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無花果の回ー10

「今度心臓の色見せてね」


 と訳の解らん事を言っていたのでおもっくそ無視してジャック診療所を立ち去る。


 ホテルイージーに帰えるべく東地区の廃ビル街を歩いているとバイクの騒音が耳にあざとく響く。


「ヤメ! ロ! アθπΚケ!」


 騒音に混ざって可愛らしい叫び声か聞こえてくる。

 後半よく聞き取れなかったが。

 アウトロー街+可愛らしい叫び声=美少女の危機という方程式は古今東西どんな男でも思いつくだろう!

 一にも二にも現場にGO!


「λφΩμΨβξ! κΣΚπТкпё!!!!」


「黙れ! クソガキ殺されてえのか!」


「おい! 口塞げ誰かきたら厄介だ!」


 垂れ下がった獣耳少女がオッサン二人に組伏せられてとる。

 あらららら、これはどう見てもよろしくない状態だな、さてどうしようか。



「オイ! 早く奥つれてって犯しちまおうぜ!」


「分かってるよ! ヘヘ観念しろよ今たっぷりと可愛がってやるからよ!」


 ハイ、グズ決定!

 台詞がテンプレ過ぎる、こういう輩は、悪・即・斬!

 忍び寄り男二人の襟首を掴み引き剥がす。

 後方に飛ばされたグズ共は尻餅をつく、汚い格好、汚い髭面が以下にも感がある。


「なんだ! てめぇは邪魔すんな!」


「クソッ尻が痛ぇなメッタ刺しにしてやる!」


 しょうもないナイフを出してお決まりの台詞を吐くクズ二匹、ここは俺も負けずにお決まりの台詞を言うしかあるまい。


「天知る地知るマルコメ味噌汁お前は誰だと、えっと、なんだっけ? お前は誰だと、人が呼ぶ的な!」


「は?」


「は?」


「ン?」


 いかん!空気が変な感じになってしまった。


「くだばれ!」


 先制のダブルパンチを暴漢二匹の顔面にお見舞。

「くひゅ」だか「こふっ」だか言って暴漢どもは地面におねんね。


 危ない所だった。

 いろんな意味で、振り返り襲われかけた人物を見る、幼いが将来はどエライ美人になるであろう顔は眉毛が八の字に下がり目は朝霧の露の如く潤み、灰色の髪が乱れ獣耳は元気なく落ち。

 華奢な身体を包む白のワンピースは暴漢達に汚され、破られ発達途中の身体が色々見えそうで危ない。

 これ今叫ばれたら俺が襲ったみたいな感じにならないか?


「大丈夫?」

「ウ、ダレ?」

「正義の味方」

「ウ、?」

「…正義の味方、とか?」

「ワ、カラナ。イ?」


 どうしよ、とりあえず今の格好はよくないな。

 上着を脱ぎ少女に掛けようとすると


「ヒッ」


 小さな悲鳴を上げ座ったまま後ろに逃げよてしまった。

 ちょ~怖がられてる~。


「あ~、おれ安心、奴ら危険。上着渡す。オケー?」


 少女は何かの人形のように頷き俺の上着を羽織る。

 よし!


「警察行く、オケー?」


 俺の言葉に少女は首を横に振る


「ケイサツダメ、ツカマルダメ」


 マジか、どうしよ。

 このまま見捨てるのも後味悪いし、そんなつぶらなで俺を見ないでくれ。

「……」


「…」


 グギュルルッ二人の沈黙を引き裂く腹の音。

 少女は恥ずかしそうに舌を俯き両手をお腹に当てる。

 なんていじらいんだこんちくしょう。


「あっと、飯行く? 奢るよ」


「イ、イクメシイク!」



 素直だな。



 ーーー


「ナマエハ、ルウ。トシハ、ワカラナ、、イ、スープウマイ、エット、、クサ、イラナイ、ニク、ウマイニクゥマイ!コノサキニスンデ、スープウマイ、ニクゥマイ、アッ、コワイヤツカラニゲテキ、タタタオカワリ!」


