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赤リンゴの回ー8

周りを見ると皆の視線を独り占めしていた。



ジョニーが伸び伸びしているがそんな趣味俺には無い。




残りオークの数は40程。



広場の奥にロングソードを投げつける。

子ゴブリンを拐おうとしたオークの顔面に命中

豪快に膝をつき血とピンク色の肉片と眼球を地面に撒き散らす。

顔から生えたロングソードを触りながら絶命していく




鎧オークからロングソードを奪い、もう一本はヘイヌに投げ渡す。

振り替えるとオーク連中は一ヶ所に固まり此方に土下座している




ん?



なんかフゴフゴ言ってんな?

「村長コイツら何て言ってるんですか?」


村長が居る家に大声で呼び掛ける


村長はヨロヨロと歩きながら

信じられないという顔をしている。

周りを見ると他のゴブリンも呆然という顔で見てくる。

中には恐怖の表情を作るゴブリンも。

ヘイヌは、、、ロングソード片手にキリッとした顔で此方を見てくる。



とりあえずほっとこう。




「テ……テトラさん」

村長は仰々しくゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込む。


「はい?なんでしょう?」


「テトラさんが今倒したは奴は豚鬼族オークの忌子として産まれた怪物ですよ。それをこんな短時間で、、、」

村長が軽くテンパってる、腕や顔をパタパタと動かしながら説明してくる。


「血染め将軍バンターそれがこの者の名です」


村長は鎧オークを指差す。


「忌子、血染め将軍?」


「忌子は魔族の生まれ変わりと言われています。諸説いろいろなありますが何かの拍子で魔族の血が混ざり生まれながらに暴力、恐怖、破壊の加護を所有する者です」


加護か中二心を擽られるワードが出てきてしまった。


「バンダーは豚鬼族オークの中でもその強さで周りを恐怖と暴力で統一し鳴り物入りで亜人帝国軍に入団した、戦場では殺した相手の血で自信の鎧が染まる様から血染め将軍と言われるようになりました」


「村長詳しいですね」


「……バンダーは有名ですから。軍を退いた後はウーゴ大陸に戻り盗賊崩れに成り下がった愚かな奴です」


そんな奴を倒してしまったか

視界にオークの一段を見遣る


涙を流しながら殺されたオークにすりよる者や呆然とする者、恐怖しながらこちらを見るものと様々だ。


さてコイツらはどうすればいいのかね、、、全員殺すのもなぁ~と思いながら一団に近づいていく。




「旦那許して下させぇあっしらはバンダーの命令で仕方なく奴隷商を遣ってただけなんです」


一匹のオークが土下座しながら前に出くる。


「お前喋れるんだ?」


「へぇ!軍に居たときに知恵の実を食ったので」


雰囲気が明らかにスネ夫的な奴が必死に作り笑いをしながら訴えてくる。


曰くバンダーの恐怖政治には逆らえなかった事。

曰く家族を人質にとられどうすることも出来なかった事。

曰く逆らえば一族朗党皆殺しに合うため命令には逆らえなかったとの事。


故に許してくれとは言わないが寛大な処置をして欲しいとの事。



まぁ気持ちは分かるけど、それでも、、、



「フゴゴゴフゴ~フゴ~フゴフゴ!!!」


遠くの方で此方を睨み大声で何かを叫んでる奴がいる。



「なぁ、あいつなんて言ってるんだ?」


スネオークが逡巡する


「いいよ、誤魔化さず伝えてくれ」


「その、何故私の夫を殺したのかと、夫はとても優しくて他種族の亜人を拐ったり殺したりできない、全部バンダーのせいなのに、何故殺したんだと」


…………


「フゴゴ!!」


「私は絶対お前を許さない!私がお前を殺してやる、と」


叫びながら襲いかかるが周りのオーク達が止めに入る



様々な感情がゴブリンの集落に流れ

静寂が訪れる










風が吹き木々が揺れ葉と風が一つのメロディーを奏でる

まるでこの場を取り繕うように。



上手いことは言えないが。


「恨んでくれていいし何時でも殺しに来なよ。

でも拐われた亜人の中にはアンタの旦那位に優しい奴もいたんじゃない?ソイツらはきっとアンタ達を恨んでるだろうし、人生狂わされた奴もいるから、おあいこって事にしない?納得はいかないと思うけど…」


スネオークは頷き、一団の元に駆け寄り説明しだす。


俺は困惑顔の村長に向き直る

「後の処置は村長に任せます。疲れたから休む!」





俺は振り返り家に向かう。










立ち止まり後ろを振り返ろうとして思い止まる、今彼らの顔を見たらきっと……

鼻息を一つ漏らしそのまま家の方向に足を進める。

スネークという響きのよさw

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