異世界での戦い
あれから数時間後…
「あいつガチで大丈夫?」
麒麟は青龍の事を心配した。
「めっちゃ嫌な予感が……」
いろいろと察してしまった玄武。
青龍、白虎、朱雀が入っていた部屋の扉が開いた。
「「あっ……」」
青龍が扉から出てきた。
「蛇之! お前大丈夫か!?」
玄武が青龍に駆け寄り、 慰めた。
「全然大丈夫じゃねぇ……クソ痛てぇ…」
青龍は痛そうな表情を浮かべながら右手で首を押さえる。
「あいつの整体は痛いからな~」
麒麟は他人事の様に振る舞う。
「”痛いからな~”じゃねぇよ!」
青龍はキレ気味で麒麟にツッコミを入れる。
「とにかくお前は休め!」
「そうさせてもらうよ……ところでエメちゃん見てない?」
「「見てない」」
2人がそう答えると青龍は膝から崩れ落ちる。
「マジか……エメちゃんと一緒に過ごそうと思ったのに……」
「あの子の事だ大丈夫だろ?」
麒麟はあまり心配していなかったが、 2人はとても心配していた。
「へっ……蛇之、 心当たりは?」
玄武は恐る恐る青龍にそう聞くと、 何か心当たりがある様だ。
「森の中! エメちゃん、 綺麗な空気が好きだからよく森に行くんだよね~」
「よし! 近くの森を捜索だ!」
麒麟が意気込むが、 2人はきょとんとした表情を浮かべる。
「心当たりあるの?」
玄武が麒麟にそう質問すると、 自信満々に「ある」と返答した。
「早く教えてくれ! エメにもしもの事があったら……」
「今のところ問題ない!」
((クソ心配だわ……))
2人は心配そうな表情を浮かべる。
「そうとなれば蛇之! 猫都と一緒にその森を散策してくれ」
麒麟は1枚の地図を渡す。 その地図には、 現在地から目的地の森までの距離、 到着時刻まで記載されている。
「どうやって作った!!」
青龍はキレの良いツッコミを入れた。
「豪邸作ったように血液一滴垂らして作った」
麒麟はサラッと返答した。
「あーもう滅茶苦茶だよ!」
青龍は頭を抱えた。
「というわけで蛇之、 お前は猫都一緒にエメラルドの捜索、 雀は警備、 亀吉お前はここで待機で」
「ほーい! じゃあ行ってくるわ」
青龍はその場から立ち去る。
「と言う事で、 お前はその場から離れないでね~」
麒麟は玄武に手を振ってその場から立ち去った。
「おい! 置いてけぼりにするな!」
玄武は麒麟に向かってキレる。
(する事無いし…椅子に座って寝よ…)
その場にあった椅子に座って寝ようとする玄武。
「大変です!」
1人の兵士が玄武に向かって敬礼しながら話しかけて来た。 特徴は金髪で身軽そうな鎧を着ていた男の兵士だ。 あまりに元気すぎたため、 腰を抜かしてしまった。
「おい! お前誰だ!」
「伝令! エルフの子供がこちらに向かって来てます!」
「人の話を聞け!」
玄武は何度も兵士に指を指した。
「あっすみません!」
「まぁ…いいけど」
渋々許して、 ゆっくりと立ち上がり埃を掃う。
「あの~麒麟さんですか?」
その質問に「人違いです!」と答え、 手を左右に振る。
「そうですか……では」
「ちょっと待って! 暇だから俺が行く!!」
玄武は必死で留めた。
「わかりました! ではご案内いたしますのでこちらにお越しください」
兵士は導く様に案内した。
「君、 名前なんて言うの? 」
道中、 無言は気まずいので玄武はそう訪ねた。
「僕はアーサー=クラークと申します!」
「俺は亀……じゃなくて玄武! よろしく」
「よろしくお願いします玄武さん!」
アーサーの威勢が良かったのですんなり気に入ったそうだ。
「エルフが来たとか言ってたけど何かあったの?」
「村に来たエルフが傷だらけでしたので恐らく襲撃に……」
アーサーが報告途中に白い髭を生やした戦艦の艦長のような服を着た老人が2人を呼び留める。
「アーサー! その男は……」
その老人は、アーサーにそう聞いた。
「彼は……」
「僕は玄武と申します、 麒麟の友人です」
玄武が割り込み一礼した。
「麒麟の友人ですか……」
「アーサーから話を聞きました、 それでエルフの少年は何処に?」
