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トラウト王国滅亡 前半

「終わった……」


 青龍は頭を掻きむしった。 なぜなら、 目的地が一切わからないからだ。


「まっいっか」


 全然良くないが、 青龍は闇雲に歩き始めた。 1時間後、 王都らしき場所を見つけたが、 疲れ切った表情を浮かべた。


「やっと着いた……」


 青龍は王都に着き、 一安心する。 喉が渇いたのか昨日買った水を【転移】して、 勢いよく飲み込んだ。 流石にポイ捨てはいけないので【転移】で戻した。


 王都内を散策すると、 地獄の様な光景に驚愕した。 何故なら、 王都は廃墟の様な様相を呈しており粗悪な酒や薬物の様なキツイ臭いが立ち込めた。 王都の庶民全てが粗悪な酒に溺れ、 依存性の高い薬物に侵され動けない状態になっている――こんな国があそこまでの軍事力を持っていたことが一番の謎だ。


「おいおい嘘だろ……俺らが居た世界よりも酷いぞ……」


 青龍は片手で口と鼻を押さえ先へ進む。 進んでいる途中、 食品市場を見つけたがどれも腐っており強烈な腐敗臭を放っている。 中にはピンク色のかびが生えている物や黒い蛆虫が湧いてるものまであった。 彼は逃げるかの様にその場を去り、 離れたところで嘔吐した。


「気持ちわりぃ……」


 苦しそうな表情で城に向かう。 城に着くと門番2名が槍を構えたまま青龍に近寄る。


「止まれ何者だ!」


 右側の門番がそう言うと青龍は紫色の殺気を放つ。


「できればそこを開けてください」


 青龍は門番に笑顔でゆっくり歩くと、 2人の門番が槍で青龍を突き刺そうとする。 その時、 青龍は高く跳びあがり刀を抜刀、 一瞬で2人の首を刎ね飛ばした。


「空気がマズイ……」


 青龍はその場でまた嘔吐した。


「蛇之のやつ……大丈夫か?」


 やごーが屋根の上から青龍を見つめる。


「お邪魔します~」


 青龍は門を開け、 進んでいった。 そこには、 何万人も収容できそうな大広間があり、奥の方に扉があった。 その先には3つの扉があった。


 1つ目と2つ目の扉には何もない行き止まりで3つ目の扉は王宮の内部へと繋がっていた。 先を進んでいると槍を持った3人の兵士とばったり出会った。


「やばいな……これ」


 兵士達が青龍に襲い掛かった。 次の瞬間、 頭部を瞬時に変形させ、 一瞬で3人を丸呑みにした。


「おえ!! 変な味がする!」


 青龍は頭部を元に戻し、 城内を探索した。 それから、 数名の兵士と出会ったが得物で斬り倒していった。


「この国大丈夫か?」


 いつの間にか潜伏していたやごー――彼は身を隠しながら青龍について行った。 王宮の最深部にたどり着き、 中へと入った。 そこは、 大理石で作られた長方形の巨大な机があり、 木製の椅子が並べられていた。 1番奥の椅子に女王と思わしき人が座っており、 近くに剣を持った兵士が待機しており、 青龍を見つけるとすぐさま襲い掛かるも、 一瞬で返り討ちにされた。


「ここまでか……」


 青龍を睨みつける女王。


「わりぃがあんたの負けだ」


 青龍は刀を女王に向けた。 すると、 奴は左ポケットから錠剤瓶と水筒を取り出す。 その錠剤瓶にはbacterial activatorと書かれていた。


「どうする私を殺すのか? 殺すなら殺せ!」


 女王が急にヒステリックになるとやごーが入室した。


「まぁ落ち着け……俺たちはお前を殺しに来たわけじゃない……此処いるのはお前だけか? 他の奴らはどうした?」


 やごーが宥めながらそう質問すると、 女王は瓶の蓋を開けた。


「此処は私だけだ! 自分の娘も家臣もみんな殺したわ!!!!」


「イカれすぎだろ! 蛇之! あの女の手首を斬り落とせ!!」


 直後、 青龍が得物で女王の左手首を斬り落とそうとする。 その瞬間、 女王は全ての錠剤を飲み干した。 だが、 手首は斬り落とされ、 そこからは黒く粘々した液体がだらだらと流れ出た。


「『破龍砲』!!」


 やごーの指先から濃紺色の小型の球体が出現、 高速で発射され奴の顔が爆散。


「何かヤバい! 逃げよう!!」


 青龍がやごーを連れて全力疾走で逃げる。


「てかいつから居たの?」


 青龍がやごーにそう問う。


「さっき来た、 昔トラウトの妙な噂を聞いたから調査しに来たらまさか……」


 やごーが走りながら淡々と話していると頭部が欠落している死体が動き始めた。 2人は死体を蹴り飛ばし先へ進む、 もう少しで出口だが――そこに災難が訪れた。


 2人が広場に出るとそこには死んだはずの女王が佇んで居た。 よく見ると女王の右手首が切り落とされている。


「ガラス……テクビ……キッタ……ユルサナイ……フクシュウ……コロス!!」


 女王の頭部から禍々しく巨大な口が出現し、 2人を喰らおうとするが、 綺麗に回避された。 だが、 女王の体に異変が起こる。


「おいおい嘘だろ……もう()()しやがったか」


 やごーは青龍に合図して脱出を試みるも門の前には数名の人間が群がっていた。 奴ら全員、 死蠟の様な皮膚でゾンビの様なうめき声をあげている。 最悪な事に後ろからは女王が迫ってきている。


「オッサン! こっから入れる保険ある?」


 青龍は軽いジョークを言い放つとやごーが「ある」と断言。 直後、 門を蹴り破った。 門が斜めに倒れ坂道となった。 それを上り、 屋根に着地。


「保険料たんまりと払ってもらうからな!」


「はいはい」


「とりあえず逃げるぞ!」


「ああ!」


 2人は全速力で走りだした。 後ろの方から金属や人間がバキボキと食される音が聞こえる。


「あいつら何なんだ!!」


「説明は後だ! 走れ!」


 その時、 後ろから巨大なトカゲの様な何かがこちらに迫っている。 恐らく女王が変異したモノだろう――


「トカゲ?」


 青龍が一瞬だけ姿を見た、 奴は建築物を取り込みながら下へ潜った。


「やはりな……」


 2人はここを脱出できそうだった。 だが、 奴が2人を下から突き上げられ、 高く跳ばされた。


 奴の容姿は皮膚が死蝋の様になっており、 頭部は楕円形となっている、 目玉が無数についていて、 瞼が無くそのうえ手足が人間の腕の様な形している。 さらに、 肉片をツギハギされた様な尻尾も生えている。


「クソ……ここまでか……」


 青龍が悲しそうな表情を浮かべた。


「後はあいつらに任せる……」


 2人はトカゲの様な物に尻尾で袈裟懸けに叩きつけられた。 その際、 パストとノワールの姿を目撃した。


「何で避けなかったんだろ?」


 パストが呆れた表情を浮かべた。


「バカだからでしょ」


 ノワールが棒状のお菓子を食べる。


「コムスメ……ジャマ……コロス……」


 トカゲの様な物が2人に近づこうとした。 次の瞬間、 彼女らの足元に魔法陣が現れた。 パストの方は白色でノワールの方は黒色だ。


「「フェーズワン」」


 2人の足元から「ガシャン!」という音とともに魔法陣に亀裂が入った。


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