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幼女

 2人が巨頭ォに向かってる途中、 ブルーベリーが自生していた。


「こんなところにブルーベリーが……ここの土壌は酸性なのかな?」


 青龍はブルーベリーを摘み取って口に運んだ。 味は甘味が強く酸味が無い。


「お兄ちゃん、 時間無いから行くよ~」


 エメラルドが急かすと青龍は動き出した。 しばらく歩くと廃村を見つけた。看板には巨頭ォと書かれており、 建築物は全て江戸時代の屋敷みたいだった。 2人は気軽に村を見て回った。 何も無い為、 帰ろうとした瞬間、 1件のボロ屋が白く光った。 それを見た2人は走って向かった。


「とりあえず中に入るぞ」


 青龍は勢い良く玄関を開けた。 そこには、 ボロい服を着た茶髪のボブの少女が倒れていた。


「ここ何処? お兄ちゃん達誰?」


 少女は怯えながら周りを見始めた。


「俺は蛇之、 こっちが妹のエメラルドだ」


「よろしく~」


 2人はそう返答した。


「お姉ちゃん何でぶかぶかの服着てるの? 」


 少女はエメラルドに指を指した。 すると、 エメラルドは嬉しそうに飛び跳ねた。


「とりま服着させるから」


 青龍はボロ屋に土足で入って服を探した。 ボロ屋の中は何故か内装は綺麗だった。


「中綺麗で気味が悪い」


 青龍は隅々まで見渡した。 ただ、 事故物件にいるの様な雰囲気が漂っている。


「ねぇねぇ! お姉ちゃんこれ見て!」


 少女とエメラルドは一緒にタンスを開けた。 そこには新品の黄地にコスモスが描かれた子供用の浴衣と新品の黄緑地でイチョウの葉が描かれた大人用の着物が入っていた。 近くにメモ用紙が置いてあった。 メモ用紙には着物の着方が書かれていた。


