<第3回 だから今年はヒジュラ暦の最強期間と西暦の最強期間が連続してやって来てるんだってばさ! 2015年11月13日>
最初に少しヒジュラ暦の補足説明ね。
まあ、なんでオイルマネーの連中がいまさらそんな太陰暦みたいなもん使ってるかっていうとだ。
季節がいっつも夏であるあの地域では、太陰暦でもなぁ~んの不便も無いからなんだよ。
唯一不便があるとすれば、彼らにとっては魔族であるも同然の欧米人やアジア人と取引するときにちょこっと不便なことぐらいかな。
でも、カネ払う方がエラいんだから、彼らの取引先の西欧人やアジア人は、みんなヒジュラカレンダー持ってると思うぞ。
もちろんオイラも持ってるけど。
それから月の動きをカレンダーにする太陰暦が便利なもうひとつの点。
それは彼らが砂漠の国に住んでるっていうこと。
砂漠の国って、雨が降らないんだから砂漠だろ。
だからいつも晴れてるんだよ。
だから夜空を見れば、そこにカレンダーがあるのだな。
どんな貧乏人でもカレンダー買わずに生きていけるのさ。
だから昔から、彼ら同士の支払いの約束とかって月を基準にしてたらしいんだ。
「それではお支払いは次の満月までということで……」とかね。
だから、新月、上弦の月、満月、下弦の月っていうのが一カ月の中での重要な区切りになってるんだ。
ん?
「そ、そんな原始的な……」だって?
あはははは。ナニ言ってんのさ。
為替の連中とかいまだに「五十日だから……」とか言ってるクセに。
昔、銀行決済とかタイヘンだったときに、支払いを五の付く日か十の倍数の日にしてた名残りでしょ。
キミタチの方がよっぽど原始的だってばさ。
そういえばちょっと脱線するけど、なんで為替の人たちってあんなに「一目均衡」がスキなの?
あんな古いもん。
今まで聞いたプロ機関投資家の為替野郎たちは全員、
「だってみんなが見てるから」って答えたんだけどさ。
最近だと、ネット証券の個別銘柄分析機能の中に、「今日の雲抜け銘柄一覧」とかまであるし。
それでは、一目均衡信奉者諸君に質問です。
「一目均衡の分析では、重要な要素のひとつに遅行スパンがありますが、なぜこの遅行スパンの日数が26日なのでしょうか?」
これさー。
為替野郎や株の一目均衡スキな連中の正解率って10パー無いんだよね。
笑っちゃうよね。
それではおこたえです。
一目仙人が一目均衡表を作った時代には、土曜日が営業日であったために、一カ月の営業日が約26日だったからでありまぁ~す!
あははははは。
オイラ、70歳になる相場の師匠に言われちゃったことあるよ。
「オマエラいくらなんでも古すぎる。せめて20日か21日を使え」って……
それではつぎのもんだいでぇ~す。
遅行スパンは雲を描く上で重要な役割を果たしますが、なぜ一カ月前の(つもりの)終値なんかを使うのでありましょうや?
このもんだいの正解率はもっと低いな。
1%無いんじゃないか?