老人は玄武を少年の所まで案内する。案内されたテントには、ボロボロの服を着た金髪エルフの少年が悲しそうに座っている。 彼からは汗と泥、 鉄錆の臭いが漂っている。恐らく奴隷として扱われていたのだろう。
「あの椅子に座っている少年がここに逃げて来たのじゃ……」
老人は玄武にそう説明した。
「わかりました……僕が話を聞いてきます」
玄武は真剣な表情を浮かべた。
「頼んだぞ……」
老人は玄武の肩を叩いてその場から離れた。
「大丈夫? 」
玄武が優しく声をかけた。
「僕は大丈夫です……けど……村のみんなが……」
少年は体を震わせ今にでも泣きそうだった。
「襲撃か……わかった」
玄武が少年の頭を優しく撫でると彼は泣きじゃくった。
「エメラルド探す以上に厄介な事になったなぁ~」
後ろから青龍が話しかけてきた。
「蛇之!」
玄武が振り向くと青龍、 白虎、 朱雀の3人がいた。
「どうしてここに?」
「竜馬に呼ばれてここに来たのよ……」
白虎は面倒くさそうな態度でそう返答した。 その直後、 朱雀は少年に寄り添う。
「何処か痛い所ない?」
朱雀はそう質問すると、 少年は足を見せた。 少年の足は青い痣ができていた。
「ちょっと待ってねぇ~」
『再生の炎』
朱雀は右手から虹色の炎を出し、 痣を炙る。 すると、 痣は一瞬で完治した。
「俺と猫都はエルフの村に向かう、 亀吉お前はここの守護を……」
青龍は話している最中、 城壁の上にいた兵士が早足で下りてきた。
「伝令! エルフの子供がまたこの村に向かってきてます! 」
兵士がそう伝えた瞬間、
「城門を開けろ!」
老人は大声で命令を下す。 すると、 城門付近にいた兵士たちは城門を開け始めた。
「伝令! 後ろの方から騎馬兵二名がこちらに向かって来ています!」
最悪な事に、 プレートアーマーを着服した騎馬兵2名がこちらに来ている。 狙いはエルフの子供だろう。 その直後、 青龍、 白虎、 玄武が城門から出た。
「行ってくるね!」
白虎がそう言った瞬間、 白虎と青龍が走り出し、 玄武が【転移】でバルディッシュを取り出した。
「た……すけ……」
急いで中に入ろうとするエルフの少年。 だが、 騎馬兵が剣で突き刺そうとした。 その刹那、 玄武が大地を蹴り、 バルデッシュで騎馬兵の馬の胴体と兵士の両足を切り落とす。 その兵士と馬両方を転倒する。 再度、 地を蹴り宙を舞う 、 空中で一回転して別の騎馬兵の首と馬の首を同時に刎ね飛ばし、 豪快に着地した。
「任務完了! てところかな?」
足を失った騎馬兵のところにゆっくりと向かう玄武。 奥には真っ二つにされ内臓が飛び出した馬の屍が転がっていた。
「あの……どちら様でしょうか?」
玄武は疑問と殺意を混ぜて、 そう質問した。
「お前に……教える価値すらない!」
兵士はそう返答すると、 剣を手に取り玄武の右肺辺りに突き刺す。
(クソっ……ここまでかってあれ? 痛くない……今なら殺れる!)
玄武は瞬時に敵兵の頭を両手で抑え、 押し潰した。 その際、 頭部の内容物が弾け出た。 本来の人間の力ではこの様な事は不可能だが、 生物型核兵器の力が強い為この様な事が可能なのだ。
玄武は身体に刺さった剣を抜く。 刺さっていた部分はグチュグチュと音を立てながら再生した。 それを見ていた兵士は、 驚愕していていた。
「あのエルフの容体が気になるな……」
玄武が城門を通って中に入った。 あのエルフは足を骨折していたようだが、 朱雀のお陰で傷が完治した。その頃、 エルフの村に向かう青龍と白虎は。
「ねぇ……後でエメちゃん抱っこしてもいい?」
白虎が死んだ魚の目をしながら青龍に話しかけた。
「別にいいけど」
「やった!」
ハイテンションになる白虎。
(エメちゃん人気すぎるだろ!)
青龍はそう思いながら冷や汗をかいた。
「さてついたが、 どうしましょう!」
青龍がとてもワクワクしていた。 まるで、 欲しいおもちゃを目の前にしている子供の様に。この後、 村を襲った敵兵共は地獄を見る。