 表通りの屋台でラーメンを食べる。

 まさか異世界に来てラーメンを食べることになるとは

 琥珀色のスープは鳥ベースの塩味、鼻から抜ける鳥の風味、スープに浮かぶ程よい量の油がコクと香りを拡げる。

 スープに絡まる細麺ストレートは飽きない歯応えで何杯でも喰えると思わせる一品。

 トッピングの一口大の鶏肉は柔らかく余計な味付けは無くスープと麺を汚さず一口噛むと鳥の旨味が口で爆発。

 彩りで添えられている三葉が目にも優しい正に至高の一品。


「テトラ…」


 こんなウマウマなラーメンを作るのはガドル族の顔と身体が岩のようにゴツイおやっさん。

 見た目と違いこんな繊細な味を引き出すとはいい仕事してますねぇ~。


「テトラ!」


 ちなガドル族の男は巨漢、女はグラマラスなダイナマイトバディだそうだ。

 これは是非ガドル族のお姉さんとは仲良くなる必要が、痛っ。

「テトラ! ムシヨクナイ!」


 スーが胸元をポカポカ叩いてくる、


「ルウ、ヒッシ、ヒッシニ、ハナス、テトラムシ、ヒドイ!」


「失礼な、ちゃんと聞いてただろってかお前どさくさに紛れて何二杯目食べてるの? 金払うの俺だけど。」


「ルウ、ジンゾクノコトバニガテ。テトラノコトバワカラナイ」


「嘘つけ! 今まで普通に会話してたろ、おやっさん、俺にも御代わり」


 巌の用な顔には無数の傷、鋭い眼光はどこのヤ○ザだと言いたくなる怖さ。

 おやっさんは俺を一瞥した後「スープ切れだ」とビックリする位の小声で呟き手際よく厨房を片付け始める。


 なっ最後の一杯をスー取られてしまった。

 なんてタイミングが悪い


「ルウさんやちょっと一口おくれ?」


「ダメ、テトラ、ギョウギワルイ、メシチュウハ、シズカニスル」


「いや行儀も何もそれ俺の金なんだけど」


「テトラ、コマカイ、オトコハコマカイ、キニシナイ、デントカマエル! オケー?」


 物凄い勢いでラーメンを食い終わり、お礼がしたいとの要望で家まで送り届ける事に。

 まぁこのまま一人で家に帰すのも気が引けるし、いっか。



 歩きながら色々な話を聞く。


 名前はルウ。

 年齢は恐らく12歳。

 獣人族の村で育ったが父親に奴隷商に売られアテンナの街に来たとの事。

 奴隷商から逃げ出し流れついた場所がここアテンナの街。

 空き缶やゴミを役所に持っていき僅かなお金を貰う俗にいうホームレスのような生活をしているが本人は苦では無いらしい。

 父親と離れて暮らせる事が幸せらしい、色々話を聞く限りどうやらとんでもないグズみたいだ。

 何回か暴漢に襲われる事もあったようだが、その都度身軽さを生かし逃げてきたが今日初めて捕まえられ非常に焦った&怖かった、もう二度と一人で危ない場所には行かないと俯きながら語るルウ。

 その間にも獣耳がずっとピクピク動いてるんだよなぁ~モフっていいかな?