プロ機関投資家の為替野郎でも全滅だったぞ。
それではおこたえです。
それは、
「一目仙人が一目均衡表を考え出した古には、彼の活躍していた株式市場では、法定手数料が売り買い往復で売買代金の4%以上もしていたから」
なのでありまぁ~す。
だからさ、日計りとかほとんどムリだったのよ。
利喰うためには平均で一カ月ぐらいは必要だったのさ。
だから「一カ月前の市場価格=一カ月前のみんなのポジションのコスト」が重要だったのであるのだよ。
プロの為替野郎に聞いてみました。
池上「キミ。平均でポジションどのぐらいの期間持ってる?」
プロ「さぁ。数えたこと無いけど、30分から1時間ぐらいかな」
池上「じゃあ最高に長く持った記録は?」
プロ「う~ん。12時間ぐらいかなあ」
池上「なんで12時間持ったの?」
プロ「あのときはぜんぜん相場が動いてなかったから」
池上「ねえねえ。平均で1時間しかポジ持たなくって、最高でも12時間しか持ったことの無いキミが、なんで26日も前の終値である遅行スパン見て取引してるの?」
プロ「そ、それは…… みんなが見てるから……」
池上「みんなが損すればキミも損していいの?」
プロ「相場なんていつも勝てるとは限んないんだから仕方ないじゃん」
思いましたよ……
プロってアフォ~ですわ。
実際にはですね。
プロって、イコール会社に属して他人のカネで運用している人たちのことを言うんです。
だから損したら必ず上司にイイワケしなきゃなんないんです。
だからヤラレたときに美しいイイワケの出来る戦略が好まれるんです。
だから、「みんなが見てるチャートの通り取引する」
コレこそが、社畜トレーダーにとってのベスト中のベストの取引なんですね。
だって損したときのイイワケがカンタンだから。
ですからタマに自称プロ機関投資家が、「一目均衡の雲を抜けたので買いです」とか言ってたら、(ああ……このひと一流の社畜だったんだ……)って思ってあげてくださいませ。
閑話休題です。
ヒジュラ暦の日付が変わるのは日没と同時です。
ヒジュラ暦の1437年1月1日は西暦では10月14日であるということはエクセルでわかりますが、日本時間何時に日付が変わるかまではわかりません。
そこで、「リヤド(サウジアラビアの首都) 日没」と入れてググってください。
そうすると西暦10月14日の日没は日本時間23:28だとスグにわかります。
だからなんですよ。
ワタクシメが、その日23:28まで待って、カウントダウンまでして……
そうして23:28ちょうどに成り行きで株買ったのは。
サウジアラビアの首都リヤドが新年を迎えた瞬間だったんです。
もちろんスグには上がりませんでした。
その夜はどきどきで寝られませんでした。
最初の数時間は少し評価損も出てたし。
話は変わりますが…… (実はそう言いながら変わっていない)
株式市場や為替市場では「分析」が賑やかです。
いつもみんななにやら分析してます。
そうしていろんな分析が巷に満ち溢れています。
その分析は大きく分けて二つしかありません。
それはファンダメンタルズ分析とチャート分析です。
コ難しい言い方をすれば、ファンダメンタルズ分析は演繹法です。
これこれ経済がこうなってるんだから、株式相場もこう動くに違い無い、と言った手法です。
かなりエラそうな分析ですね。
これを好むひとは、エコノミストとかアナリストとか呼ばれます。
自分の分析が大ハズレしても絶対に謝りません。
常にアメリカの中央銀行とか欧州危機のせいにします。
タマに追いつめられると、「間違っているのはワタクシの分析ではなく、マーケットの方です」とか口走ります。
もうひとつの分析手法は、チャート分析です。
やっぱりムズかしく言えば帰納法です。
これを好む人はチャーチストと呼ばれます。
チャートには、一目均衡だのギャンだのオシレーターだのっていう難しい名前をつけると好まれます。
中には「ヒンデンブルグ・オーメン」とかいうオソロシスな名前のものもあります。
まあ、ラノベ作家が魔王におっかない名前をつけようとして苦労するのに似ています。
チャーチストも、自分の分析が大ハズレしても絶対に謝りません。
常にダマシのせいにします。
実際にはこれら以外の分析はほとんどありません。
「月が満月だから」とかいうアストロジー分析もありますが、主流ではありません。
因みにアストロジー分析がタマに当たるのは、もちろんちょー莫大な資金で株を売り買いしているオイルマネーが、彼らの太陰暦に基づいて運用しているからです。
ですけどアストロジストさんたちは、本当に満月にはパワーがあって、新月にはパワーが落ちると思っていますので、オイルマネーの行動は理解していません。
その満月が、ヒジュラ暦で期末の満月なのか期初の満月なのかということは知りませんし興味も無いんです。
満月は満月であって、それが期初だろうと期末だろうと違いは無いと思っているからであります。
因みにですね。
ワタクシはアストロジストさんを見つけると、にこにこしながら必ず次の質問をします。
池「海の潮の満ち引きって、月の影響ですよね」
ア「もちろん!
