トラウト王国
その頃トラウト王国は戦争の準備をしていた。 麒麟達はまだその事に気づいていない。
王は王宮の広間の椅子に座り数人の兵士達と作戦を練っていた。
「伝令! デュース隊長とフェンリル隊長が戦死しました」
1人の兵士が王に跪き、 報告した。
「そうか……下がれ」
王はため息をついたと同時に部屋から退出した。
「最悪だ……我が国が保有するデータファイルを1つ失ってしまった……」
王は頭を下げ、 額に手を当て嘆いた。
「いかがなさいますか?」
近くにいた黒い装甲を纏った兵士がそう質問した。
「今すぐ出陣するぞ……」
王は立ち上がり数人の兵士達と共に部屋を出た。
「私の近くにルナ=アンフェルノを置く……あの小娘は使えるからな」
「全兵士を戦場に持っていけばよろしいのでしょうか? 」
「いや……何人か残していく……」
「陛下……関雷雨の討伐軍の方は準備が整いました」
アサシン服を着た男が突然現れて王の耳元で囁いた。
「わかった……明日の朝からそちのほうは出陣じゃ……」
直後、 アサシン服の男は消えた。
「陛下こちらです」
奥の方から大臣らしき男が案内した。
「うむご苦労」
奴が案内した場所は広場を一望できる場所だ。 その広場で多くの兵士が何列にも並んでいる様子が見られた。
「諸君! 今宵は戦争だ!」
王が演説すると、 兵士達は雄叫びを上げ始めた。
(見てろよ他国のクズども……俺がこの世界を支配する様を……)
王は悪しき笑みを浮かべた。 皮肉なことにこの世界はそんなに甘くない。
*
その頃、 アサシンは討伐軍と連絡を取った後、 関雷雨の調査を始めた。
「ラックス隊長と連絡が取れない……何か嫌な予感が……」
アサシンはぼそぼそと呟いた瞬間、 何かの気配に気づいた。
(しまった油断した!)
男は後ろを振り向いた。 その時、 釣りのルアーが勢いよく男の心臓を貫きその心臓を抉り取った。 光の反射で陰でしか見えなかったが男を殺したのはツインテールの女だった。 その女は抉り取った心臓を針から外し丸呑みにした。 これでアサシン部隊は全滅――この国の崩壊が始まる。
*




