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赤リンゴの回ー5

えぇはんなりと気づいてましたよここは地球では無いという事に


えぇ薄々気づいてましたよ俗に言う【異世界召喚】的な奴なんではないかと。




だって日本にはゴブリンいないもん。


でも一般的に召喚される場所って王国とかじゃねぇの?


なんで草原?





ーーー


案内された家で寝大仏のように寛いでいると。


何処かに行っていたゴブ子が戻ってきた

ブラスαで全身しわくちゃで背丈がゴブ子の半分程のゴブリンがゴブ子に手を引かれ俺の目の前に座る。



一瞬梅干しを想像したが、流れからすると村長的な人かな?

お洒落な木製のペンダントっぽいのをしているので

お洒落梅干し村長ゴブリンと名付けよう



うん、長いから止めよう



「ギィギギギィギィギ」ゴブ子は梅干しゴブリンに何かを話しかけている、

梅干しゴブリンはうんうんと頷き開いてるのか開いてないのか判別のつかない目を此方に向ける。


俺は身体を起こし、胡座をかく。何だろう何とも言えない緊張感が辺りを包む。



「人族のお方よ……」


「!!!」


日本語だ…呆気にとられしばし思考が停止する。

緑色でしわくちゃなゴブリンが日本語話すなんて予想外です。


「ヘイヌが無礼を働いたようで、どうか許して下さい。私はこの集落の村長キャカと申します」


ヘイヌってゴブ子の事かな?


「何故人族の方がこんな辺境の山奥にいらっしゃるのか理由をお聞かせ願えませんか?

そもそもどうやってこの地に来られたのですか?」


にしてもこのキャカという村長は随分流暢な日本語だな。いやそんな事よりも俺の方が聞きたい事がやまほどあるんだ。

返答に困っていると


「おや?言葉がわかりませんか、私の言葉は共通語のはずですが?」


「いや、いや!分かりますよ村長さん、山奥にいる理由ですよね?それが俺にもさっぱりで」



村長に今までの経緯を説明する。


「日本ですか。三百年程生きていますが聞いたはことはありませんな?その貴方を襲った黒い奴というのがこの世界に転移させたと思うのですが。

しかし考えられません時空や次元を超え全く別の星に行くなど」


まぁ大体予想してた回答が返ってきた。


「であれば貴方は日本という所で暮らしていたが突然黒い奴に襲われ気が付いたらダルダイア平原に飛ばされ、あてもなく走っていたらヘイヌと出会ったという事ですか」


梅干し村長は何かを確かめるように聞いてくる


「まぁそぉすね、正直俺も何がなんやらで。でも日本語が通じる村長さんに出会えてとりあえず安心しました」


全く安心してないけど社交辞令だけは言っておこう。

俺の言葉を聞くと村長はホッと安堵したのか大きく息を吐いた。



「正直申しますと。この大陸に人族が訪れるなんて事はまずありえないので最初は我々の村を襲いに来たのかと思っておりました。ヘイヌの顔も腫れてるので、ですがヘイヌは救世主を連れてきたと言っておりまして話してみるとなかなかしっかりしたお方で。名前は何と仰るんでしょうか?」



救世主?俺の中のメンドクサイコトになるセンサーがビンビン反応してるのでとりあえず触れずにはスルー


「名前は手嶋虎雄です。トラかもしくはテトラと呼んで下さい」


懐かしいなこの呼び名、友達との付き合いが基本的に無い俺だが、小学生の時ただ一人親友っぽい奴ができてそいつが俺の事をテトラ、テトラって呼んでたな。

手嶋虎雄の苗字の最初と名前の最初をくっつけたじつに子供らしい発想のアダ名。

あいつ今なにしてるのかな。ふと故郷の事を思い出したら少々オセンチな気分になる。




「あの村長さんはなんで日本語話せるんですか?隣のヘイヌはギィギィしか言わないのに、ってか村長さん達は何故緑色なんすか?ってかここはどこですか?」


内心のオセンチな気分を下記消すために質問しまくる。


「日本語というのはよく分かりませんが私が人族の言葉を喋れるのは昔【知恵のすべてをしるもの】を食べたからだと思われます。

知恵の実を食べれば他所族の言語が分かるとされる魔法道具マジックアイテムです」



なんて便利な……

「どこで手に入るんですか?」


「ここには無いですが恐らく中央大陸や大きな都市に行けば売ってると思われます。あと私共は俗に言う´亜人族`と言われる系統の一つ小鬼属ゴブリンと言われております。小鬼族の肌は緑色が基本となっております。

