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ガラシャの右腕

「お兄ちゃん!どうゆうこと!?」


 訓練を終えてみんなでリビングで休んでいると、ガラシャがリビングに飛び込んできた。


「何が?」

「迷宮を育てるって、本気なの!?」

「えっ?ダメ?」


 まだ決めたばっかりなんだけど、どこから情報が漏れたんだろう・・。

 って、秘書に黙ってた俺も問題か。


「人が足りないって言ってるでしょ!」

「あぁ、それなら大丈夫じゃん?しばらくはドラゴンクロウ以外は使わない予定だし。」

「そーゆー訳にはいかないの!迷宮の周りをどうするつもりなの!?最低でも町くらいの規模は必要になるんだよ!?街道だって必要なんだよ!?わかってる!?」


  ガラシャがこんなに怒るのは久しぶりだな。

 俺が宿を一気に5軒買った時以来か。

 あの後は大変だった。

 主に人不足で・・。


「大丈夫。考えてある。」

「えっ・・・・ホントに?」


 ガラシャがいきなり静かになった。

 俺がうっかりしてる時はガラシャが頑張ってフォローしてくれるけど、俺が考えたことについては何も言ってこない。

 考えたことすらダメダメだったらグループ会社の社長なんてやってられないからね。


 というか、ガラシャが怒ってもこんなもんだよ。

 カリーナに見習って欲しいね。


「考えてあるなら大丈夫なのかな・・でも、建物を建てたり道を作ったり・・迷宮から色々運ぶのだって人不足で・・」

「大丈夫。少なくとも最初はね。」

「最初はって・・最初が大変なんだよ?」


 ガラシャが心配するのももっともだけど、そーゆーのは迷宮の規模が大きくなってからで十分だろう。

 大きくなってからは必要だろうけど、最初はうちだからこそ出来るやり方があるじゃない。


「ちなみに建物はどうするの?」

「建物って倉庫とか休憩所だろ?迷宮内でいいじゃん。上層でやられるような柔な鍛え方はしてないから大丈夫だよ。なっ。」

 といってドラゴンクロウのメンバーに話を振ると、オリンが代表して答えてくれる。


「まぁ、危険度で言うならかなり育った迷宮でもなければ少なくとも一階層は外とあまり変わらないでしょうから、大丈夫だと思います。ゆっくり休みたい時もあるとは思いますが・・」

「ほら、お兄ちゃん。休みたい時もあるって。」

「うーん。じゃあ小屋くらい建てるか・・。魔物避けの魔法をかければ柵とかは要らないしな。」

「あの、無ければ適当に寝ますから・・」


 オリンは少し遠慮がちだな。

 遠慮されると何かしてやりたくなる。

 やっぱり作ってやるか。


「それで、道はどうするの?迷宮から出てきた物資を運ぶのだって馬車も人手も必要なんだよ?商人だってすぐには見付からないし。」

「それは竜種にやらせるよ。ほとんどのやつが店の上で寝てばっかりなんだから、たまには働かせないとな。」

「店のシンボルなんだけど・・。まぁ大丈夫かな?迷宮が育つまでならそれで。」

「・・ちょっといいか。」


 イズナが話に入ってきた。

 先に風呂場で汗を流したのか、赤い髪が濡れていていつもよりも色っぽい。

 俺のお風呂の順番はまだかな・・。


「竜種で運ぶというが、どれだけ運べるものなんだ?そんなに沢山いるのか?」

「結構運べると思うけど・・」


 竜種を見たことがないイズナに運べる量と使える頭数を説明したけど、全然足りないらしい。


「そうなの?出来たばっかりの迷宮でも?」

「足りないな・・」


 迷宮に行ったことがない俺にみんなで説明してくれた。

 特にローザさんの説明がわかりやすかった。

 カリーナと同じ青い髪が濡れていて色っぽい。

 あれ?

 もしかして風呂は俺が最後なのか?

