お礼はしっかりと
「本当に助かりました、何かお礼をしないとですね」
「えっ!?いいですよお礼なんて!?」
お昼ごはんの件もあるのにこれ以上はもらえない。
さらに何かをもらっては嬉しさよりも申し訳なさが勝ってしまう。
「しかし、こちらからお願いして解決してもらった訳ですし…」
「お礼の言葉だけで僕は満足ですから」
「貰えるならもらった方がいいのでは?」
薄々感じてたけど、タンドップさんって結構図太い?
冒険者はそうでなきゃやっていけないとかあるの?
「グドウさん、あなたにとっては失くしたものを見つけた…くらいかもしれませんが、私からすれば命を助けてもらうことに繋がるんですよ」
「え?」
「防護石は先程も教えた通り、防具につけることで受けるダメージを減らすことができます」
「…どういうことですか?」
「それはつまり、今回見つけることができなければ私はいつも以上にダメージを受ける可能性があって、場合によってはそのまま死んでしまうかもしれなかったんですよ」
「!?」
その可能性は否定できないけど…僕はそのつもりで手を貸したわけじゃないし…
「言うなればあなたは命の恩人です。そんな人にお礼をしたいというのは可笑しな話でしょうか?」
「…そう言われちゃうと断れないじゃないですか」
「分かってもらえて嬉しいです。という訳でこちらをどうぞ、命の恩人に対するお礼ではないかもしれませんが」
ニューマさんから渡されたのは5枚のチケットのような物、何か書いてある…福引き券?
「以前に知人からもらったもので今日開催されるんですが…私はこの後用事があるので引きに行く時間がないんですよ。なのでお二人で引いてきてください」
「福引きですか、なにが当たるんですかね?」
「噂によると、値段がつけられない程の物が景品になっているらしいですよ」
そんなすごいものが景品になってるんだ…内容がすごく気になる、当たるといいな。
「福引きは冒険者ギルドから提供された景品があるそうなので、今後の冒険に役立つ物が当たるとおもいますよ…と、私はそろそろ行きますね、良いのが当たるといいですね」
「またお会いしましょう」
「あ、ありがとうございました…」
早速引きに行くことにしよう。
5枚あれば何かは当たる…はず。
ーーーーー
「さあ!皆さんお待ちかねの福引きが始まりますよ!」
「「「「いえ~い!!」」」」
福引きが開催される場所にやって来て聞こえてきたのは大地が揺れんばかりの歓声だった。
「盛り上がりがすごい」
「そんなに人気の催し物なんですね」
「今回で第1回目の福引きなんですけども、冒険者ギルドから協賛していただいた景品もありますので、冒険者の方もそうでない方もぜひ引いていってください!」
え、この盛り上がりようで初開催なの?
皆ノリが良すぎない?それほど人柄が良い人が多い証拠なのかな。
「福引き券1枚で1回引くことができ、外れはもちろんのこと5等から1等、そして特等がございます。内容は当たってみてからのお楽しみですよ!」
「噂聞いたか?値段がつけられないくらいやべえ景品があるんだってな」
「その噂を聞いてから死にものぐるいで福引き券を集めたぜ」
「何枚集まったんだ?」
「0枚だ」
「じゃあなんでここにいんだよ…」
「冒険者ギルドからの協賛ってなんだろうな?」
「ポーションとかじゃね?」
「ポーション代もバカにならないからな…当たるなら嬉しいが」
「でもやっぱ特等がいいよな」
「せめて何かしらは当たってほしいよね」
「もし特等が当たったらどうする?」
「欲しそうな人に高値で売る」
特等狙いの人が多い…値段がつけられない物って本当になんだろう?
「ではまず、福引き券をお持ちのかたに番号札をお配りします。その後ランダムで番号を選出し、同じ番号の札を持っている方から引いていただきます。」
「えー…せっかくたくさん集めて早く来たのに先着順じゃないのかよ…」
「お前みたいなやつがたくさん引いて早々に特等を出されても困るんだろ。目玉景品がない福引きは魅力半減どころじゃねえからな」
なるほど、最初は外れも多いだろうけどたくさん引けばその分特等が当たる可能性も上がるもんね。
少しでも平等に近づけるための措置なんだ。
「では早速番号札をお配りしますね。福引き券をお持ちのかたはこちらへどうぞ」
「タンドップさん、福引き券は5枚ありますけど何回引きますか?」
「ちょうど半分にはできないですね…2回引きたいです」
「じゃあ僕が3回引きますね」
タンドップさんに福引き券を2枚渡して番号札をもらうために列へと並ぶ。
何人並んでるか数えきることができないくらいの長蛇の列だ、誰が特等を当てるのかな?
「何が当たるのか楽しみですね」
「全部外れだけは避けたいです…」
楽しい楽しい福引きの始まりだ!




