Apex Predator Overrun
「たく……何だったんだあれは？」
人の兵士がボソッと呟く。
「見ろ！ 山頂が……山頂が！」
もう１人の兵士が怯えながら山頂に指を指した。 何故なら、 ルキナが使った弾丸が爆破し、 山頂が融解し始めたからだ。 そのうえ、 重度の放射能の汚染された。
「陛下はどうなった？」
さらにもう１人の兵士は王の安否を願うが、 その王はもうこの世にはいない。
「恐らく……先程の爆発に巻き込まれ……お亡くなりになられたかと……」
別の兵士がそう呟くと双眼鏡を持っている兵士が泣き崩れ兜を捕り、 頭を掻きむしった。 その場に居る兵士達も泣き始めた。
「おい見ろ！ 前線の兵たちが突撃しだしたぞ！」
１人の兵士が指を指しながら平地の方に指を指す。 それと同時に同時に青龍が急降下して突撃してきた。 青龍は兵士と激突して兵士の体がバラバラになり飛散した。
「きさま何者だ！」
別の兵士が青龍の背後から襲い掛かったがエメラルドにワイヤーでサイコロ状にカットされてしまった。
「お兄ちゃん痛い」
「ごめんね～よしよしするから許して～」
青龍はエメラルドの頭を撫でる。
「やだ！」
「敵襲！ 掛かれ！」
他の兵士と違う服装の兵士がそう言うと大勢の兵士が２人に飛び掛かる。
「行くぞエメ！」
青龍は大鎌を【転移】した。
「しょうがないなぁ～」
青龍とエメラルドは自身の武器を使い、 襲い掛かった兵士たちを目にも止まらぬ速さで次々に斬殺する。 その後、 辺り一面に欠損死体が転がる。
「きさまら……いったい……」
違う服装の兵士が腰を抜かすと同時に２人は兵士を見つめると同時に、 後から来た白虎と激突。 その兵士は潰れたトマトの様にぐちゃぐちゃになっていた。
「遅かったな」
青龍が白虎に声をかける。
「ハイハイ……」
白虎はつまらなそうに返答して、 エメラルドに後ろから抱き着く。
「俺は右の方に行くから2人は左の方に行ってくれ」
青龍が右の方に行こうとするとエメラルドが青龍に抱き着いた。
「また今度な！」
青龍はエメラルドの頭を撫でるとエメラルドは頷く。
「蛇之……」
白虎が青龍に声をかけ戦闘態勢に入る。
「ここは私に任せて！」
エメラルドは青龍から手を外すと覚悟を決めた様にキリっとした表情になる。
「わかった……終わったら何か買ってやるよ！」
青龍はそう言うと右の方に向かった。
「エメちゃんまた後でね！」
白虎はエメラルドを抱きしめ、 額にキスをする。
「うん……また後で～」
エメラルドは白虎の耳元で囁く。 白虎は顔を赤らめて左の方に向かって行った。
「たく……何の騒ぎだ？」
短髪のビキニアーマーを着服ている女がテントから出てきた。
「お前誰だ？」
女はエメラルドにそう聞くとエメラルドは虚ろな表情で笑う。
「I won't tell you, idiot」
『神社巡り：蛇窪』
エメラルドは特殊な亜空間から金色の七支刀の様な物を引き寄せ構える。
「なに言ってるかわかんねぇが面白れぇ小娘だな！」
女がそう言うとエメラルドはほくそ笑む。 ２人は同時に攻撃を開始する。 場面が変わり、 青龍が物陰に隠れて右の方にあるテントを襲撃しようとしている。 テントは1つだけで、 そこからジャージを着た金髪の不良青年がやって来る。
「おいそこにいるんだろ？」
青年は何処かを見つめながらそう問うと、 青龍が両手を上げた状態でそこから出た。
「バレてた？」
青龍は挑発するようにそう返答した。
「ふん……バレバレだ」
青年は青龍を睨みつける。
「へーどうするの？」
青龍は再度挑発する様な態度をとる。
「ここは狭いからやりたくない……ついてこい」
青年は青龍を広い場所に案内する。
「じゃあ死ね」
青年が青龍に急に殴りかかったが避けられてしまった。
「危な！」
青龍は大鎌で青年を切り裂こうとしたが腕で弾き返されてしまった。
（硬っ！ 体内に金属でも入れてんのか？）
青龍は首を傾げる。
「やるな……」
青年は口笛を吹く。
「首刎ねてやるから覚悟しろ！」
「そうかよ……じゃあこれでで相手してやるよ……フェーズワン！」
青年の足元に赤色の巨大な時計の様な魔法陣が出現して勢いよく赤い液体が吹き出し青年の姿を三つの頭を持つ犬に変えた。 全長約17m。
