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エピソード44

結局一行は、クロエとマーサが

ガイル帝国で必要となる物を買い足すついでに

この街を見て回る事にした。

温泉での湯遊びは魅力的だったが

今はそこまで楽しめる状況ではないからだ。


「クロエ嬢!マーサさん!

この靴はガイル帝国で人気があってね?

歩きやすいだけじゃなく、通気性もよく

土の上でも水の中でも履けるんだ!

とってもおすすめだよー!」


「まぁ!水の中でも?!

マーサお揃いで買いましょう?」


「ふっ、クロエ様

水の中をお歩きになるのですか?」


「だって私はもう平民よ?

これまでしてはいけなかった事も

たくさん経験してみたいもの♪」


「では、お揃いでいただきましょうか?」


「お姉さんたち綺麗だねー!

特別に半額におまけしとくよー?」


「あ···ありがとうございます。」


「あれ?お姉さんもしかして···

アース国の貴族のお嬢さんかい?

ふぁーっ!かったいかったい!カチコチだ!

この国じゃ平民も貴族も関係ないない!

なんだったら皇族も関係ないぐらい

俺たちは平等に生きてるんだから!」


『ひぃーっ!!私の隣に皇子がいるんですっ!』


恐る恐るハーツの顔色をうかがうが

全く気にしている様子もなく

むしろ、そうだそうだと相槌を打っている。


「あの···どうして私が

アース国の貴族だと思われたのですか?」


「ふははははっ!!

お姉さん面白い事聞くね?!

この国で、デスとかマスとか

言葉の後ろにくっつける人間はいないよ?」


『あぁ···なるほどっ!』


わかりましたよ!と、ハーツの顔を見れば

微妙な顔をしていたので、ちょっと違うらしい。


「あの、ハーツ様

ガイル帝国では丁寧語は使われないのですか?」


「いやいやいやっ!全然使うよ?

さっきの店主はさすがに極端に言い過ぎ!

ただ、アース国での丁寧語···敬語とは少し違って

丁寧に話しましょう、尊敬を持って話しましょう

そのぐらいの緩い敬語かな?」


「なるほど···

では、アース国で使うような敬語は

失礼にあたるのでしょうか?」


「···悲しまないでね?

悪意はないんだけど···たぶん大爆笑される。」


「えっ??」


「なんと表現したらよいのか···

アース国の言葉遣いは、こちらの人間には

芝居がかっているように感じてしまってね?

私もアース国ではよく笑いを堪えていたよ···

真面目な話になればなるほど

真剣な顔でガチガチの敬語を使うでしょ?

笑ってはいけないと思うと余計にね?」


「私···ガイル帝国に馴染めるでしょうか?」


「どちらの国も知っている私からすれば

ガイル帝国の一般的な話し方は

アース国の家族間での話し方に近いんだ。

クロエ嬢がアイルと話すような感じ!」


『ん??聞いた事が···』


「あっ!!そ、それって···

アイルに話すように話してって仰っていた?!」


「あ、そうそう!

私に対してもかなり硬い表現だったから

少し練習が必要かな?って思ってね!」


「私···てっきりアイルと同じ

いとこ同士だからって意味かと···」


「もちろんそれもあるよ?

でもアイルとの歴史があるのはわかっているし

それだけでそう言うほど図々しくないよ♪」


「べ、勉強になりました!」


クロエは急にどっと疲れた。

何気なく話しているハーツとの会話には

あちらこちらに別の意味が隠れており

後になってそういう事かと気づかされる。


『私が鈍感なのかしら?

もしかして···謎解きのような話し方も

ガイル帝国特有のものなの?!?!』


違う。強いて言うならばハーツ特有のものだ。

頭脳明晰がゆえ、今話しても理解されない事は

その時が来れば自然とわかるだろうと

ヒント程度の意味で話しているのだ。


「さて!2人の買い物も終わったし

この街で1番有名な店を予約しているから

そろそろ昼食をいただこうか?」


「はい!えっと···わかったわ?」


「ぷはっ!!

やめてクロエ嬢!不自然過ぎてお腹が痛いっ!」


『もうもうもうっ!!!』


クロエにはまだまだガイル帝国の話し方は

理解できそうになかった···

次は昼食からの

マーサ回想に入るかもしれません!

もしくは、昼食回の次にマーサsideか···

全然違ったらごめんなさい!

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