ローバロ王朝崩壊
監獄を出たモミジが深呼吸をした。 余程シャバの空気がうまいのだろうか――
「シャバの空気はどう?」
「最高!」
直後、 6人の敵兵が2人を囲んだ。 この状況、 戦闘狂のモミジからしたら好都合だ。
「さて、 肩慣らしと行こうか」
モミジは打刀を【転移】し、 全ての敵兵を一瞬で刃に掛けた。
「やる~」
「さ~て、 ミレット! この国落とすか」
モミジは首の関節を鳴らした。 ただ、 たった2人でどう落とすのだろうか――
「は!? 2人で!?」
「勿論」
モミジの回答に、 ため息を漏らした。 直後、 彼女は消防斧を【転移】した。
「はぁ……じゃあ行くよ……」
ミレットはモミジの肩に手を乗せ、 【転移】した。 その先は、 王都の広場だった。 辺りには無数のパルチザンの亡骸が転がっていた――最悪な事にパルチザンは全滅したのだ。
「こんばんは、 関雷雨の皆さま」
なんと、 剣を持った3人の男に待ち伏せされていた。 その後ろに、 ジーバスが隠れる様に眺めていた。
「さぁ、 シャムナフトラの異世界人よ……奴らをやってしまえ!」
ジーバスの号令により、 3人はスタートを切った。 2名はモミジに、 もう1名はミレットに襲い掛かった。 だが、 ミレットは懐に入り重い肘鉄を食らわせた。 ほんの少し間合いが開いたため、 袈裟懸けに斬り捨てた。
「質が悪いね、 鍛錬して来い」
ミレットは見下すように吐き捨てた。 モミジは得物で1人の心臓を貫き、 もう1人を正拳突きで臓腑を破壊した。
「ば……馬鹿な! 異世界人じゃぞ!」
ジーバスは3人の死を目の当たりにして、 腰を抜かした。 さぁ精算の時間だ――
「よくも、 うちの国で薬をばら撒いてくれたな」
モミジは刀を抜き、 死体の衣服で血を拭いた。 彼女の言う国はパシフィック王国の事だろう。
「それは! トラウトとトリスカも同じだろ!」
「あぁ……キッチリとつけたさ……ケジメを」
それを聞いたジーバスは必死で命乞いをした。
「この国の半分をやる! そうだ! お前を次期王に推薦しよう!」
上っ面の命乞いにモミジは――
「男らしく、 潔く死を受け入れな」
刀を振り下ろし、 首を刎ねた。
「さて、 帰るとしますか」
モミジは奴の頭を拾い、 【転移】で帰ろうとしたが使えない。 それもそのはず、 現在深夜12時を過ぎているからだ。
「せっかくだから、 迎えを呼ぼう」
ミレットはトランシーバーで後輩の大蛇に連絡した。
「はい! もしもし」
「大蛇、 モミジを取り戻したわ……迎えをお願い」
「今からですか?」
「そうよ」
「今は馬車を手配できないので明日にしてください」
「はぁ……わかった」
ミレットは不貞腐れた態度でトランシーバーを切った。
「今日はここに泊まろう」
2人は飛び込み宿泊を行い、 明日に備えた。 関雷雨のメンバーが全員揃った――今日は盛り上がりそうだ。