月の影響とはあれほどの量の海水を動かすほど強いのであるっ!」
池「実はいつもフシギに思ってるんですけど……
満潮って月が上にあって、その引力の影響で海水が引っ張られて起きてるんですよね。
だったら、どうして日本で満潮の時って、地球の反対側のブラジルでも満潮になってるんですか?
日本で干潮のときはブラジルでも干潮だし……
もしよろしかったらなんでだか教えていただけませんでしょうか」
これ、ヒドいのになると、「そ、そうなの?」って言います。
中学校の理科すら理解してません。
「日本が満潮だと地球の反対側のブラジルも満潮である理由」
これをキチンと説明できるひとって3%もいませんね。
いつも月の影響を語りまくるアストロジストでもこんなもんですわ……
みんなインテリジェンス無いなぁ……
っていうことでですね。
アフォ~なアストロジストを除外すると、この世の市場分析には二通りしか無いんです。
ファンダメ分析とチャート分析です。
ですけど……
残念ながらというか、恐ろしいことにというか……
これら二種類の大分析手法には、決定的に欠けている要素があるんですよ。
ポッカリと抜け落ちている落とし穴が……
どちらの分析手法もまったくこれに気づいていません。
例え気づいていたとしても、既存の分析手法と相入れないために無視します。
そのポッカリと抜け落ちている大穴とは……
決定的に欠けている要素とは……
そうなんです。「日付」という概念なんです。
まあ、別の言い方をすれば、
「今、何月なの?」とか、
「次の決算まであと何カ月なの?」とか、
「期末なの? それとも期初なの?」
ということであります。
だって、機関投資家にとって最も大事なのは「決算」なんだもん。
機関投資家(別名社畜投資家)の友人が言ってました。
「今期よければすべてよしっ!」
「今期無ければ来期無しっ!」
って……
ああ、それから、今月末なのか月初なのかっていう概念も抜け落ちてます。
これは社畜投資家にとっては実に重大な要素です。
だって、会議で「今月中に株を○○億円買っておくこと」って決まったときの締め切りは、ふつー月末だもん。
月初か月末にしか開かれない月次運用検討会議とかもいっぱいあるもん。
考えてもみてくださいな。
今まで読んだエコノミストさんたちの経済レポートとやらで、「今は期末が近いですから」とか、「今は期初ですから」っていうお言葉って見た事ありますか?
ボクは無いです。
あるとすれば唯一、
「今は決算期末ですから、ボクの推奨は『様子見』です」
ぐらいかな。
「そろそろ中東で使われているヒジュラ暦では11月に入りますんで、彼らの決算の売りで世界の株は下がるでしょう。
でもその後、ヒジュラ暦で新年になるとまた買いに来ますので、安心して押し目を買いましょう」
っていうレポートは見たことが無いなぁ。
それから、いろんなチャートには一応下に日付がありますが、日足のチャートでもそれが月初なのかとか月末なのかとかはスグにはわかりません。
それに…… 日足のチャート見てて、
「NYダウは、11月9日から1月3日まで過去30年連続で上がってた」
って気づけるひとっているんですか?
ってゆーか、過去6年間の日経平均が8137円上がって来た期間のうち、
「ヒジュラ暦の期初である1月と2月には、7936円も上がってる」
「ヒジュラ暦の期末である6月と11月と12月には、4590円も下がってる」
って、チャート見てて気づけますか?
「みんなが見てる」チャートを見てても気づけなかったからこそ、なんとかストも、新聞記者も、9月末の日経平均1万7000円割れのときに、
「オイルマネーが株売ってますからもっと下がります」って書いたんですよね。
それが例年通りのオイルマネーの期末の売りのせいだとも知らずに……
さて……
それでは果たして本当に日付による相場分析は有効なのでしょうか?