「おいおい！ ファイル化しねーと本気出せねーのか！？」
青龍が少し声を荒げると青年は青龍の上半身を引っ掻き大きな傷をつけたが傷と服が瞬時に再生した。
（マジかよ……）
青龍はクスッと笑うとケルベロスに飛び掛かった。 場面が白虎の方に変わる。
「全く……無駄な体力使わせて……」
白虎は尾骨を変形させ白い虎の尻尾をフリフリさせながらテントを探している。 そうこうしているうちにテントを見つけた。
「見つけた」
白虎は興奮して頭頂部から白い虎の耳が生え、 ニヤリと笑った。
『悪逆非道』
白虎の両腕に様々な金属が集まり、 青く光る。 すると、 金属はごつく巨大な籠手へと姿を変える。 その籠手の指先には鋭い鉤爪がついている。 白虎はそのまま敵陣に突撃した。
「何者だ！」
槍を持った兵士が白虎に挑んだが頭を殴られ脳震盪を起こし死んでしまった。
「敵襲！ 敵襲！」
１人の兵士が大声で叫ぶが、 白虎に切り裂かれ、 失血死する。 その後も、 白虎は兵士たちを撲殺し続け最後の１人になるとぴたりとやめた。
「ここであなたを止めます」
兜を被っていないが鎧をつけている女の冒険者が白虎に剣を向ける。
「手加減しないとダメそうね」
白虎は人差し指を立てて女を挑発する。 すると、 女は飛び掛かり白虎を真っ二つに叩き斬ろうとしたが、 白虎の右籠手がバラバラに崩れ落ち、 中から大きい白い虎の腕が出てきた。 女は再度斬りかかるが、 白虎は左腕でガードした。 またしても籠手は破壊される。
「これで終わりだ！」
目の色を変えた白虎が、 右腕で女の上半身を殴りつける。 すると、女の上半身がパンッと言う破裂音とともに消滅した。 女の下半身は後ろに倒れ、 ドチャッという鈍い音を立てた。
白虎は腕を元に戻す。 実は威力が高すぎて女の上半身が破裂した。
（ヤバい……やりすぎた）
白虎は女の太股を貪り食った。 場面がエメラルドの方に変わる。
「はぁ……はぁ……」
エメラルドは疲弊しているような演技をして相手を油断させている。
「おいおいそんなもんか？」
女はエメラルドを挑発する。
「ええ…」
エメラルドは剣を置いて演技を続ける。
「へっ……お前の兄も今頃死んでるだろうな」
女が嘲笑うかの様にそう言うとエメラルドの表情が変わった。
「サブスキル…禁忌の箱…」
エメラルドの周りに滅紫色の雷が発生し辺りを焦がす。
「本気で遊んでやるよ!! フェーズトゥー!!!!」
エメラルドの足元に青白い巨大な時計の様な魔法陣が出現。 エメラルドの足元からガシャン！という音とともに魔法陣に亀裂が入り、 そこから勢いよく赤い液体が噴出、 エメラルドはその液体を浴びて変身した。 変身したエメラルドの姿は、 上半身はエメラルドの姿だが腕が６本あり、 １段目の両腕は肩甲骨辺りから生えており、 ２段目はそのままで、 ３段目は脇の下から生えてる。 その腕に合わせる様に、 袖が３つある巫女服を着服している。 下半身は大蛇の姿をしており、 柄はアミメニシキヘビだが、 色はワインレッド。 全長約36ｍ。
「Don't think you can die easily you motherfucker」
エメラルドがそう言った次の刹那、 目にも止まらぬ速さで女を両手で捕らえ、 女の顔を見つめる。
「クソ! 話せ!!!!」
女は抵抗するが、 相手がわるかった。 エメラルドは３段目腕を女の肋骨に突き刺す。 そのうえ、 中指をオオベッコウバチの針にしており、 肺に毒液を流し込む。 女はあまりの痛さに絶叫する。
「頑張ってね～」
エメラルドは笑顔で女から腕を抜き、 女を投げ飛ばす。 投げ飛ばされた女の肉体はブクブクと音を立て膨張する。
「イヤダアアアアアア!!!!」
女は断末魔を上げながら空気を入れすぎた風船の様にパン！と破裂した。
「エメのお兄ちゃんを馬鹿にしたら醜く死ぬ、 地獄で布教しな‼」
エメラルドは見下すように不敵な笑みを浮かべていた。 場面が青龍の方に変わった。
青龍は何度も何度も青年の攻撃をかわしているが息が荒くなっている。
（クソ……埒が明かねぇ……あれを使うしかないのか‼）
青龍は苦戦しているようだ。
「しょせんそんなもんか」