 ラーメン代にモフってもバチは当たらないはず。




「ツイタ!」


 でかい公園のような広場に着いたはいいがダンボールハウスが所狭しと並び、あからさまにホームレス感が半端無い。

 ルウは俺の手を引きながらのホームに向かうが全く気乗りしない。

 ホテルのふかふかベットで眠りたいんだよなぁ~

 入り組んだ公園内を歩くこと5分


「ココ!」


 ルウが指差した場所はダンボールハウスではなく。

 プレハブ小屋だったので意外、どういう理由で此処にいるかは謎だがマトモな暮らしはしてるようだ。

 プレハブ小屋の鍵を開けて中に入ろうとすると


「ルウちゃん」


 と隣の小屋から話しかけてくる老婆「オバサン、タダイマ」


「お帰りルウちゃん。隣のお兄さんは彼氏かい?」


 人の良さそうな婆さんはニコニコ笑いながら溺愛する孫を見る眼でルウに話し掛けている。


「チ、チガ! チガウヨ!カカカカレシ、ジャアナイ、ヨ?」


 大仰に両手をばたつかせてチラチラと見てくる


「いい男を捕まえたね。逃がすんじゃないよ。」


「チッ、チガ、ウ、テトラハ、オンジン、カレシチガ、ウ?」


 モジモジしながら顔を赤らめるルウ、そんな純粋なリアクションされると俺まで照れるじゃねぇか


「ババの勘はだと二人はお似合いになると思うよ。」


「オバサン、カラカワナイデ。テトラナカハイロウ!」


「ルウちゃん、ちょっと此方に来てごらん。」


 親鳥に呼ばれトテトテとついていく雛鳥のように婆さんの元に駆け寄っていくルウ、

 耳元で何かを囁かれている

 聞き終わったルウは赤かった顔を更に赤くし


「アゥ、アゥ、」


 と声にならない声をだす。

 あの婆さん絶対ろくでもないこと教えてるよ

 戻ってきたルウは俺の手を強引に掴みプレハブ小屋に入る、その間獣耳が世話しなく動きっぱなしだ。


 別れの挨拶に婆さんをみると満面の笑みでサムズアップしているのが何だか滑稽でした。


 小屋の中はせんべい布団があるだけのシンブルな部屋。

 水場とトイレはあるみたいだが…ここに一人で住んでるのか?


「キガエルカラ、アッチムク」


「はいはいっと」


 美少女の命令には従おう、これは世の男の務めだな。



 ………



 室内には服を脱ぐ音が妙に聞こえてくる



 なんだろう。



 沈黙が気まずい。



「な、なぁこの小屋どうやって手に入れたんだ?」


「ン?エライヒトニ、ツカッテイイ、イワレタ! 

 カワリニマチノソウジトヤサイソダテル」


 偉い人って役所の奴とかかな?

 小屋用意するから地域の掃除しろ的な感じかな。

 なかなか合理的だ、野菜育てるっていうのも同じようなもんかな。

 ホームレスを労働力として雇うとは給料の変わりに小屋をあたえる……あこぎやなぁ。


「テトラ、キガエタ、コッチ、ムイテ」


 思考を遮るルウの言葉は少し震えて聞こえた。

 ゆっくり振り向く


「テトラ、オンジン、オレイ、シタイケド、ナニモナイ、ダカラ。」


 下着姿のまま俺の上着を肩にかけ両手を胸の前で交差させ上着を掴み、顔と耳を真っ赤にし俯きながら此方をチラチラ見てくる。


「ド、ドウ、ゾ」


 身体も声も震えながら俯いている。


「………」


 はっ!

 どうやら思考が停止していたようだ、これ絶対あの婆さんの入れ知恵じゃんあの婆さん何てこと教えてんだ、でも、えっ?いいの?

 異世界初チョメチョメがこんなに形でいいの?



 無言のまま見つめ合う俺とルウ

 先に視線を外したのは真っ赤な顔で俯く、再度目を合わせ震える手で下着に脱ごうとするが。


「ウゥ」


 気持ちよりも羞恥心が上回り膝を落としへたり込む



「……」


「……」



 そんな初な姿を見せられたら男…いや漢テトラ、とるべき行動はひとつしかあるまい。



「ルウ」


 俺の声に身体を強張らせゆっくりと俺の目を見る


「ドウ………ゾ」


「甘い!」


「ヘッ?」


「ルウは甘いぞ! 俺を誘惑しなかったらな!」


 背中を向けベルトを外しズボンを下ろす。

 赤いパンツを上に持ち上げパンツ全体を尻の間に挟み込みくい込みを入れさらに上に持ち上げる。

 クイッてな効果音が現れそうな位に。

 即席のTバックを作り顔だけスーに向ける。


「こういった下着が似合う大人になってから出直しなさい!」


「…テトラ」


 ふっ。大人の余裕という奴を見せてしまったか。

 感動して泣いていいんだぞ。


「オシリ、キタナイ」


「えっ、うそっ!?」


「ブツブツガイッパイ。」


「なっ! 俺の美尻にブツブツだと!?」

 触って確かめると尻には確かに凸凹がオーマイガー!


「フフッ。テトラオシリキタナイ! カッコツケタノニ、ダサイ!!」

 目に涙を浮かべる程笑いながら俺の尻をペチペチ叩くルウ。


「テトラオシリブツブツ! オカシイ、コンナ、ククッ、ヒヒヒヒッ。

 ワラッタノヒサシブリ!」


 クソッ! このガキは


「テトラノオシリ、ヒヒヒヒヒヒ!」


 まっ美少女の笑顔がみれたからヨシとするか

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