表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/33

赤リンゴの回ー4




我が師匠は仰られた。

【武は老若男女問わず打あるのみ】と





イッ○師匠私は貴方の教えを忠実に守ります。

先々月TSUT○YAで借りたDVDに影響されすっかり気持ちは詠春拳の使い手となった俺が今やっている事は。







馬乗りにってゴブリンをボコボコの刑


コイツ人を殺そうとしたくせにチョー雑魚なのがムカついたのでお仕置き中です。




タコ殴りにした後、

ゴブリンは俺にペコペコとしだす。何だろうこの上司に逆らえないサラリーマン的な行動に思わず笑ってしまった。

まぁそれプラス顔面がボッコボコに腫れ、よりブスになったゴブリンを誰か笑わずにいられようか。



こんだけやればもう襲われることはないだろう。



改めてゴブリンをみるとお股の所が何もない。メスゴブリンだったのかな?

だがあえて真相を究明する気には慣れない。

答え:どうでもいい



「ところでここどこ?」


「ギィ!」


「ギィ以外に喋れないの?」


「ギィ」


「なんて言ってるか分かんないんだけど…」


「ギィ」


「…………………」


「ギィ」







おっけ!とりあえずせっかく出会えたしゴブ子(仮)には日本語を覚えてもらうか。



お互い苦笑いしていると



ぎゅるるるぅぅ~と正大になる腹の虫

あら?そういや何も食ってないから腹へったな。


腹に手お置き空を見上げる


ゴブリンとの一悶着で意識してなかったが今は太陽が元気に仕事してましてちょっと暑い位だった。


「腹減った~~」

思わず叫んでしまった。


「ギィ」


「ん?」


ゴブ子(仮)は成る程みたいな納得顔になり俺を誘導するように歩きだす。


ついて来いってことか?

行った先で仲間が居て復讐って流れかな。

躊躇したがいざとなったら全力で逃げれば大丈夫だろゴブリンは足遅そうだし。

何よりもこれ以上あてもなく草原を走るのは正直シンドイ





ゴブ子(仮)は5分程歩いた所で止まり何も無い地面に向かって棍棒を叩き始めた

何度も何度も。



何度も何度も地面を叩くゴブ子

何度も何度も

地面を叩く叩く音だけか切なく響く

一心不乱に地面を叩いている、すんごい真剣な表現で



なんか怖い……

どうやらゴブ子(仮)サイコパスだったようだ。

その場を立ち去ろうとして身体を反転

「ギィ」

とゴブ子(仮)が短く鳴く

恐る恐る振り向くと。


ゴブ子(仮)が叩いていた地面が青く光だす。

「ギィギィ」

手招きするゴブ子(仮)



近づいてみると地面には直径一メートル程のミステリーサークルもかくや、といった何かが出現

これはアニメや漫画でよく見る魔法陣というやつではないだろうか?


円の内側の幾何学的な模様からは青い光が放出


「おお、すげー!なんだこりゃ!」


歓喜の声を上げるとゴブ子(仮)が一瞬ドヤッとした顔をしたがあえて無視していこう

ゴブ子(仮)は魔方陣にピョンっと飛び乗る

魔法陣に吸い込まれるように身体が青い光の粒子になり一瞬で消えた。



「………」



まじか……

凄い凄いけどさ、流れ的に俺が次にこの魔法陣に飛び込むんでしょ?

ちょ~嫌なんですけど!まずどこに行くの?どこに繋がってるの?いやそもそも飛び込んだ後俺どうなるの?仮に違う場所に行くとしてもとんでもねぇ所だったらどうすんだよ!しかも本当に大丈夫なのゴブリン専用みたいな魔法陣じゃないの?ちょ~嫌なんですけど!


散々愚痴ったが聞く相手は自分一人最終的には何とも言えない顔をした俺は、どうせ一回死んだようなもんだからいっか。という結論にいたり魔法陣に飛び込む。








まばたき 一つしない間に目の前の景色が変わる


「ギィ」


相変わらずゴブ子(仮)はブスだけどそんなことよりも


森林の中なのかな?

村?のようだけど森のなかって感じか。

まず目についたのは木の皮や葉っぱで作られたような家

おおよそ二十の家々がぽっかり空いた広場を囲うように配置され家々の後ろ側は木々がお生い茂り森と一体化した集落という印象を強くさせる。

真ん中の地面は草が無く茶色い土が見え中心部では枯れ木を燃やし焚き火の炎が上がる。

生活感が感じられる。

数人のゴブリンの姿が目にはいるが…



全員同じ顔なんだね。





ゴブ子(仮)以外のゴブリンが俺をガン見してくる。

まぁそりゃ見られるよな急に人間が現れたら

あっ!他のゴブリン達も股には何もぶら下がってない、って事はゴブ子(仮)は女ってわけじゃないのか。




「ギィ」顔面を晴れ上がらせたゴブ子(もうゴブ子でいいや)が俺を誘導し集落の奥にある家に案内してくれた。


中に入るとムンとした青臭さが鼻を襲う。木で出来た家だから当然か床や壁は木の皮や葉が入り乱れ何重にも、編み込まれている作りのようだ、とりあえず座ってみる。




うん!生尻にも優しい感触だ。


ゴブ子は「ギィギィ」言いながら大きめなザルを持ってきた、木の実のような物が上に乗っているザルを俺に差し出してくる、満面の笑顔だ。


食えって事かな?見た目はクルミっぽいけど…恐る恐る口に入れる。


「あっ!うまっ」

見た目通りクルミみたいな味


ゴブ子は「ギィ」と言い何処か満足げに家を出ていった。



どこ行くの?まぁいいや今はクルミ擬きを食べる方が大事だ。




食い終わりしばらくボッ~っとしていると何十時間か振りにギィ以外の声が俺の耳に響いた。


最後までお読み頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