨダレの跡が残る』
「で?契約はしたの??してないの???」
「······契約いたしました。」
「良かったじゃないか?!?!
わ、私も···か、肩の荷が降りたっ!!」
『嘘。
ロシュ先生は、嘘をつくと必ずどもる。』
「契約を結べば、家庭が持てなくなる事を
ロシュ先生はご存じだと聞きました。」
「ん···聞いてる。」
「出会ってからずっと···この瞬間まで
ロシュ先生をお慕いしておりました。」
「ん···知ってる。」
「ランド様には
この瞬間···想いを告げるまでの間は
契約を破る事を見逃していただけました。
私は···人を···誰かを愛すという事も···
ロシュ先生に教えていただきました···
愛していました···心より···」
マーサの頬に流れた熱い雫は
ロシュの袖で乱雑に拭い取られた。
ーーガバッ!!
「···惚れた女と一緒に
どこまででも落ちてやりたかったけど
やっぱり私には、む、無理だった!
不幸に喘ぐ姿を、指を咥えて
見ているだけなんて性にあわないっ!!
好きな女には幸せだったと死んで欲しい!!!
その時、そばに私がいれなくとも!!!!」
他人の温もりに慣れていないマーサには
ロシュの体温がやけにはっきりと感じられた。
「ロシュ先生への想いは断ち切ります。
しかし···今この時···
この瞬間の幸福感だけは、一生忘れません。」
〈力強い抱擁の贈り物を残し
その日を最後に、ロシュ先生は姿を消した。
生徒と教員の域を越えてしまったからなのか
私が契約を守れるようになのか
私の未来に安心して自由に飛び立ったのか
未だに何もわからない···けど
ロシュ先生とランド様が願ってくれた通り
今の私は、クロエ様のそばで
幸せを感じながら暮らせている。
《迷いの愛し子》の影響はあれど
湧き出る感情を殺してしまえば良いだけの話し。
そうやって育ってきたのだから造作もない。〉
···サ?マーサ??聞こえてる???」
『ーー!?!?』
「···クロエ様、申し訳ございません。
過去の事を深く思い出し過ぎました。」
「なんだ良かったぁ〜!
突然黙って微動だにしないから
気分が悪いのか、異変が起こっているのかと
びっくりしちゃったわ!」
『ランド様が仰っていた、過去の出来事が
主に癒されるってこういう気待ちなのね···』
「ご心配おかけし申し訳ございませんでした。
では、改めて私の知っている事をお話しいたします。」
マーサside終わりましたー!
ちなみの話ですが
先代は爵位継承後
ジェラート公爵領で
気楽に隠居生活してます!
今も生きてるかな?
あんまり考えてませんでした!
マーサ18歳、クロエ6歳の時話で
ロシュとランドは36歳くらいです!
たぶん!
ところでロシュは
どこに行ったんですかねー?
全然想像もつきませんねー?
突然仕事辞められるとか
ちょっと羨ましいですねー!




