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玄武&関雷雨VSトリスカ王国 part1

 *


 玄武達がドワーフ村に到着した――そこは、戦火で焼かれ、 至る所にドワーフの変死体が転がっていた。 焦げ落ちた家々には先ほどまで使われていたであろう生活用品に、黒い煤や生暖かい血液が付着していた。 急な襲撃に逃げ遅れたドワーフの肉塊が無造作に転がり、 辺りは焼けた木材と錆びた鉄と甘ったるい脂が混ざった臭いが漂っていた。


 物陰から、 ヴァイキング風の男たちが襲い掛かって来た。 すぐさま、 アーサーが剣を抜き、 横一文字に斬り捨てた。


「やるな~」


 玄武がバルディッシュを【転移】した。 そして、 視界に入った敵兵を次々に斬り倒した。


「樹木は伐採じゃ!」


 奴らは「キジャ!」「ナイ!」と変わった叫び声を上げた。 たった数分で2人は敵兵を殲滅。


「ほほぉ~やりますねぇ」


 ダイヤは2人を見て感心していた。


「見てないで働いてください」


 アーサーがダイヤにそう告げる。


「はーい! さて、 ドワーフの面々は何処に……」


 ダイヤは辺りを隈なく探す。すると、 民家の中に怯える男のドワーフがいた。


「せ……関雷雨か……」


 彼は安心したのか、 力がスッと抜けた。


「おい! どうした?」


 玄武が近寄ろうとしたが、 ダイヤが制止した。


「他の奴らはどうした……」


「10人死んだ……」


「10人か……残りは生き残ったのか?」


 このドワーフ村の総人口は60人、 ここより少し大きめの集落が北の方角にある為、 そちらに避難したようだ。


「全員避難したよ~」


 気配もなくベリルが3人の背後に現れた。 どうやら、 彼女がドワーフたちを避難させたようだ。


「ベリル! 何でここに!?」


「任務ですよ、 先輩」


 ベリルの任務はドワーフ救援だったが、 敵の数が多すぎたため、トランシーバーを使って他のメンバーに助けを求めた。


「数が多すぎて大変だったんですよ~」


「よくやった! 君は90点!!」


 ダイヤが急に甲高い声を上げた。


「何の数字ですか?」


 ベリルが思わず首を傾げた。


「とりあえず、 そこのおっさん連れて行こう!」


 ダイヤとベリルがドワーフを連れて【転移】した。


「……俺ら置いて行かれたね~」


 玄武はこんな時でもおっとりしていた。


「ですね~」


 直後、 2人は頭を抱えながら辺りをグルグルと回り始めた。


「何してるんですか? 2人共」


 クロコが後ろからスッと現れた。


「あっ……何とかなったぞ」


 2人は走り回るのを辞める。


「あの~置いて行かれまして……」


「私が連れて行きましょう……お体に触りますよ……」


 クロコが2人に手を当て、【転移】した。 その先は、 ダイヤ達のいるのどかな集落だった。 ここは温厚な人が多く、 関雷雨とも交流がある為とても安全だ。


「遅いじゃないですか!」


 ベリルが悪びれる様子もなく手を振った。


「知らん場所に置いて行くな馬鹿!!」


 玄武達は急に置いて行かれたため、 2人を咎めた。


「ごめんごめ~ん!」


「完全に忘れてた」


 2人はフレンドリーに謝罪した。 そんな中、 集落の人間が荒い息を上げながら話しかけてきた。


「関雷雨の皆さん! トリスカがこちらにも攻めてきました!」


 彼が奥に指を差すと、 玄武達が現場へ向かった。 そこには、 罪のない一般人の欠損死体が転がっていた。


「イヒヒ……無抵抗の一般人を殺すのは気持ちいいぜ!」


 20人のヴァイキング風の男たちが一般人を虐殺していた。 そう、 奴らがトリスカ王国の兵士なのだ。 直後、 ダイヤは薙刀をベリルはベレッタM9という拳銃とサバイバルナイフを【転移】し、 スタートを切った。


「カタギに手を出したから-100点!」


「仁義外れが、 廃材となるがいい」


 一瞬で奴らを斬り刻んだ。 その間を、 クロコが飛び込んで来た。 刹那、 敵兵2人の心臓を貫いた。


「もっと筋肉を鍛えなさい」


 慢心している彼女に、 3人の敵兵が斬りかかった。 その時、 彼女の体から火花が飛び散り、 ボロボロと崩れ落ちた。


「あら? 壊れちゃった」


 なんと、 化けの皮が剥がれたジョーカーが笑みを浮かべながら姿を現した。 次の瞬間、 彼女は巨大な剣鉈を【転移】し、 たった一振りで3人を両断した。


「すげぇ……」


 玄武が呆然とした表情でボソッと呟いた。


「弱すぎる……プロテインを飲みなさい」


 ジョーカーは一薙ぎで10人の首を刎ね飛ばした。 彼女たちが強すぎたため、 数分で敵は壊滅。


「さて……どうする? ジョーカー」


 ダイヤがそう聞くと、 彼女は笑みを浮かべた。


「勿論! 今すぐトリスカを滅ぼしましょう!」


「誰か呼びます?」


 ベリルは応援を呼ぶか聞いた。


「ガラナとルフナとレモンをお願いできる?」


「承知しました」


 ベリルは【転移】で3人の元へと向かった。


「あなたたちはどうします?」


 ジョーカーが玄武達を誘った。


「せっかくだし、ついて行くよ」


「色々と学ばせてもらいます!」


 2人はその誘いに乗った。


「では、 ヤサを獲りに行きましょう……」


 ジョーカーが3人を何処かへ案内した。 そこは、 この辺を根城としている山賊のアジトだった。


「こんにちは! 関雷雨で~す」


 ジョーカーが正面から堂々と現れた。


「なんだ!」


「カチコミか!」


 山賊は武器を構えたが、 秒で断ち切られた――レベルが違いすぎる。


「昔、 喧嘩売られたので潰しました」


「ヤバすぎだろ!」


 玄武がツッコミを入れた。


 ジョーカーが近くにあった机に城の内部地図を広げた。


「今からここを攻め落とします」


 ジョーカーが地図上の城を指で指した。


「この場にいるメンバーで城内へ突撃……他のメンバーは囮にします」


 ベリル達が陽動で、 玄武達は城内へ侵入し王を打ち取る。


「メルビレイが参戦するかもしれません……」


 そう、 同盟国であるメルビレイ王国が援軍を転(・)移(・)魔(・)法(・)で送ってくる――短期決戦で済まさないとこちら側の被害が大きい。


「そうだね! 今からベリルに連絡するね!」


 ダイヤがトランシーバーを手に取り、 壁の隅へと向かった。


「メルビレイって?」


 玄武は首を傾げた。


「かなり東の方にある強国です……」


「まぁ何とかなるでしょう!」


 あまり緊張感のない発言にジョーカーはため息をついた。 直後、 ベリルが3人を連れて【転移】してきた。


「お待たせしました~」


「じゃあ! 作戦を伝えるね!」


 ジョーカーが一通り作戦を伝えると、 全員が現場に【転移】した。


(気楽に行こうぜ! 気楽に)


 いつも通り、 玄武はのんびりとしていた――だが、 最悪な事にこの後、 とんでもない敵と遭遇する。


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