「とりま、 ボロい服は脱いでその着物を着ましょう」


 青龍は少女の服を脱がした。 幸い下着をつけていたので目のやり場にも困らなかった。


「こっちは大人用か……」


 青龍がそう呟くとエメラルドは後ろを向き青龍が渡した服を脱ぎ体形を変えた。 スタイル抜群の10代後半の女性の姿へと変貌した。


「お兄ちゃん~」


 エメラルドは青龍の肩を右指でつついて振り向かせた。 振り向いた青龍は鼻血を吹きだし、 目に見えぬスピードでエメラルドを着替えさせた。 幸い鼻血は付着しなかった。


「お前ら! ここを出るぞ!」


 青龍は何かを察したのか急いで2人を連れて小屋から出た。


「君名前は?」


 エメラルドは少女にそう聞いた。


「ルキナ=アンタイル!9歳で〜す! 」


 少女はとてもハイテンションだった。


「変わった名前だね」


 青龍は近所の子供に話しかける要領でそう返した。


「え!? 私の国だったら普通だけど?」


 ルキナは首を傾げる。


「いやどんな国だよ」


 青龍は不安そうな表情を浮かべた。


「ドイチュラント!」


 ルキナは嬉しそうにドヤ顔を披露した。


「「いやどこだよ!」」


 2人はツッコミを入れた。 彼らの世界線には()()()()は存在しなかったのだから。


「知らないの? お兄ちゃん達どこ出身?」


 ルキナは2人にそう聞いた。


「日本」


「イングランド」


「どこそれ!」


 ルキナは始めて聞く単語に驚いた。


「てか、 お前の世界の国っていくつあるの?」


 青龍はルキナの頭を優しく撫でた。 それを見ていたエメラルドは青龍に噛みつく。


「ちょっとエメちゃん! ストップ!」


 青龍はエメラルドを必死に慰める。


「ガルル!」


 青龍の顔に自身の顔を近づけるエメラルド。 とても怒っている様だ。


「何でお姉ちゃん、 お兄ちゃん叱ってるの?」


 ルキナはエメラルドに聞いた。


「お前のせいだよ!」


 エメラルドはルキナを怒鳴った。


「お姉ちゃんひどい!」


 ルキナは泣きだした。


「お前ら喧嘩するな!」


 青龍は2人を怒鳴った。 すると、 2人は泣きながら謝罪した。


「仲良くしなさい……」


 青龍はため息をつき、 2人の頭を撫でた。


「お兄ちゃん何あれ?」


 ルキナは井戸に指を指した、 その井戸にはガイドストーンが不自然に置いてあった。


「おいおい嘘だろ……あの研究所の!!」


 動揺する青龍。 脳裏に(研究員がこちらの世界に来たのでは?)という考察がよぎった。


「お兄ちゃんどうしたの?」


 青龍にそう質問するルキナ。


「ガイドストーン……」


 エメラルドは無意識にそう呟いた。 まるで、 誰かの記憶を見ているかのように。


「お姉ちゃん! どんな石なの? 」


 ルキナはエメラルドにそう聞いた。


「人間を生物型核兵器(データファイル)に変える恐ろしい物よ」


 エメラルドは何かに取り憑かれたかのようにぼーっとしている。


「データファイルって何?」


 ルキナはエメラルドにそう聞いた。


「化け物になれる人間」


 エメラルドは率直に回答した。


(まぁそうだよな~)


 青龍は緩やかな表情を浮かべた後、 黄色いひし形の石を歩いて取りに行った。


「さてと、すぐ終わらせるか!」


 青龍は黄色いひし形の石を普通に取って右ポケットの中にしまった。 青龍が取った黄色いひし形の石には蜥蜴の様な刻印が刻まれていた。


「ん? なんだこれ?」


  青龍は黄色いひし形の石が置いてあった場所の近くに埃をかぶった未開封の透明な袋が落ちていた。 その袋には、 未使用の注射針の付いた注射器と説明書と謎の紙が入っていた。

 

 青龍はその紙を取り出してよく見た。 その紙には、 大きな蜥蜴の上に金髪の少女が乗っていて、 青色の肉食恐竜がその2人を守るかのように白く巨大な狼と喧嘩している絵がクレヨンで書かれていた。


「なんだよこれ……」


 青龍は固唾を飲んだ。


「お兄ちゃん! こっち来て!」


 エメラルドが青龍を呼ぶ。


「なんかあったか? 」


 2人の所に走って向かう青龍。


「あれ見て! 」


 ルキナは変わり果てたボロ屋に指を指した。 そこから、 頭がやたらと大きい人間らしきものがゾンビのような呻き声を上げながら地面を這っている。


「どうなってんだよ……この村は……」


 青龍はすぐさまバレットm82を【転移】で取り寄せた。


(あいつまさか!)


 青龍は何かを察したような表情を浮かべ、 ルキナにバレットを渡した。


「ルキナ! これであいつを撃ち抜け!」


「え!? 無理に決まってるよ!」


 ルキナは大量の汗をかきながら首を横に振った。 そうしてる間にも人らしきものは徐々に増えていった。 ルキナは貰った銃を青龍に返した。


「お兄ちゃん見てて!」


 エメラルドは右手に濃紺色の電気が集中する。


「『メデューサ』! 」


 エメラルドは右手を地面に叩きつけた。 そこから亀裂が入りそこから全身が黒紫色の龍の様な鎖が五つ出現。 一瞬で人らしきものに噛み付き叩きつける。 叩きつけた際、 人らしきものは風船の様に急激に膨れ上がった。 直後、 青龍の本能的な察知能力が警笛をならす。