青年は青龍を挑発するが青龍はため息をつく。青年の声にもエコーがかかっておりテレパシーで伝える。
「俺、 持久戦苦手なんだよな～体力無いし……」
青龍は青年の攻撃をかわし態勢を整える。
「フェーズトゥー！」
青龍の足元に紫色の巨大な時計の様な魔法陣が出現。 勢いよく赤い液体が勢いよく吹き出し、 青龍は液体を浴びて変身した。 変身した姿は全身黄緑色のキングコブラに、 指が四本ある龍の手足と先端が尖っていて枝分かれした金色の角が生えていた。 全長38ｍ。
「さて、 どうしよっかな～」
青龍は余裕そうな表情を見せる。
「青龍……きさま何考えやがる」
青年はそう呟くと青龍を睨みつける。 青龍はくるりと振り返りキャンプの方を見つめた。
『爆裂する劇毒』
青龍はキャンプの方に球体型のブレスを三発放った。 ブレスは無色透明で粘性のある液体だった。 青年はテントの方に向かい一発目のブレスにわざと当たった。 次の瞬間、 液体が爆裂し火の粉が飛び散る。 幸いな事に青年は火傷傷で済んだが、 火の粉が別のブレスに当たり爆破。 テントに炎が燃え広がり、 中にいた人は全員外に出たが、 煙を吸って全身が麻痺し、 バタバタと倒れ、 やがては心肺停止を引き起こし、 死んでしまう。
「なんだこれは……」
青年が唖然としていると猛スピードで青龍が突撃してきて青年の真ん中の頭に噛みつき毒を流す。
「クソ‼ 体が!!」
青年の体が動かない。 何故なら、 青龍が噛みついた際、 ドラゴントキシンＳと言う名の強力な神経毒を体内に注入したからだ。 この毒は人間を数秒で死に至らしめる。 データファイルの場合、 体が数分だけ麻痺し、 苦痛なく生命活動を停止させられる。 この毒はどんな毒耐性も貫通してしまうが青龍、 朱雀、 麒麟の血液が抗体として使える。 しかし、 青龍の血液は猛毒そのものなので、 使用する際は一度冷凍庫で凍らせ、 高温で解凍し、 コブラ科の蛇に血液を注入。 それから、８時間後に蛇から血液を採血。 こうして、 抗体が作れる。
「念の為、 下のテントは破壊しておこう……」
青龍は爆裂する劇毒を３段目テント目掛けて、 ５発放った。 この時ブレスは液体ではなく、 火球だった。 その火球がテントに着弾し燃え始めた。 テントから敵兵は出る事は無かった。 何故なら、 先ほどの煙が下の段にも充満しており、 敵兵は全身麻痺を引き起こし、 地面に倒れる。 だから、 誰も外には出られない。
「青龍きさまぁ！！」
青年は麻痺していて動けなった。 青龍は口を他の蛇とは違う動かし方をして、 青年を丸のみにした。 丸のみした後、 青龍は姿を元に戻したが口から灰を吐き出しガイドストーンを摘出した。 青龍は姿を戻す際、 大量の灰が出てきた。
「不味っ！ 食えた代物じゃない」
青龍は吐き出すように嗚咽する 。
「どういう事だ、 データファイルが食われて死ぬなんて聞いた事が無いぞ」
先ほどの戦いを物陰から見ていた女がいる。 その女の特徴は、 短髪で薄い金色の髪、 胸に赤色でXと描かれたサーコートと白いマントを着服していた。
（こいつらを殺さないと世界が終わ……ゲホゲホ……）
女は解毒薬を一口で飲み、 剣を抜き青龍を背後から切り殺そうとしたが、 青龍に気づかれてしまい、 攻撃を避けられ、 髪の毛を鷲掴みにされ、 そのまま持ち上げられる。
「ちょうどいい所に！」
『狩りをする竜』
青龍の腹が裂けハエトリソウの葉の様な口になり女を一瞬で捕食した。
「お兄ちゃん！」
元の姿に戻ったエメラルドが走りながら青龍に飛びつく。
「あら思った以上に早いじゃない」
白虎が辺りを見渡しながらやって来た。
「そうでもないだろ、 てか2人は煙吸っても大丈夫？」
青龍は２人にそう質問すると２人は「大丈夫」と答えた。
「２人ともどうするの？」
エメラルドはのほほんとした態度で２人にそう聞く。
「俺はやりたいことがあるからもう少しこの辺を見て帰るよ」
青龍はそう言うとエメラルドにガイドストーンを渡す。
「じゃあ私たちは帰るね！ 猫ちゃん行こ！」
エメラルドがそう言うと白虎は嬉しそうに頷いた。 ２人は【転移】し、 その場から立ち去った。
「さて～行きますか！」
青龍はさらに西の方へ向かった。