誰も有効だと言ってませんから、他人の意見を自分の意見としてパクることしか出来ない方は、絶対に有効だとは言わないでしょう。
でも、少しは自分でモノを考えられる方は、これから考えてみましょう。
その考察の方法は、
「過去、最低でも5年ぐらいの期間、日付という要素のみで相場を見たときに、明らかに偶然では無いと思われるパーセンテージと幅で異常な値動きをしている期間が存在するか?」
というものしかありません。
だって、社会科学に「理論」なんかあるワケ無いんだもん。
因みにワタクシメが一目均衡を信用しない理由は(ついでに一目均衡を信じているひとを信用しない理由は)、この過去検証をしていないからであります。
「ドル円相場では、一目均衡分析が有効である。
なぜなら、過去3年間のドル円相場で勝率80%で、収益が+10円だからである」
って言うひと誰もいないんだもん。
せっかく雲を抜けたのに、すぐ大反落しちゃったときにも、
「あれはダマシだったから……」とかしか言わないんだもん。
みんなと一緒にダマされるならダマされてもいいのか?
さて、今までみなさんに、例題として三つの事象を提示させていただきました。
ひとつめは、
「西暦で11月9日から翌年1月3日まで、NYダウは30年連続で上がっている」
というトンデモなものでした。
二つ目は、
「過去6年間、全体で7401ドル上がっていた期間のNYダウは、そのうちヒジュラ暦での四半期初である、1月、4月、7月に8013ドル上がっていた。
半期末である6月、12月には、合計で2494ドル下がっていた」
という、今年は特にとほほなものでした。
三つ目は、
「過去6年間、全体で8137円上がっていた日経平均で、ヒジュラ暦で1月~5月をロング、6月~12月をショートしていたら、収益は+1万5296円だった」
というオッタマゲーなものでございましたね。
でもこれだけでは果たして本当に日付分析が(ワタクシはカッコつけて、シーズナリティー分析と呼んでおりますが)、有効なのかどうかは疑わしいですね。
もう少し証拠と言うか材料が欲しいです。
それでは少し材料をご提示させていただきますです。
今度はわかりやすく、日経平均指数ではなく、日経平均先物価格で計算してみましょう。
「ヒジュラ暦での毎月下旬10日間と月初の3日間は、日経平均は強いみたいです。
これは、石油の売却代金の払い込みが、(ヒジュラの)毎月20日前後から月末にかけてだからではないかと思われます。
それでは↑と同じ期間、すなわち西暦で2010年1月から今年の11月2日まで、日経平均先物を、毎月ヒジュラ22日から翌月の月初3日までロング、それ以外の日、つまり4日から21日までははショートにしていたとしたら、いくらぐらい儲かっていたでしょうか?」
これがいくら以上儲かっていたら、それ異常値だと思っていただけますか?
単なる偶然ではなくって、有意の現象だと……
ちょっと考えてみてやっていただけませんでしょうか……
ワタクシメのイメージですと、これ一年当たり10%ぐらい儲かってたら異常値だと思います。
そんなウマイ話有るわけ無ぇだろう! って思います。
つまりまあ、6年間で60%の利益です。
だいたい8000円ぐらいの儲けかな。
6年前の指数の元本の半分以上の儲けです。
それではお答えを申しあげましょう。
おこたえは…… +2万0120円であります。
わぁ~お!
