第十六話 後輩君
遅れました←物凄く
ちょこちょことまた書いていきます
「うーん。いてて、思いっきりぶつなよー」
「あんたがいつまでも寝てるからでしょうが」
「だって燐堂先輩が来るまで自習でしょー?」
「もう来てるわよ!」
いや、自習なら寝ていいなんてことはないことをつっこもうよ。
そんなことを思っていると、可愛らしい容姿の子がこちらに向かってきた。可愛らしい顔立ちだけど制服が男性用だ。
「ふあぁ、どうも、先輩。自分は雪代綾輝って言います。歳は14で、そこの女と双子です。あと一応男ですから」
へえー、双子揃ってSクラスなんだ。てか、こっちも美少年というか女顔というか美形だなぁ。眠そうな顔立ちに柑菜さんと同じ水色の髪がマッチしていて一目見ただけだと普通に女子だと勘違いしそうだ。
「せんぱーい。いくら自分が可愛いからって、見つめられても自分にその気は無いですよ。あ、あと自分のことは綾輝でいいですから。」
…どうやらSクラスの人は心を読むのが得意らしい。てか可愛いの自覚してんかい。
「ぶー、チョコを早く食べてなのー。待ってるの」
「ああ、ごめん。いただくよ」
「はいどうぞ〜」
そう言えばチョコを試食するんだっけな。すっかり忘れてた。おかげで廻間さんがご立腹だ。なら、早く食べちゃおう。
「ちょっと待って先輩」
「え?」
食べようとしたら、綾輝君に止められた。なぜだろう?
「ねぇ、小夜。ええと、そのチョコって味だっけ?追求したの。なんか変な感じに仕上げてないだろうね?」
「大丈夫なの!美味いことは確かなの!」
「美味しいことは…ねぇ。なら、僕も貰おうかな」
「分かったの!被験sy…味見役が増えてくれるのは嬉しいの!」
その言葉に綾輝君は頬をひくつかせてる。うん。今被験者って言おうとしたもんね。
「先輩。気をつけてくださいね。この2人が何かをやるときは大抵ろくなことが起きませんから」
綾輝君が真剣だ。一体過去に何があったのか。
手元のチョコを見てゴクリ、と喉を鳴らす。見た目は美味しそうなチョコ。だが綾輝君が忠告を促すものだ。美味いとは言われても、実際はその人の味覚であり僕達とは違うかもしれない。
「…いただきます」
みんなが見守る中、僕は意を決してそれを食べたのだった。