「お前ら伏せろ!!」


 青龍が怒号を上げた刹那、 人らしきものは大爆発を引き起こした。


「ヴェアアアア!」


 ルキナは耳を劈くほどの大声を上げた。


「おい!!大丈夫かルキナ!!」


 青龍はルキナに近づき、 傷がないか確認する。


「お兄ちゃん……痛いよ……」


 ルキナの顔に軽い火傷傷ができていた。 急いで治療に取り掛かる2人だが医療道具を持っていないため、 治療できない。


「クソ!どうすれば!」


「お兄ちゃん……それ……」


 ルキナは青龍の右ポケットに指を指した。 そこに手を突っ込みガイドストーンと未使用の注射器を取り出した。


「……いや覚悟決まりすぎだろ」


「早くして!! 力が欲しいの!!」


「はいはい」


 青龍はエメラルドにガイドストーンと注射器を渡して打たせた。 するとルキナの体は急に赤くなり、 高熱を帯びた。


「おはよう!!」


 さっきまで倒れていたルキナが何事も無かったかの様に起き上がった。 火傷傷も治っていたため問題は無いのだろう?


「エメ! ルキナ! とりあえずここから出るぞ!」


 脱出を図ろうとした直後、 村の至る場所から人らしき物が次から次へと姿を見せ始めた。 青龍は2人を咄嗟に抱え、 視認出来ないほどの速さで逃げ出した。


 3人が逃げた直後、 大量の赤い液体が巨頭ォの奥の方から噴き上がった。 巨大な狼が勢いよく飛び出し人らしきものを噛み殺した。 即座に大爆発を引き起こし廃村を更地に変えてしまった。 その狼の姿はまるでホッキョクオオカミの様で全長は約12m


「しっかり捕まってろ!」


 青龍は森を抜けようとしたが構造が複雑な為、 なかなか抜け出せなかった。


「お兄ちゃん! 後ろ! でっかい狼が追っかけてくるよ!」


 ルキナが慌てふためく中、 狼が追いかけてきた。 あの爆風を受けて尚無傷なため、 相当硬いのだろう。


「でっか!」


 青龍はあまりの大きさに驚愕した。 青龍は全速力で走りこの森を抜け出した。


「いいこと思いついた!」


 ルキナは何か閃いた様だ。 名案だといいのだが――


「よし言ってみろ!」


「私の背中に乗って!」


 急にわけのわからない事を言い出した。


「ちょっと待って!!どういう事だ!? 」


 エメラルドは意味不明な回答にツッコミを入れた。


「私もあの狼みたいに大きくなれるかも! 」


「なれるか! バカ!」


 青龍からもツッコミが入った。


「やってみないとわかんないでしょ!」


 ルキナは涙目で2人を見た。


「わかった……やってみろ!」


 青龍はルキナを下ろした。


「うん!」


 ルキナが青龍達から少し離れて手を合わせた。 すると、 ルキナの足元に赤色の巨大な時計の様な魔法陣が出現した。


「んじゃいっくよー! フェーズワン!」


 魔法陣から大量の赤い液体が噴出。 ものの一瞬でルキナの姿を変えた。 その後、 赤い液体と魔法陣は静かに消えた。 その姿はサバンナモニターと言うオオトカゲに先端が尖っている黒色の角と蝙蝠の様な翼を付け足したような感じだった。全長約15m。


「どう? 似合ってる?」


 ルキナは口を使わずテレパシーで2人にそう聞いた。 生物型核兵器(データファイル)がこの姿になるとテレパシーで会話する事となり、 自動的にエコーがかかってしまう。


「バイバイ、 ルキナ」


 泣きながら手を振るエメラルド。


「私! 生きてるよ!」


 ルキナはツッコミを入れた。


「チッ!」


 エメラルドは爪を唇に挟んで舌打ちをした。


「お姉ちゃん今舌打ちしたよね!」


「やんのかゴルァ!」


 何故か激昂するエメラルド。


「こんな所で喧嘩すんな!」


 青龍が再度静止した。


「とりあえずルキナ! お前の背中に乗せろ!」


 2人はルキナの背中に跳び乗る。


「いいぞ! 走れ!」


 青龍の命令により、 ルキナは全力で走り出す。 それを森の中で見ていた狼はニヤリと笑いながら3人を見ていた。


(あの男ただもんじゃないな……ククク……コイツは俺の獲物だ……)


 不敵な笑みを浮かべながら3人を追いかけ始めた。

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