母親に告げた日
家の中だけで終われば良かったのだが、強迫性障害は
暴れ回り、家の中だけでは終わってくれなかった。
車の運転がどうにも困難になってきた。
人をひいてしまったんじゃないか・・・何もしていないことが
分かっていてもその強迫観念・・・つまり不安から逃れる事が出来なかった。
この、10年間で何度車のバックミラーを見ただろう・・・
自分の走ったあとの道が不安でしょうがないのだ。
小石がぶつかっただけ・・・少しの段差があっただけ・・・
それだけで手が震え・・・気になり元来た道を戻ることさえあった。
1度確認しそれで不安が止まってくれたらまだ良かったのだが
不安は認識してもまた出てきて不安を抑えることが出来なくなった。
途中、手が震えハンドルを握れなくなり車を止めた。
携帯電話を手に取り・・・母親に・・お母さん、家に帰れないと
自分がおかしくなっている事を初めて親に告げた日となった。
母親は、私に居場所を聞き急いで自分の車で迎えに来てくれた。
私の車を道ばたに置いていく事も出来なかったので・・・
気持ちが落ち着くまで母は待ってくれ、私が不安にならないように
私の車の後ろにピッタリとくっついてついてきてくれ
なんとか家に帰宅でき、家の玄関先で大泣きした日となった。