少しギモンに思われた方もいらっしゃると思います。
「株は、(ヒジュラの)1月~5月は強くて6月~12月は弱い。
そして、(ヒジュラの)毎月の22日から翌月3日までは強く、それ以外は弱い」
だったらそれ組み合わせたらどうなのよ、って……
それではつぎのもんだいです。
「↑と同じ期間、日経平均先物を、
ヒジュラの1月~5月をただただ単純にロング。
6月~12月は、毎月の22日から翌月3日までをロングにして、それ以外の日はショートにしていたとしたら……
いったいいくら儲かっていたのでしょうか?」
これ…… おこたえは、+3万0960円でした……
うげげげげげげげげ……
客観的に考えて、これを偶然だっていうのってけっこう勇気要りますねえ。
一年あたりの収益5000円以上ですからねえ。
一応、内訳も書きましょうか。
過去6年間、日経平均先物が9340円上がってた期間で、
ヒジュラ1月から5月まで、ただただロングにしていたときの収益は+1万2090円です。
ヒジュラ6月から12月までのうち、毎月22日から翌月の3日までロングにしていたときの収益は、+8060円です。
そうして……
ヒジュラ6月から12月までのうち、毎月4日から21日までショートにしていたときの収益は、+1万0810円です。
げ~~~~。
ヒジュラ6月から12月までの毎月4日から21日までって、1万円以上も下がってたのかあー。
全体で9340円も上がってた期間なのにー。
それ以外の期間に2万0150円も上がってたのかー。
それからもうひとつ。
日本には、「国債先物市場」というものがあります。
個人投資家の参加はほとんど見られず、主に機関投資家さんが取引しています。
けっこうデカい市場です。
この日本国債先物市場、上場してから30年も経ってるんですけど(日経平均先物より古い)、この市場で、
「10月12日に買って、11月25日に売ると、過去29年間で28勝1敗」
っていうシーズナリティーがあるんです。
ね。これけっこうスゴいでしょ。
それからですね、もちろんアメリカにも「国債先物市場」ってあります。
ドイツにもあります。
イタリアにも国債先物市場はありますが、出来てからまだ間がありません。
ですけど国債の現物の市場はあります。
そうして、
「アメリカ10年国債先物を、7月28日に買って9月25日に売ると、過去21年で20勝1敗」
っていうシーズナリティーがあります。
「ドイツ10年国債先物を、7月3日に買って9月27日に売ると、過去21年で20勝1敗」
っていうシーズナリティーもあります。
「イタリア国債を、7月16日に買って9月30日に売ると、過去21年で20勝1敗」
っていうのもあります。
わー、やっぱり欧米の国債市場って連動して動いてるんだあ。
最強期間がほっとんどおんなじ期間だもんなあ。
それに比べて、なんか日本だけ最強期間が違うなあ。
なんだかスタート日が、欧米に比べてだいたい3カ月ぐらいズレてるぞぉ……
さあ、みなさんもうおわかりですよね。
日本と欧米で3カ月ズレているモノ。
それなナニか?
そう。もちろん決算期です。
日本は3月末決算ですけど、欧米は12月末決算ですもん。
つまりですね。
日本、アメリカ、ドイツ、イタリアの国債市場は、ともに、
「下期が始まってから、1カ月半~2ヶ月は異様に強い」
っていうダケのことだったんですわ。
きっと、下期に入ると各国の機関投資家さんが国債買いまくっているんでしょう。
どうですか? コレ偶然ですか?
偶然で過去21年で20勝できますか?
ワタクシメは、コレに気づいたときに、
「シーズナリティーは確実に存在する。それもかなりキョーレツに……」
って確信しました。
と同時にですね。
毎日毎日あーでもないこーでもないって、経済分析やチャート分析するのアホらしくなりました。
だって、ただ単に日付だけ見てるだけでこんなに↑勝ってるんだもん。
そうなんですよ。
世界に冠たるNYダウも日経平均も、それから各国の大国債市場も……
その値動きはかなり「とほほー」なものだったんです。
とほほー過ぎてナミダちょちょ切れます。
ああ、もちろん他にもたくさんありますよ。
実にいろんな市場で。
そうだなあ。いままで見つけた有意と思われるシーズナリティーって……
30コぐらいはあったかなあ。
まあ、それはそのうちおいおいとご紹介させていただきましょう。
因みにですね。
知り合いのアナリストさんやストラテジストさんに、こういう↑シーズナリティーを教えてあげたことがありマス。