私共はからすれば人族の肌色の方が珍しいのですよ」


場を和ますように村長が笑う

やっぱりゴブリンだったか。だって皆ブスだもん、


「そしてここはマーゴ大陸の果ての果てウーゴ大森林です。

亜人属の多くがここで暮らしております。主に小鬼族ゴブリン豚鬼族オーク蜥蜴族リザード人蜘蛛族ジグモ人蛙族カエル人蠍族サソリといった所でしょうか」



どの部族も容姿が想像出来たので会いに行こうとはならない、それよりも。


「村長、マーゴ大陸って言うのがこの世界の名前なんですか?」


「この星の名前はレムリアと言いますマーゴ大陸はレムリアの中では端の方になります」



ふむふむ成る程どうやら他にも大陸はあるようだ

ヘイヌを見ると小さくうんうんと頷いている。

いやお前人族の言葉分からないでしょ?



「マーゴ大陸には人族はいないんですよね?」


「そうですなマーゴ大陸はやや特殊でして本来ならどの大陸にも人族はいます。ですがここ《マーゴ大陸》に関しては人族の数はゼロです。

大森林の精霊の名の元に人族はこの大陸には入れないようになっています。

ですのでテトラさんが今ここにいることの方が非常識といいますか」



そう言われると何だか居ちゃいけないみたいな空気が…

でも俺だけ特別みたいな感じでテンションが上がらなくもなくもない!


「あの、近くに街とかあるんですか?」



「マーゴ大陸に街はありません。文明を捨て、俗世から離れた大陸それがマーゴ大陸です。とこまでも続く木々と清らかな水そして全てを覆う緑のみです」


どうやらとんでもねぇド田舎に飛ばされたようだ、そうだ!試しに聞いてみよう。


「村長今って何月何日とかってあるんですか?」


村長が顔を綻ばせる


「何月何日ですか、懐かしい言葉ですな」


あら!!日本の共通語がhitした!

それから村長に色々説明を受けた結果分かった事は。


①季節の呼び名は日本と同じで春、夏、秋、冬と聞かされ妙な親近感を覚えてしまった。

何月何日のフレーズに村長が懐かしさを覚えたのは昔マーゴ大陸を離れて亜人帝国という所に勤めていたらしくその時に使っていたらしい。

マーゴ大陸には春、夏、秋、冬も何月何日も無いらしい。本当に文化を捨てた民族との事


西暦の呼び名は黄龍歴

何でも黄金の龍と勇者が魔王を倒した日からそう呼ばれたみたい詳しくは村長も知らないらしい。

因みに今は黄龍歴762年7月20日頃だそうだ。

何なの黄龍歴とか無駄にカッコいいけど中二感がエグくね。

まぁ黄龍歴って聞いて余りのダサさにちょい吹いたら微妙な空気になったエピソードは言わなくていいよね?



②一日は24時間

地球と一緒だけども但し時間を計る時計はマーゴ大陸には無いそうだ。この集落では太陽の位置で時間を計るそうだ、夜は月で計るとの事。

呼び名も太陽と月であってるみたい、地球との共通点は結構あるみたいだ…



③文字に関しては全く読めなかった村長が地面に色々と書いてくれたが旧約聖書みたいな文字だったので訳ワカメ。

村長に読めないと泣きついたら知恵の実を食べると読めるようになると言われてとりあえず一安心。


こんな感じで村長に色々聞いていると。

「ギィーギィーギィー」

「ギギギィ」

「ギィギィーギィ」

何やら外が騒がしいな?何かあったのかな。



「ギギギィギィギ」ヘイヌが村長に話しかけている。

「ギィ」村長が短く答える、すぐさま外に駆け出すヘイヌ。



村長も立ち上がり入り口に向かって歩く「テトラさん隠れていて下さい。奴隷商の豚共が村を荒らしに来たようです」






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