アイル・ジェラートside01
〈気がついたらよく一緒にいた。
柔らかい色のふわふわした髪も
草木のような温かさのある瞳も大好きで
この母娘に会える日を
いつからか指折り数えるようになっていた。〉
「アイル!
もうっ!いつまでも拗ねないの!
仕方ないでしょ?ソフィアは病気なんだから!」
『だって···前もそうだった!もう1つ前も!
クロエと約束した!
今度会った時にボクが描いたクロエの絵
見せるって約束した!』
「約束した」
「クロエちゃんと何か約束してたの?
でも···仕方ないじゃない?
アイルこの前怪我したでしょ?
それって怪我したくてコケたんじゃないでしょ?
ソフィアも同じで、病気なんてしたくないの。
クロエちゃんもお母さんが病気で辛いのよ?」
『ソフィアおば様が病気だとクロエ辛い?
ボク怪我した時痛かった···
ソフィアおば様も病気痛い?
でも···でも···会いたかった
クロエに会いたい
ボク···クロエに会えなくて辛い···』
「クロエ会いたい」
「はぁ···。
クロエちゃんに会いたいのはわかった!
でも、今日はダメ!ソフィアが疲れちゃうし
クロエちゃんもお母さんのそばにいたいと思うから。
わかった?」
「·········」
「もぉーーーっ!!!
ソフィアが元気になったらねっ!!
この話はおしまい!!!」
『クロエ···会いたい』
4歳になったばかり
しかも、常時超元気なことが取り柄のフレア家で
自身も家族も病気なく育っているアイルに
病気だから会えないは、意味が通じなかった。
アイルの母、フレア伯爵夫人ノエルは
元公爵令嬢で、ノエルの兄であるルイスが
現在ジェラート公爵家を継いでいる。
ルイスの妻がソフィア、娘がクロエ。
つまり、アイルにとってクロエは母方のいとこだ。
2人は物心つく前の前、
ノエルとソフィアのお腹の中にいる時からの仲。
さっぱり大雑把だが面倒見のいいノエルと
浮世離れした天真爛漫さを持つソフィアは
なぜか非常に馬が合った。
合わせたわけではなかったが
たまたまの巡り合わせで
結婚、妊娠、出産を同時期に迎えたため
その都度、女同士にしかわからない苦労を
2人で励まし支えあって乗り越えてきた。
クロエの2週間後、アイルは産まれ
母親たちは子育ての息抜きと相談
そして、子供たちにも自分たちのように
仲良くなって欲しいとの願いから
半月とあけず、どちらかの家に訪れていた。
結局、アイルがクロエに会えたのは
前回会えた日から2ヶ月も後だった。
『クロエクロエクロエクロエクロエ!!!!』
「クロエ!!」
「あ!アイルー!」
4歳とは思えないスピードで駆け寄ったアイルは
笑顔で迎えたクロエに力いっぱい抱きついた。
「わっ!アイルー!
ギュッてしすぎたらイタイー!」
『だって···やっとクロエに会えたから!
いっぱいギュッてしたい!』
「やっと会えた。」
「ごめんね?
う~ん···アイルがギュッてしたらイタイから
わたしがアイルをギュッてしてあげるね!
それでいい?」
『クロエがギュッてしてくれる?
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!』
「うん」
『この子···本当にクロエちゃん命ね···』
「ノエル!久しぶり!」
「ソフィア!貴女また痩せたんじゃない?
体調はどうなの?外に出て大丈夫?」
「ふふふっ、大丈夫!
風邪がなかなか治らなくて困っちゃったわ!
もう、元気!元気!だから安心してね?」
「無理はダメよ?
でも、どんな時でも気持ちが元気なのが
貴女の1番素敵なところ。
私、貴女のそういうところが大好きなのよ?」
「ふふっ、ありがとう!
私もとってもストレートな貴女たち兄妹が
大、大、だーい好き♪」
「まだ外は風が冷たいわ、部屋に入って近状を教えて?」
「はーい!
クロエ?アイル?部屋に入るわよー?」
「おかあさまー!アイルねちゃったー!」
「あらら···
クロエちゃんに会えるのが楽しみすぎて
昨日は全然寝れなかったみたいなの!
会えて安心したのかしら?」
「おかあさまーノエルおばさまー
アイルねながらわらってるー!」
「あら?本当、可愛いわね♪
夢の中でクロエと遊んでるんじゃない?」
「ほんとー?
わたしのゆめもアイルでてきてほしー!」
〈クロエたちと過ごす日々は
ただただ、陽だまりにいるような
優しさだけに包まれた幸せな空間だった。
幼心に、いつまでもこの日々は続くものだと思っていた。〉
アイル回ですが
最初はふんわりご紹介程度の内容です!
アイルの回想的な感じなので
会話多めになっちゃいそうです!
というかなりました!
読まなきゃ本編がわからなくなるとかは
全然ないので読み飛ばしても大丈夫です!
もちろん読んでいただけたら
めちゃめちゃ嬉しいです!