そうして言ってみたんですよ。
池 「ねえねえ。この収益見て偶然だと思う?」
スト「…… いや。偶然じゃない。数学的に有り得ない」
池 「じゃあさ。キミもこういう分析してレポート書いてみたら。
僕の分析パクってもかまわないよ」
スト「…… ムリ ……」
池 「なんでムリなのぉ……
読んだ人みぃんな驚いてくれると思うんだけど」
スト「……………………」
池 「あーわかった。
なんか難しい言葉使った分析じゃあないからカッチョ悪いからでしょ」
スト「…… (小声で)うん ……」
池 「カッチョ悪いけど当たる分析より、当たらなくていいけど理知的でカッチョイイ分析の方がいいんだぁ」
スト「…… (さらに小声で)うん ……」
ああそうそう。
こういうシーズナリティーは、機関投資家さん、つまり社畜投資家さんの生態を如実に反映したものが多いです。
ですから、彼らがビビって縮こまってるときにはワークしないことが多いです。
例えば「ユーロ崩壊だぁ!」とか「リーマンショックだぁ!」
とかみなさんが楽しそうに騒いでるときですね。
でもそういうときは、VIX指数が爆謄してますからスグわかります。
そういうときには少しワークしないかもしれません。
でもねえ。
あの「NYダウ最強期間」って、過去30年で30連勝ですからねえ。
ブラックマンデーもLTCM危機もITバブル崩壊も911テロもリーマンショックすら乗り越えての30連勝ですからねえ。
機関投資家(社畜投資家)の行動パターン(生態)って、それほどまでに強固なモンなんですよ。
彼らのうち投信とか投資顧問は、運用資金が入金されたらそれ必ず運用しなきゃなんないんですもん。
現金比率は3%までとかいう規定が目論見書に書いてあっちゃったりするんですもん。
パッシブ運用なんか、入金あったら絶対に株や債券買わなきゃなんないんですもん。
よく、「世界中の投資家が株を売ってますっ!」っていう記事出ますよね。
でも彼らも運用をヤメるわけにはいかないんですよ。
だっておカネは無くなってないんだもん。
だから必ず他のもん買ってます。
んでもって、株を減らし過ぎてたりするとタイヘンです。
もしもその後株価が戻っちゃったりしたら、自分の運用パフォーマンスが市場インデックスに負けてしまうからです。
そんなことになったら、決算期末に投資家に呆れられて資金引き上げられちゃいます。
するとボーナスが無くなるかクビです。
ですからね。
「世界中の投資家が株を売っています」っていうときには、もしその後に株が戻り始めると、異様なまでの勢いで、キョーレツに株が爆謄したりするんですわ。
そうしないと市場インデックスに負けちゃいますから。
株が下がってるときに彼らが株を売るのは、利喰いだからじゃないんです。
もちろん投げでもないんです。
「今売っておけば、株がもっと下がったときに自分の成績が市場平均に勝てるから」と思って売ってるんですよ。
つまり勝負で売るんです。
気分はカラ売りです。
だからその株が上がり始めるとパニくるんです。
自分が売ったところより上に行くと、確実に市場インデックスに負けますから。
だからなんですよ。
株が急落して「世界中の機関投資家が株を売ってます」っていう記事が出た後に株が戻り歩調になると、下がってたとき以上の勢いで戻ったりするのは。
これ、どっちかっていうと、下げてる時の売りよりも、戻り始めたときのパニクリ買いの方が激しいです。
だって、下がってるときになんにもしなかったとしても、自分の運用成績は市場インデックスとおんなじですもん。
でもスケベ心を起こして、もっと下がると思って勝負で売るわけですな。
でもコワイから少しずつ売ってます。
別にそんな売りとかぜんぜんしなくっても、市場インデックスとおんなじ成績になるんですから焦る必要はありません。
でもこういうスケベ売りしちゃった後に、株が戻り始めたらタイヘンです。
自分の成績が確実に市場インデックスを下回るからですね。
だから、こういうときは、下げ相場よりも上げ相場の方が速くてデカいんですな。
その急落から急反発へのキッカケが、また恐ろしいぐらいに例年の最強期間スタート日通りだったりするから笑えます。
今年なんかその最高の典型と言っていいパターンですかな。
ん?
「でっ、でも池上さん。
池上さんがこんなこと書いちゃったら、みんな気づいてやり始めるから、こういうシーズナリティーもワークしなくなっちゃうんじゃあないんですか?」
だって?
