プロローグpart2
「準備は?」
アークの所長は部下にそう問う。
「いつでもできます」
「ではお願いします」
その一言で研究員たちはガイドストーンから液体を注射器で吸い出し液体を児童の体内に注入した。その瞬間、 ガイドストーンは砕けて散った。 それと同時に児童達はもがき苦しみ始めた。 10秒立つと5人の児童が苦しむのをやめた。
「なんだ……今のは……」
蛇之いや青龍は何事も無かったかの様に目覚めた。
「所長成功です! 」
モニターを見ていた研究員が振り向き、 笑顔で報告した。
「よし! 」
研究員達は喜びのあまりの嬉しさに涙を流す者もいた。 この時までは。
「お腹空いたな~」
青龍はお腹をさすった。
「これ食べる?」
その場に女性研究員が蜜柑を差し出してきた。だが……
「ありがとう……でも……あなたの方が美味しそう!」
次の瞬間、 青龍の腰より少し下から尻尾が出現、 監視カメラとマイクを破壊した。 勘のいい所長はその場に警備員を派遣した。 だが時すでに遅し、 青龍は首から上を変形した、 その部分はキングコブラと言う毒蛇ようだった。 色は緑色で金色の角が生えていた。 女をぺろりと平らげ3秒で消化した。 ついでに、 近くにあった蜜柑を皮ごと丸のみにした。 頭部を元に戻し首の関節を鳴らした。
「お腹いっぱい!! ごちそうさまでした!」
扉を蹴り破って外に出てた。 尻尾を出したままだったのでその場にいた警備員の首を尻尾で刎ね飛ばした。 待っていたエメラルドが飛びついてきた。
「お兄ちゃん!」
「あらエメちゃん……お兄ちゃん化け物になっちゃったけど大丈夫?」
「大丈夫だよ! でも……1人は寂しいから一緒にいてね!」
「はいはい」
エメラルドの頭を優しく撫でる。
「とにかく全員でここを出よう行くぞエメ! とりあえず猫都と合流だ! 」
青龍が意気込むとエメラルドは笑顔で頷いた。 真反対の場所に白虎がいると考えた2人は反対側の棟に向かった。 だが、 行く手には研究所の警備員が立ち塞がる。
「止まれ! ここから先は通さん!」
「……エメちゃんちょっと隠れてて」
その言葉でエメラルドは壁に隠れた。
「手加減はせん!」
「来いよ……オッサン!」
「覚悟しろクソガキ!」
警備員は青龍をナイフで切りつけた。だが、 青龍の傷はグチュグチュと汚らしい音を上げながら回復した。
「嘘……だろ……」
その隙を逃さなかった青龍は手刀で首を跳ね飛ばした。
「栄養補給だ! いただきます!」
青龍の腹が裂け大きなハエトリソウの葉ような口が出現。 その口は人間の口の中よりも赤く黄ばんだ肉食獣の歯がついており、 口の外は薄い緑色の皮膚に覆われていた。 ほんの数秒で警備員を丸呑みにした。
「行くよ!エメ」
呼び声に反応してぴょんと出て来た。
「はーい」
「お兄ちゃん! とりあえずこの階の中心部に行こうよそしたら、 竜馬君がいるかも!!」
エメラルドがそう提案すると、 青龍は顎を抑えた。
(ホントか? まぁいいけど……)
「まぁ……行ってみましょう」
「お兄ちゃん抱っこ」
青龍はエメラルドを抱き抱えながら、 中心部に向かった。 その頃司令室では。
「所長大変です!」
1人の研究員が焦りだした。
「どうした!?」
「所内の全ての監視カメラが故障しました! 」
「なんだと!」
研究所内の全ての監視カメラが故障、 これが崩壊の始まりだ。
「麒麟以外の兵器を止めろ! この研究所が終わる!」
所長が命令するが、 意味をなさない。ここはもう終わりだ――
その頃、 猫都こと白虎がいる棟では、 アサルトライフルを持っている10人ぐらいの警備員達が待ち構えていた。
