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竜に願いを問うならば  作者: REN
二章.生の記憶
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16.動転

俺がギルドに入ってからもう今日で四ヶ月。大分依頼もこなせるようになって来た。


「ずげぇなお前!ここに入って来てまだ数ヶ月ってんのにもう二級になってんのか!」


「はは、あんがとな」


「こりゃ俺が抜かれるのも時間の問題だな」


俺には意外にも魔術の才能とやらがあったらしく、入ってたったの四ヶ月で異例のスピード昇進。

なんでも、最初の数回はクリスと一緒に依頼をこなした為に依頼の効率の良いさばき方を知れ、それにあの時の俺じゃ受注出来なかった依頼も共同達成という形で実績を積めたのも大きかった。


「……いた。レイ…すぐ来……」


「ん────クリス、どうした?」


そういうわけで、俺は今ではもうギルドの一員としてせくせく依頼をこなしている。


「ちょっとすまん、席外す」


「頑張るのも良いが、あんまり無理すんなよー!若いうちは身体が資本だからなー!」


「わーってるよ!」


クリスに手を引かれるがまま、俺はギルドの奥へと案内されていく。


「クリスいきなり何だよ。なんか俺に用か?」


俺がそう聞くとクリスはいつも人前に出るとき頭に被っている大きな人形の被り物を外して、


「リアさんが帰って来た。アンタ、話したがってたでしょ」


と言った。


「えっ...リアがか!?」


その答えに俺は動揺する。

と言うのも俺がギルドに入ってからずっとリアは何処かへ行ってしまっていて、会うことさえ叶わなかったのだ。事情を知っていそうなマスターに聞いてもアイツはそんな奴だの一点張り。

確かに俺が最初に来た時他のギルドメンバーの反応がアレだったし一応理解出来なくはないのだが……


「リアさんもアンタと話したがってるし、顔出しときなさい」


「ああ、そのつもりだ」


無論だ。

四か月間まったく話もしてない訳だし…それに俺をギルドに入れてくれたことに対して何か礼と言うか、感謝の言葉の一つは会って言いたい。








「お、来たかお前ら」


クリスから案内された場所に来ると、そこにはリアと、俺を待ち構えていたかのように部屋に入ってきた瞬間から話しかけて来るセンベルト。


「レインか……また随分成長したな」


「──まあな、四か月も置いてかれてたらそりゃ少しは成長する」


「はは、それについてはすまないと思っているよ。なにせ私もその時は忙しくてな、レインに構ってられなかった」


「どうなんだか」


なんか、四ヶ月前のセンベルトの気持ちが分かった気がする。


「ごほん、では人数も揃ったしそろそろ話を始めたいんだが…いいか?」


話の本題に入るため、センベルトはわざとらしい咳をして会話を切る。


「俺とリアがお前らを呼んだのは、ちょっとした報告があってだな」

「…なんだよ?」


「お前が最初にギルドに来た時……竜の襲撃に遭ったろ?そいつらの拠点を特定した」

「っ!!それって──」

「ああ、結論から言うとお前らに竜の討伐を手伝ってもらいたい」


竜、あの竜とまた戦うのか?


「……ちょっと待って、なんで私たちに声をかけるの?レインは破竹の勢いで強くなってはいるけどまだ二級よ、私は一級ではあるけどまだなってから日が浅いし……竜討伐なんて危険度が高い依頼、とてもこなせない。誰か他に適任がいないわけ?」


「それについては私から説明しようか」


クリスの質問をセンベルトの代わりにリアが受ける。


「二人は竜の外見、魔力の色や形を覚えているな?」


「ま、まあ…少しくらいは」


「どうやら調べたところあの竜は魔術を使って人間に化けているらしい。私とセンベルトが魔力の残滓をもとに捜索を続けているのだがなにせ潜伏先が大都市、成果は芳しくなく…」


「そこで俺たちの力も借りたいって言うことか」


「そうだ」


「ま、別に俺らだけで探しててもいいんだがよ、ここ数か月成果がないもんだから俺らも骨が折れてきちまってな。……どうだ、ちょっくら手伝ってはくれねぇか?」


「──分かった。そういうことなら私は探知探索が得意だし、役に立てる」


「レインはどうすんだ?」


「どうするって......」



そんなもの決まってる。



「やるしかないだろ。」


「そうか、では決まりだな」


「よーしお前ら!今日中にはここを立つからちゃっちゃと準備しとけよ~!」


「準備って…何処かに行くのか?」


「ああ、そうだぜ。行くのはなぁ────




ケンディルと同じく三強の一角に数えられる都市、旧王都リントだ。



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