ああ、ぜ~んぜん心配要りません。
社畜投資家さんたちの行動パターンはそんなに甘いもんじゃあありません。
それにシーズナリティーに基づいた投資なんかしたら、損したときのイイワケが出来ないじゃあないですか。
だって新聞や有名なんとかストさんたちが誰も書いてないんだもの。
みんなが見てるモノじゃあないんだもの。
だから機関投資家さんの行動パターンは変わりません。
それからですね。
アナタ……
本当に11月9日の引けでNYダウ先物買いましたか?
ダウ先物じゃあなくっても、翌朝日経平均先物買いましたか?
ああ、まあ買った方も何人かいらっしゃったでしょう。
でもそれ……
100円の評価損が出ても耐えていましたか?
300円の評価損だったら…… 1000円の評価損だったら……
それから、100円の評価益が出たときに利喰わずにガマンできましたか?
300円の評価益が出ても、「まだ12月末までは間があるから」って言ってガマン出来ますか?
1000円の評価益にもガマン出来ますか?
まあムリですよね。
「今はここで利喰っておいて、下がったらまた買おう」ってやりますよね。
でも最強期間なんだからあんまり下がりません。
そのうちにアナタが利喰ったとこより遥かに高くなってもう買えません。
つまりですね。
アナタがこのシーズナリティートレードに参入したとしても、アナタはすぐにヤメるんです。
儲かっても損しても。
まあ、シロウトは1日もたないでしょうね。
ヘタすりゃ30分で50円利喰って終わりです。
だから、アナタの行動で、市場はほとんどまったく影響を受けないんですよ。
実はワタクシメは、機関投資家さん相手にこうしたシーズナリティーの話をしてたんですよ。
そうですねえ。もう10年以上も前から。
そのとき既にこの「NYダウ最強期間」については書いてました。
でも…… うふふ。
そのときには「NYダウ最強期間」は過去20年で20連勝だったワケです。
まあ、大した連勝記録じゃあありません。
たかが20連勝だから100万分の1の確率に過ぎません。
それほど大騒ぎするようなシーズナリティーじゃあありませんでした。
まあ、よく新聞なんかには、「過去10年で8回も当たってる!」とかいうくずシーズナリティーが紹介されてますけど……
でもそれから「NYダウ最強期間」は見事に記録を更新し続けて、今30年連続勝利で10億分の1の確率に成長して来たんですわ。
因みに実は、こうした連続上昇期間の最長記録は、
「NYダウは、11月19日~1月3日は、過去34年連続で上がっている」
っていうものであります。
本当の最強期間スタートは19日だったんですね。
(他にもっと長い記録もあるかもしれませんが、ワタクシメはそれをまだ見つけておりません)
ということでですね。
アナタ……
本当に11月19日にNYダウ先物買えますか?
せめて日経平均先物買えますか?
そうして評価損が出ようが評価益が出ようが、それを大納会の引けまで持ち続けられますか?
もしアナタがそれを出来たとしたら、アナタが心配してくださったように、ワタクシがこんなこと書いてしまったせいで、シーズナリティーが無くなってしまうでしょう。
ですからそのときは、アナタのご懸念を真剣に考慮させて頂くことをご検討申し上げるとお約束させていただきますですよ。
ああ、最後にまたディスクレイマーを書かせていただきますね。
もしもアナタがこのシーズナリティートレードに参入し、そうして年末までポジションを持ち続けた上で、大損コイてしまったとしたら……
アナタは、世界最大の株式市場で30年も続いて来た伝統ある風習を、ただの一撃でもって叩きつぶした超絶大凶運の持ち主です。
そのスーパーリバースチートの能力を称賛し、「大悪霊」の称号を送らせていただきます。
そうして、その称号を胸に、即刻株式運用の世界から足を洗ってくださいませ……
アナタが運用の世界で勝てるハズがありません。
それに、アナタみたいなのがいると、他の地道で善良なシーズナリストのメイワクでありますからねえ……
以上!