「止まれ!! 動くな!!」
警備員は必死で白虎を静止するも、 全く話を聞かなかった。
「撃て!!」
警備員達は一斉に射撃するが、 弾が白虎の目の前で止まりその場に落ちた。
「に……逃げろ!!」
警備員達は逃げようとしたが白虎が手を広げて前に突き出し、 銃を宙に浮かせ発砲。 警備員達を蜂の巣にした。 もう2人がいる棟は、 片方は高濃度の硫酸でドロドロに溶解。 もう片方は高熱で熔解した 。
「無理です! 全て突破されました!」
研究員の報告により所長は口に銃口を入れ自殺した。 彼の後を追う様にその場に居た研究員達も次々に自殺し始めた。
竜馬改め麒麟以外の孤児院の子供たちは何かに導かれるように中央棟に揃った。 そして、 彼の病室に入った。
「お前らこれからどうする?」
青龍がその場にいる全員に聞いた。
「とりあえず寝ている奴、 叩き起こしたら?」
朱雀がそう提案した。
「俺も雀の意見に賛成」
玄武が眠そうな表情を浮かべている。
「わかった……じゃあ行くぞ……」
青龍は軽く叩いたが起きなかった。
「どけ! 私が起こす!!」
朱雀は麒麟の顔面をぶん殴った。すると、 麒麟は何事も無かったかのように目覚めた。 その光景を見た青龍はドン引きしていた。
「おはよう!!」
「おっ……おはよう」
白虎は少し怯えていた。
「どうした? そんな顔して」
麒麟はキョトンとしていた。
「だってお前鼻血出てるから……」
玄武は引いていた。
「すぐ治るから大丈夫!」
麒麟は手招きをした。 それと同時に一瞬だけ上を向く。
「大丈夫じゃねぇだろ! とりあえず顔拭け!」
青龍は近くにあったウェットティッシュを渡した。
「わるいな」
「気にするな」
青龍は困った表情を浮かべた。 次の瞬間、 麒麟が何かを察した様な表情を浮かべた。 それも、 急に真剣な表情の様にも見えた。
「とりま別の世界に避難だ! 時間が無い!」
麒麟がその場にいる全員の足元に魔法陣を出現させた。
「え? どういう事?」
青龍が問うと他の孤児たちも首を傾げ始めた。
「話は後だ!」
切羽詰まってるように見える。 まるで悪い未来を見た様な。
「どうして異世界に行くの?」
エメラルドがそう聞くと、 青龍が口を開いた。
「俺たちの住める場所を作る!だろ?」
「ピンポン! アホのお前にしてはよくわかったな!」
「誰がアホだよ!」
青龍が即座にビシッとツッコミを入れた。
「自由の無い、 バットエンドは嫌だしな~」
玄武がボソッと呟くと、 天井から砂が降って来た。 それと同時に遠くから爆撃機の音が聞こえて来た。
「とりあえずお前ら! 改名された名前教えろ! 向こうの世界でコードネームとして使えるかもしれないからな!」
麒麟は偉そうな態度で全員にそう聞いた。
「青龍! 蛇から龍に進化したぜ!」
「私は白虎、 こいつと同じく猫から虎に変わったわ…」
「つまり俺と同じく進化って事だな!」
「なわけあるか!」
青龍の顔面に裏拳をくらわす。
「俺は玄武だよ~」
玄武は眠そうにそう答えた。
「俺は麒麟! ……てことは雀お前朱雀だな?」
「正解!」
朱雀は笑顔でそう答えた。
「「「でしょうね!!」」」
青龍、 玄武、 麒麟の男3人組はツッコミを入れた。
「エメはコードネーム無い」
エメラルドは頬を膨らませ、 今にでも泣きそうだった。
「ちょっとエメちゃんそんな表情しないの!」
青龍は頬を軽く叩いて慰める。
「コードネームは向こうで決めな! そろそろ時間だ!」
「あー異世界もこんな地獄じゃないといいな……」
青龍がボソッと呟いた瞬間、 その場にいた全員は異世界に転移した。さぁ、 ここから彼らの壮大な物語が始まる。




