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≫罰ゲーム≪  作者: 饗彌
2/12

第1ゲーム ≫スタート≪

 梶原葉が目覚めたのはPM6時。

 外の景色が見えない部屋の中で電気だけが眩しく点いている。

(皆はまだ起きてないみたい……)

「ふわぁ~あれ?兄さん?」

「あっ! 月夜ちゃん」

「んと……葉さん? でしたっけ?」

「そうよ」

「すいません、人の名前、覚えるの下手で」

「気にしないで。それより、これは……」

「皆は寝てるだけだと思う。とりあえず、兄さん……」

「兄さーん。起きてー生きてるー?」

「……ッ、ん……と、これは」

「あ起きた」

「あ、あの……皆は大丈夫なの?」

「あー大丈夫だと思いますよ。さっきのは毒ガスじゃあないみたいなので。毒ガスだったら俺ら、死んでるし。多分催眠ガスか何かでしょう。……すいません、ちょっと寝ぼけてて……」

「しっかりしてよー兄さん。カワイイから許すケド」

「……。とりあえず皆を起こしましょうか」

「そうだね」

「えっ! 無視!?」

「葉さん? 大丈夫ですか? 落ち着いて」

「あっうん……」

「ねぇ、無視ですかー」

「月夜、煩い」

「ふぬぅっ!!」

「何だそれ……」

 何でこの兄弟はこんなに冷静なんだろう?

 もっと慌てたっていいのに。私は手が震えて止まらないのに。

「怖くないの? これから何が起こるかわからないのに……」

「冷静になれば大丈夫です。多分」

「結構曖昧だね……多分って」

「兄さんに怖いものは無いです!」

「お前は少しビビってろ」

「ムう~」

 そして全員、起きて部屋中が大騒ぎになった。

 どうして眠らされたのか。

 どうして外の景色が見えない様になっているのか。

 どうして外に出る為の出口がないのか。

 どうしてこんなことになったのか。

 皆はただゲームをしようとしただけなのに。

 液晶画面に何か映し出されている。


 夕食ノ仕度ガ デキマシタ。食堂ヘ、ドウゾ。


 という文字と食堂への地図が映っている。

 話し合った結果、とりあえず食堂へ行きそのあと出口を探すということになった。

 上杉礼次郎さんのアイデアだ。他にやることもないだろうからということだ。

 食堂に向かう途中、やはり気になっていた。

 あの兄弟は何故あんなに冷静なのか?

 他の人は取り乱すのに。夜月くんの言葉を思い出す。

『冷静になれば大丈夫です。多分』

 ……少し信じてみよう。

 その言葉で少し落ち着くことができた。


→→→→→→→→→


 食堂に向かう途中、長野勇は1人、別のことを考えていた。

(こっそり抜け出して出口見つけて、こんなとこさっさと出てってやる!! 何があるかわからないところにいつまでもいられるか!!)


→→→→→→→→→


(ん? あいつは……)

 夜月は1人違う方向に向かう長野が気になった。

「…………」

「何処に行くんですか? 食堂はこっちですよ」

「ん? あ、ああ……そうか」

 月夜は相変わらず警戒しているようだ。

「おじさん何で無職なの? 働かないとお金なくなるよ?」

「おい! 月夜!!」

「ああ、いいよ別に。おじさん、お金持ちの家の長男でねお金はいっぱいあるし、家は弟が継いでくれるからいいんだ」

「ふーん」

「って、こんなおじさんカッコ悪いよねぇ」

「うん、すごく」

「こら」

「はは、そこまではっきり言われると傷付くなぁ」

 月夜はさらに警戒する。

 ただのニートか。と思った夜月だった。


→→→→→→→→→


(クソッ!! こいつのせいで出口を探せられねぇじゃねぇか!!)

 長野はまた別の案を考えたがいい案が思い付かなかった。

(それにしても美人ばっかだな。特にあの月夜っていう子)


→→→→→→→→→


 食堂に着いた。テーブルにはすでに全員分の夕食が用意してあった。

 山口徹は久しぶりのちゃんとした食事に驚いた。

 テーブルの側にある液晶画面には、


 ドウゾ、椅子二腰ヲカケテ食事ヲ召シ上ガッテクダサイ。


「召し上がってっていわれても」

「毒が入ってたらどうする?」

「誰か毒味する?」

「嫌だよ!そんなの!!」

「兄さん、お腹すいたぁー」

「……お前は少し黙ってろ」

「…………」

「……あっあの、僕が味見するよ!!」

 周りが止める前に徹は食べ始めてしまった。

「…………」

「徹くん?」

「大丈夫?」

「これ……。すごく美味しいよ!」

 しばらく食べるか食べないか口論をしたあと結局たべることに。

「兄さん、僕もっと美味しいものが食べた……」

「我慢しろ」


→→→→→→→→→


 夕食を食べた後、全員で出口を探したけど何処にもなかった。

 全部鍵がかかっていて。

「壊せそうもない。まず道具がない……皆さん、携帯など外部と連絡が取れそうなものは無くなってしまったんですね」

 夜月が場の指揮を執る。

「と、なると連絡手段が無い。ただでさえ電波が悪そうだから他に方法が無い。食料は見たところ15日分しかない。それまでになんとかして脱出しないと……」

「てか、なんのためにここに閉じ込めてんのさ?」

 月夜が言う。

「さあ……それはわからない」

「さすがに頭のいい兄さんでもお手上げかな??」

「煩いぞ月夜。今考え事してるんだ」

「ムう」

 するといきなり液晶画面に文字が映った。


 今日ハオ疲レニナッタデショウ。

 部屋ヲ用意シタノデ、オ休ミクダサイ。


「見た感じ部屋数少ないね」

「兄さん! 一緒に寝よ?」

「はいはい……」

「ホント仲良しだね」

「徹くんも一緒に寝よ? だめかな?」

「う、うん。いいよ」

 部屋は、

  1、夜月 月夜 徹

  2、横田 七穂

  3、上杉 昭太

  4、長野

  5、葉 楓

 となった。


→→→→→→→→→


「月夜。徹ももう寝たし俺らも寝るぞ」

「ほーい」

 電気を消すとたちまち部屋は暗闇に染まる。

「……兄さんそっちにいっていい?」

「どうした?」

「ちょっと……」

「わかった。おいで」

 夜月のベッドに入り込んでくると月夜は夜月の背中に抱きつき顔をうずめた。

「どうした?」

「部屋暗くて……」

「お前、昔から暗いとこニガテだもんな」

「おやすみ」

「うん、おやすみ」

 暗闇の中、夜月は1人考えていた。

 これからどうするか。


 もう、ゲームは始まった。





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