第34話 え?ゆうわく・・・?
私は偉い!見た目は三十路のご老人?がそれぞれ後輩への思いを伝える約10時間にも及びそうな引退式を乗り越えた。お父様、お母様、渚さん、マニフィークさんはさすがしっかりしてた。これは早めに慣れないと死んじゃうかもしれないな。
そして今日は出発日・・・の1日前。皇女かぐや公式ルナコントにて合否に関する発表も終わった。準備をしていたんだけど・・・。
「姫様にはどれも似合います!どんな服がいいかな。3着ですよね?キリグ様をドキン!とさせるような服にしなければ!」
侍女のカリーナと服を選んでいた。
「別にドキンとさせなくてもいいんだけど・・・。このオフショルダーの薄いピンクのワンピースに白のカーディガンでよくない?」
「ひ、姫様・・・。ときめかせなくても良いとおっしゃる割にはかなり際どい服を・・・」
肩出しって際どいんだ。お母様は来てた気がするんだけど・・・。
「じゃあなんであるの?お母様も着てたし・・・」
「それは・・・姫様がいつかキリグ様を誘惑する時のため・・・。アナッサ様はご結婚なさっているので問題ありません」
「そんなことしないからね?!」
「残念です・・・」
いや、残念がらないで?なんで私がキリグなんかを誘惑するんだよ!気持ち悪いって言われて終わりになるよ!
「やっぱり肩出しのやつはいいよ。歩きやすそうなやつにしてくれたらそれでいいや」
「かしこまりました!全力で見繕います!」
「・・・ほどほどにね?変に際どい服は選ばないでね?」
カリーナは可愛いんだけどね。笑顔がお花みたいで。変にテンションがギュンギュン上がるから困っちゃう。可愛いから別にいいけど。
でもなんで私がキリグのことを誘惑なんて・・・。ダメだ、考えたら負け。アニメでも見て心を落ち着けましょう!
・・・ってなんでこんな時に最新話として上がってくるのがまおはんなの?!
「姫様、決まりました!って、どうしたんですか顔を真っ赤にしてしまって・・・」
「・・・カリーナのせい」
「え?もしかしてさっきの誘惑をいし・・・」
私が睨むとカリーナは黙った。だけどニヤニヤしてるのは変わらない。
「あ〜あ、ばあやがいないからエンポリオについてきてもらうのはカリーナにしようと思ってたけど・・・。いじめられちゃったしな〜。どうしようかな?チラリ」
「ごめんなさい!連れて行ってください!」
「ふふん、私と行動して迷子になっても知らないからね?」
「姫様が迷子になることなんてないかと!なったとしてもキリ・・・。はいゴメンナサイ」
この調子で大丈夫かな?でも楽しみだもんね!キリ・・・あの馬鹿が手配してくれたんだもん。誠意いっぱい楽しまなきゃ!
そして・・・私は当初の目的を完全に忘れていた。なんのためにエンポリオにいくのか。観光ではなく声優学校の視察ということを。
当日・・・
「お前・・・。なんだその荷物は」
「あ、やっほうキリグ!これはね、クッコロさんのアニメの限定のグッズでね、お父様が取り寄せたやつなんだけど・・・」
「エンポリオに行く大義名分は声優ガッコウの視察だろ!観光じゃない!なにやってんだよ、このアホー!」
城門まえの広場でキリグの怒りの声が響いたのであった。
せめて建前だけでも立派に・・・です。




