第2ゲーム ≫扉≪
PM9:45
関楓、仲嶋七穂、横田美世、梶原葉の4人はどうにかして出口を見つけようとしていた。
「うーん。特にないね」
「ものを壊せそうなものもないし……」
「壊せそうな所もない」
「完全に閉じ込められてるよね」
4人はついさっき、やることもないから出口でも探して見つかったら、後で皆に報告すると言うことだったが、
「本当に何もないね」
楓がつまらなさそうに言う。
「どうしよう、帰れなかったら……」
横田が不安げに言う。
「怖いこと言わないで!」
七穂が少し怒りなから言う。
「とりあえず……暇だし、もう一回探検してみる?」
葉が場を和ませようと言う。
「そうだね。何か見落としたヒントがあるかもしれないしね」
「そういえば、向こうの方いってないね」
「んじゃ。いってみようか」
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長野はまた1人、ここを出る方法を考えていた。
(一回、部屋を出るか……でもまだ起きている奴がいるかもしれないから、明日、朝イチで探すしかないか)
そう思い、今日はあっさり寝ることにした。
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「何もないね……」
「うん」
「こっちは何かあるかなー」
「……うわっ何これ!?」
その部屋の扉をあけると何かしみみたいなものが床や壁、天井にまで、至るところにまるで何かを知らせているかの様についていた。
「電気、つけてみる?」
「んと……電気っとー。あれ? つかないよ」
「えー。じゃあこのしみなんなのかわかんないじゃん」
すると楓が、
「……血だったりしてネェ~」
怪談話でもするかの様に言う。
「やめてよ!」
「冗談だよ」
「じゃあ向こういこうか」
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その頃、上杉礼次郎は玄関ホールでタバコを吸っていた。
(これからどうするか。良い手段がない訳じゃない)
「さて……」
上杉はタバコを吸い終わって、立ち上がった。
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「ほとんど鍵かかってるね」
「何か見られたくないものでもあるのかな」
「……さあ」
「なんか疲れてきたね」
「あとこっちだけだし、もう少し頑張ろ?」
「でも出口あるのかな? これといって何もないどころかほとんど鍵がかかってるし」
「でもあとで役にたつかもよ?」
「話してるうちに最後の扉だよ」
その扉は存在を気づかれたくなかったと言わんばかりに扉を閉じている。
「あー。ここも開かない」
「だめかー」
「じゃ、そろそろ部屋戻ろうか」
「ちょっと待って」
葉は何かが気になっていた。
「このしみなに?」
扉のはしにわずかについているしみを指で指す。
「しみなんて今までいっぱいあったじゃ……」
「皆さん、何しているのですか?」
「きゃあ!!」
「上杉さん!?」
「何で此処に?」
「玄関ホールでタバコを吸って、帰る途中、貴女達の声が聞こえたので気になって……」
「そうですか……何も無い、ですよ」
「……そうですか。では、おやすみなさい」
「お、おやすみなさい」
そのまま、上杉は部屋へ戻って行った。
「びっくりしたー」
「お化けかと思った」
「そろそろ皆、戻ろう?」
「そうだねー。葉さーん。いくよー」
「は、はーい」
葉はさっきのしみのことが気になっていた。
いや、さっきのしみだけじゃない。この屋敷のいたるところに実は小さく、そしてたくさんある。
それが気になって仕方がなかった。そして、このタイミングで上杉が現れたこと。
最後の扉。
あそこには何が、どんな秘密があるのか ――
謎は謎を呼び、精神力を震わせる。