 一応ここの主人なんだけどな・・。


 みんなが説明してくれた迷宮は俺が考えていたものとは少し違った。

 というか、迷宮その物についての知識は大体合ってたけど、そこに入った人に起こることについて俺が何も知らなかった。


 ただの変わった洞窟みたいなものだと思ってたけど、全然違うらしい。

 迷宮に入った人達は中で死なない限り、結構短時間で出てくる。

 多くの戦利品を持って。

 迷宮によって差はあるけど、迷宮の中と外では時間のたち方が違うらしい。


 迷宮の中ではどんなに長い時間を過ごしてもほとんど歳は取らない。

 精々外で経った時間分だけだそうだ。

 つまり、迷宮にかなり潜っていたドラゴンクロウは見た目に反して精神年齢が・・・・あれ?

 計算が合わないだろ・・


 訓練をしていて知ったけど、コーラドールの四人は迷宮専門でやってる冒険者チームらしい。

 新しく出来た迷宮にも積極的に行くらしいから、迷宮にはかなり詳しい。


 で、みんなの話を聞いた結果わかったのは、物資の輸送部隊が全然足りないってこと。

 さて、どうするかね。


 現状を知った俺がまず始めたのは、竜種が持ち上げられるコンテナみたいな物を発注することだった。

 輸送量はそれでかなり増えるはずだ。

 元々竜種の輸送力にはまだまだ余裕がある。

 それに竜種はスキルのような力を使って飛んでるんだから、俺がいつもより多めに魔力をあげれば重さは問題にならない。

 まぁ単純に頭数を増やす必要もありそうだけどね。


 それと、迷宮を育てるにあたって今のニートグループの職種ではカバー出来ない商品や仕事が増えそうなので、毎日奴隷市場に通った。

 さすがにイゴイスの首都だけに毎日通う訳にはいかず、あちこちの奴隷市場を回る毎日です。


 はい。

 結局人が足りませんでした。


「ガラシャ・・あと何人いる?」

「迷宮を育てるなら何百人いても余らないから安心していいよ!」


 あっなんか、すごく楽しそう。

 俺が毎日人材を確保してくるからなんだろうけど、その分教育係は大変だ。

 さすがに今はガラシャも教育に回ってるみたいだけどね。


 それに、さすがに奴隷ばっかり買っても維持費が・・

 寝る場所を確保するのも大変・・あれ?


「ねぇガラシャ。結構人が増えたはずだと思うけど・・みんなはどこに行った?」

「あぁそれなら。宿に割り振ったみたいだよ。」

「みたいだよって、誰が?」


 仕事の割り振りは教育係のライアン、メトラ、ミリィの誰かが教育完了と認めた後で仕切り役のガラシャがやるはずだ。

 住む場所だってガラシャが決めてるはず。

 少なくとも今までは。


「お兄ちゃん、クレールってわかる?」

「・・ごめん。わかんない。」

「えっとね。ドラゴンクロウを買ってきた日に買った元役人の女の子なんだけど。」


 それなら覚えてる。

 確か15才くらいの女の子で超エリート。

 感情的にならない辺りが気に入ったんだったかな。


「そのクレールが宿の空き部屋が勿体ないから寮として使いますって。」

「いつの間に宿の稼働率を調べたんだ・・」

「地下室と一階の客室は元々ほとんど使われてなかったらしくて、売り上げには影響しないって言ってたよ。あと、外で働きたくなくて教育完了をわざと遅らせる人がいるから今後は屋敷では寮費を多目に取るって。」


 元役人だけあって即戦力だと思ってたけど、予想以上だったかな。


「あと、メイドとか、店でも新人のうちから給料を出しすぎだって怒ってた。今後は減らすって。」


 なんかガラシャが機嫌が良い理由が何となくわかった気がする。

 ついでにもう1つわかった。

 ここ数日は珍しく俺と別行動だと思ってたけど、自分の仕事をクレールに引き継ぎやがったな・・。


「優秀な人は良いね!お兄ちゃん、もっと優秀な人を買ってこようよ!」


 誰でも良いって言ってなかったか?

 まぁ船頭多くして船山に登るっていうし、優秀なやつが多すぎても困る。

 そーゆー意味ではガラシャがクレールと仕事の取り合いにならなくて良かったな。


 優秀な右腕ができて機嫌が良いんだろうけど、ガラシャのことだからその内自分で仕事を探してきてやっちゃうだろう。

 というか、たぶんクレールに経理と雑務を任せて秘書に専念するつもりなんだろう。

 まぁいいけど。

 ガラシャも少しは休めると良いんだけどね。

 俺より激務だし。

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